第5話 「霧の街には秘密がいっぱいです」


   成長、成長

GM それでは始めましょうか。今日もよろしくお願いします。
一同 よろしくお願いしまーす。
GM おかげさまで、このキャンペーンも第5話まで進んできました。今日あたり新展開が待っているかもしれません。
リンダ おおー、新展開に期待。
GM 期待しているのはこっち。きみたちの行動とダイス目次第ですからね。
ロスト イベントによっては即死に繋がるものもあるからなぁ……。
GM そういう新展開でもいいですが。さて、前回は戦闘が多かったですね。会う敵会う敵、皆殺しにしてきたおかげでやたらと経験点が入りました。人族は殺してない? そんなことを気にしていては霧の街を生きていけませんよ。それじゃ恒例の成長申告を……おや。

 すたーん

   すたーん

GM ずいぶん懐かしい登場の仕方だね、お兄ちゃん。じゃあきみからで行こう。
ラウディ 「ラウディだ。前回は多くの蛮族を殺せて嬉しいぜ。成長だが、ファイター技能が4レベルから5レベルに、エンハンサー技能が2レベルから3レベルに上昇したぜ。そして新たにマギテック技能を1レベル習得した。さあ、今回も張り切ってなぎ倒しにいくか、くく」
GM いつの間にか魔動機術を勉強してたんだ。
ラウディ 「5レベルで習得した戦闘特技は《防具習熟U/金属鎧》。錬技は【マッスルベアー】を覚えた。精神力も1点上昇だ。派手さこそないが、硬い、当てる、を目指している。俺が盾になることで1体でも多くの蛮族を殺せればいい……んじゃ、次だ。ロスト、頼むぜ」
ロスト 「首尾よく敵を倒せたことは僥倖だった。だが、時には慎重さも必要だと言う事は忘れるな……僕はソーサラー技能を5レベルに、コンジャラー技能を2レベルに成長させた。《魔法拡大/数》を習得したが、その分マナを多く使うようになったので注意が必要だな」
GM 瞬間的には強くなったけど、ガス欠にご用心と。お次はリンダさん。
リンダ 「はぁい。こっちはスカウト技能とフェンサー技能をそれぞれ4レベルに上昇させたわ。それと、唐突にライダー技能が生えてきたのよ。ボーアちゃんラブ♪」
GM 取得騎芸は【タンデム】か。また渋いところを。ボーアの名前、結局どうなったの? こくりゅう号って名前も聞いた気がするけど。
リンダ 「よし、それならボタン・こくりゅう号にしよう。おいしそうでしょ。ちなみに能力値は器用度が上がったわ。17だから<巧みの指輪>があればブレイクする。はい、次はルシエルにバトンタッチ」
ルシエル 「えーと、地味にプリースト技能とファイター技能が4レベルになりましたー。【セイクリッド・ウェポン】とか【セイクリッド・シールド】が入ったので、蛮族には大分強くなったよ。今日もいいお天気だといいなあ」
GM 順当な成長ですね。ではアルテちゃん。
アルテ 「はーい。えっと、ファイター技能とフェアリーテイマー技能が4レベルになったんだよ。【カオスショット】とか、【プライマリイヒーリング】とかが使えるようになったの」
GM 妖精使いの4レベルはわりと使いやすい魔法がありますね。
アルテ 「【サニティ】とか【デストラクション】なんてのも使えるから魔法だって怖くないよ! でも、そろそろMPが大変だから何か増やしたいなあ。コンジャラーとか……あ、成長は器用度だよ! <宗匠の腕輪>をつければブレイクするの。それじゃ、今日もがんばるねっ!」
GM 器用度ブレイク候補二人目でした。ありがとう。最後はアキラくんお願いします。
アキラ 「はーい。今回の成長はシューター技能とマギテック技能をどちらも4レベルに。魔動バイクが作れるようになったぜ」
GM 【クイックローダー】も入って、瞬間装填もできるようになったね。
アキラ 「そんなのもあったな。MP消費が大きいけど、いざという時には火力を途切れさせないですむ。今日はいいとこ見せるぞ」
GM こんなところですね。それでは早速本編にいってみましょう。

   出るときはまとめて出るものなんです 17日目「朝」【木漏れ日の施療院】

GM 前回は“夢渡しの”ベルゼバリィ率いる【麻薬窟】の勢力を一掃した後、名誉蛮族キースさんとササンテさんから荷物を受け取り、【木漏れ日の施療院】まで届けて結構な報酬をいただきました。帰途では2体の怪奇植物を7ラウンドに渡る激戦の果てに撃破してもいます。【袋小路長屋】で鞠つき歌の由来を聞いたり、【ティダン神殿跡】で開閉コードなるものを見つけたりと、細かい手がかりが集まり始めたところ。
ラウディ 徐々に進んでいるぜ。
GM さて、まずは冒険者レベルの上昇を実感するべく、恒例の生命抵抗力判定をば。あ、目標値は2点上がって12なんですけどね?
ラウディ ぬぅ。
ロスト レベルアップの余波かー。2も上がるんだ。
アルテ そろそろ風邪引きそうで困る。

 『ミストキャッスル』では平均レベル上昇に伴い、判定の難易度が上昇することがあります。この生命抵抗力判定もそのひとつ。今回はアルテとルシエルが失敗し、tbごとにHPが減少する風邪を引いてしまいました。リンダは〔剣の加護/運命変転〕を使用して難を逃れます。

アルテ あぁん、風邪やだぁ!? しょうがない、るっしーと一緒に寝込んでやる。
リンダ ハハハ、イニシア要員がすでに剣の加護を使い切りましたよ。ルシエル、【キュア・ディジーズ】は覚えた?
ルシエル あれは5レベルなの。1レベル足りない。
ラウディ 「大丈夫かよ?」言葉少なだが、タオルとかを。
ルシエル 「……だめかもしんなーい」
ラウディ 「ちっ……そいつは参ったな……」 アルテにも濡れタオルを無造作にぽふ。
アキラ 「アルテ、しっかり」 そのタオルを丁寧に置き直しておこう。
アルテ 「……」意識が朦朧としている。
GM (ただの風邪なのに妙に気分を出してるな)まあ、そういうシチュエーションでもいいか。今日は普通の天気。一階に下りてくるなら、ウルスラさんが「おはよう……あら、大丈夫? 薬草茶でも淹れましょうか」とお茶を淹れます。こぽこぽ。
リンダ ルシエルにはリンゴをむいてあげよう。「うさぎさんがいい?」
ルシエル 「くまさんがいい……」 ぽっぽっと赤い顔をしてぐったりしつつりんごを見てる。
リンダ 「くま!? 難易度高いわねえ」 だがすごく精緻にりんごを熊に彫刻!
ラウディ 「よくやる……しかし、まいったな。街の探索を進めてぇところだったが……」

 寝込むほど重い症状のつもりではなかったのですが、プレイヤーは楽しんでいるようだったのでしばらく見物してみたり。が、それでは話が進まないので、ぼちぼちウルスラさんをしゃべらせてみます。

GM そんな心温まることをしていると、薬草茶を淹れてきてくれたウルスラさんが唐突に思い出しますよ。「あ、そうだ。病気で思い出した。あなたたちにまた頼んでおきたい、というか気にしておいて欲しいことがあったんだけど」
ラウディ 「ん……?」視線をウルスラに。
リンダ 「気にしておいてほしいこと?」
GM ウルスラ「うん、患者さんの中に難しい病気にかかってる人がいるんだけどね。すぐにどうこうってわけじゃないんだけど、普通の方法じゃ治る見込みが薄そうなの。それで治療のために欲しいものがあるんだけど……<サカロスの薬酒>って知ってるかしら」

 薬品学判定を行いますが、達成値が足りず、誰も分からなかったのでウルスラが説明。

GM ウルスラ「この街がまだ蛮族に支配される以前、サカロス神殿で造られていたっていう薬酒なんだけどね。あらゆる毒を消し去り、どんな病もたちどころに癒すって言われてるの。疑わしいとは思ったんだけど、昔の記録を調べてみた限りでは本当の話みたいなのよ」
ロスト ほー。
GM ウルスラ「あなたたちはこれからも色々な場所に行きそうだからね。もしも見つける機会があったらうちに持ってきて欲しいの。水袋一杯分の<サカロスの薬酒>を見つけてきてくれたら、2000ガメルと<情報無料券>1つで買い取るわ。覚えておいてくれる?」
リンダ 「おっけー」
ラウディ 「分かった。覚えておくぜ」
GM そういうわけでクエスト「サカロスの薬酒の入手」を開始しました。さて、今日はどうします? 体調に不安があるなら、買い物に行くとか、短い時間でできそうなこともありそうだけど。
アルテ 《魔力撃》を当てるために器用度の上がる腕輪がほしーい。
ラウディ チェインメイルがほしーい。
ロスト パーティ資金は5000ガメル弱かな。<剣の欠片>があるから、崩せば1万ガメル弱くらいの買い物ができるけど……でも、その前にミッションを受けていかない? ミッションさえ受けておけば、寝泊りは風邪判定のない【袋小路長屋】で済ませられる。
リンダ そうしましょうか。
ラウディ さあ、ミッションを受けよう!
GM さいですか。ではウルスラに何か依頼はないかと聞くと……今日はラウディからいこうかな。1dしてみて。
ラウディ (ころころ)6。
GM ウルスラ「ちょうどいいわね。魔物の討伐依頼が2件あるんだけど」 なんだかウルスラが冒険者の店の女主人に見えてきました。
ロスト 「ふむ。魔物か……まずは内容を聞こう」
GM ウルスラ「地図のこの辺に【鮮血城】っていう、誰が住んでるのかも分からない小さなお城があるんだけどね。最近、その辺りで魔動機械に襲われる人が出てるのよ。ずんぐりした人型で両手が銃になってるヤツらしいけど、2体に襲われた人もいるから数体いるんだと思う。それを倒してきて欲しいのが1つ」 魔動機械について魔物知識判定をどうぞ。知名度は10。
ロスト (ころころ)14だ。
GM 恐らくはルールブックT−P366、ガーウィだと思われます。ガンで二回攻撃してくる4レベルの魔法生物。
ラウディ 「は。亡者の次は機械か」
ロスト 「僕やアキラには多少リスクが高いが、前衛にとってはどうと言う事はないだろう。アキラと同じく銃を使うから鎧は効かないがな」
GM ウルスラ「それと、こっちはあなたたちも会った名誉蛮族のキースさんにお願いされてたんだけど、魔動機文明時代の遺跡がたくさん埋まってる【廃墟】があってね。そこに調査したい遺跡があるそうなんだけど、ここのところ丁度そのあたりに怪獣が出るんだって。なんでも体長20mくらいある四本足の爬虫類だそうよ。首と尻尾が長くて、口から炎を吐くらしいわ。通りがかった人を襲うこともあるらしいからほっとけないとは思ったんだけど、あなたたちなら倒せるかしら」
アキラ 「20m! でかいなぁ」

 怪獣についても一斉に魔物知識判定を行う一行。こちらはセージ技能のあるロストとリンダ、それにアルテが成功しました。

GM 特徴が合致するのはT−P352、キプロクスですね。炎を吐くプロントサウルスみたいな4レベルの大型爬虫類。ただ、一般的に知られているのは体長10m前後のものです。ウルスラの情報が正しければ優に二回りは大きい。
ロスト 「爬虫類はキプロクス……だろうか。とにかく大きいのが特徴だ。炎のブレスと尻尾の範囲攻撃が多少厄介だな」
アキラ 変異種なのかな。
GM もしくは老成体。キプロクスは死ぬまで成長を続けるそうですよ。
ラウディ テラ爬虫類!
ルシエル さすが恐竜(笑)。
GM ウルスラ「やれそうなら、この二箇所で魔物を倒してきてくれれば報酬を出すわ。倒した証拠に戦利品なり、身体の一部なりを持ち帰ってくれれば、魔動機械のほうは1体につき1000ガメル、怪獣のほうは3000ガメル。それでお願いできるかしら」
ロスト 「悪い条件ではないな。……どうする?」
ラウディ 「機械に獣じゃ物足りねぇ気もするが、金は悪くねぇ。やるか。いつも通り歩いてりゃ蛮族を切れるかもしんねぇしな」
GM ウルスラ「ありがとう。じゃあ【鮮血城】と【廃墟】の場所を教えるわ。充分気をつけてね」
ラウディ 「あぁ」

 ミッション「魔物の討伐」を開始です。魔物が出没するブロックをダイスで決めると、【鮮血城】はC−6、【廃墟】はF−5。

ラウディ 【鮮血城】は【露天市場】と隣接してるか。
アルテ・リンダ 露天!露天!
アキラ どっちから行こう……って、買い物に行きたいらしい。
ロスト とりあえず、今日の所はリンダも〔剣の加護/運命変転〕を使ってるし、買い物してから【袋小路長屋】で休みますか?
ラウディ 準備を整えてから魔物退治にいきましょう。
ロスト あとは<サカロスの薬酒>ですけど、サカロスと言うぐらいだから【サカロス神殿跡】に何か手がかりがあるかもですね。
GM きみたちはあのブロックにサカロス神殿跡があるとは知りませんけどな。
ロスト そうなんだ?
GM 前回のセッションでは3回ほど言って、リプレイにも2箇所で書いたんだが。
ラウディ まだ入ってなかったからな。
アルテ 神殿っぽい場所があったなという認識だったはず。
ロスト あれ?(笑)
GM 概ねそんな感じ。かなり広い敷地を塀で囲った場所で、建物の屋根は見えました。神殿っぽいと言われればそう見えなくもない。
ロスト 神殿跡を片っ端から調べてみようと言う考えはアリだろうか?
GM いいんじゃない。昔この街のどこかにあった神殿ということなら、それっぽい所をしらみつぶしでもいつかは見つかりそうだし。
ラウディ 「まあ、何するにしろ、準備からだな」すたすた「(ぼーっとしているルシエルに)おう、起きてっか?」
ルシエル 「うん、大丈夫」手を振る。
リンダ 「ルシエル、ボタンの後ろに乗んなさい」 このときのための【タンデム】よ!
ルシエル 「うん」よいしょ、よいしょ。「こくりゅーちゃんよろしくなー」 よじ登った。
ラウディ 「そいつ、名前つけたのかよ」
リンダ 「ボタンっていうのよ。おいしそうでしょう」
GM ではここから「朝」を開始。あ、そういえば前回はじめて<情報無料券>をもらったんだよね。引き換えられる情報を見ておく?
ラウディ 見せてくだされー。

 ウルスラから買うことのできる情報は、基本的に「こういう情報について知らないか」と訊ねない限り開示されないというのが本来の設定でしたが、今回は検討した結果、誘導する意味もあって情報のタイトルをリストにしてプレイヤーに公開しました。若干アレンジも加えています。

 01.“出来損ないの”ヒューリカの秘密(戦闘に影響、500ガメル)
 02.“貪欲卿”ズ・グリの秘密(戦闘に影響、500ガメル)
 03.“黒こげにする”ジャバディーンの秘密(戦闘に影響、750ガメル)
 04.“死装の織り手”パウネーラの秘密(500ガメル)
 05.“澱みの毒”イヴァン・アイヴァンの秘密(500ガメル)
 06.“翠将”ヤーハッカゼッシュの秘密(1.000ガメル)
 07.“月の娘”アリアドネの秘密(2.500ガメル)
 08. 霧を晴らす魔法装置について(1.500ガメル)
 09. 霧の街で活動する抵抗勢力2つの名称と拠点(750ガメル)
 10. 抵抗組織[A]についての情報(500ガメル)
 11. 抵抗組織[B]についての情報(500ガメル)
 12. 名のある魔物の情報(250ガメル〜500ガメル)

アルテ どうせなら高い情報を聞きたいよね。6とか7とか?
ロスト まだ興味がないなら必要になった時のために取っておくのもひとつの手だね。
リンダ 霧の街で活動する抵抗勢力についてがいいんじゃない? これが直接、こちらの協力者とかに関係しそう。
ラウディ ああ、今後の活動を考えると、抵抗勢力に関するの知識は欲しいかも。
GM 抵抗勢力については09が基本の情報で、10と11はそれを知った上での上乗せって感じ。
ラウディ じゃあ09からかな。
アルテ ですね。500ガメルなら追加の情報は普通に買うかもしれないし。
ラウディ よし、では「09.霧の街で活動する抵抗勢力2つの名称と拠点」と引き換えてください。
GM よろしいですか。それでは抵抗勢力Aの名称は“月夜蜂”であり、拠点は【娼婦街】であること、抵抗勢力Bの名称は“風の旅団”であり、拠点は【追いはぎ小路】であることを教えてもらいました。

 再びブロック決定。【娼婦街】がE−2、【追いはぎ小路】がF−7という結果に。

ルシエル ついに端っこが出たー!
ラウディ 1つ埋まったな。「“月夜蜂”に“風の旅団”か……・・」
アキラ 「行けそうだったら、近い方から行ってみる?」
GM ウルスラ「ただ、どっちも反政府勢力なわけだから、簡単には接触できないわよ? 特に“風の旅団”の拠点は隠れ神殿みたいだからね。誰かの紹介でもないと難しいんじゃないかな」
ロスト 「……」以前聞いてしまった事を思い出すが、黙っておく。「と、言う事は、貴女はつなぎにはなれないんだな?」
GM ウルスラ「残念ながらね」
リンダ 「それがわかっただけでも収穫じゃない。接触手段を探せばいいのよ」
ラウディ 「まずはつなぎを作れってことだな」
ロスト 「わかった。……一度ミランダ婆さんに話を聞いてみるのもいいかもしれないな。あるいは、情報が集まりそうな……それこそ市で聞き込んでみるのも悪くないだろう」
ラウディ 「まあ、覚えておくさ。まずは買い物にでも行くとしようぜ」
アキラ 「りょうかい」 それにしてもずいぶんたくさん情報が出たね。
GM 情報なんて、出るときにはまとめて出るものです。

 一気に情報が増えた感はありますが、一行はとりあえず買い物を済ませるため【露天市場】を目指します。まずは通り道の【袋小路長屋】へ。

   人生はドラマの連続なんです 17日目「朝」【袋小路長屋】

ラウディ 「おら、鼻をすするなよ」むっつりした顔で鼻紙を風邪引きさんたちに。
アルテ 「鼻はすすってないよ、くしゅっ」
ロスト 「何だかんだで面倒見がいいな、ラウディは」
ラウディ 定期的に婆さんのところに顔を見せにいくぞ。
ロスト ついでに暇がありそうなら話を聞いておこうか。もしかしたら市場に誰かいい人がいるとか聞けるかもしれない。希望的観測。
アルテ 「こんにちは〜、くしゅっ」
アキラ 「婆ちゃん、やっほー」
ロスト 「久しい、と言うほどでもないが。息災そうで何よりだ」
GM ミランダ「お前さんたちも、少しは落ち着いたようで何よりじゃな。どうだい調子は」

 ひとしきり世間話で盛り上がってみたり。主な話題は【木漏れ日の施療院】の衛生管理についての愚痴とかでしたが。気持ちは分かります。

ロスト 「ああ、そうだ。いくつか聞きたいことがあるんだが。いいか?」
GM ミランダ「ほう、なんじゃね」
ラウディ 「婆さんは、この街に長いからな。顔が利くんじゃねぇかと思ってよ。実は……」

 一行は<サカロスの薬酒>や、二つの抵抗組織について何か知らないかと質問します。巨大キプロクスの話が噂になっていないかも確認。

ラウディ 抵抗組織との連絡手段は欲しいところなんだよな。
GM ふむ。ミランダさんにはいずれも直接の心当たりはありませんが、“月夜蜂”の関係者に【袋小路長屋】出身の女性がいるそうですよ。でもミランダさんもしばらく前に会っただけで連絡手段はない。マリリン姉さんっていって、5年前までアキラの部屋の隣に住んでた人。
ルシエル 隣のお姉さんキター!
GM アキラ、アルテ、ラウディは面識があるよ。気が強いけど面倒見のいいお姉さんで、アキラはいろいろとお世話になっていた。マリリンには実の妹もいたけど、その子は5年前に蛮族に殺されている。彼女は妹を殺した蛮族に復讐する手段を求めて長屋を出たんだ。それで“月夜蜂”に入ったらしい。ミランダさんが知っているのはそれくらい。
ロスト 悲しい話だね……ロストは面識ないけど。
GM 人生はドラマの連続。
アキラ ねぇちゃんって呼んでそうだ。
ラウディ おいくつだろう。
GM 19歳。5年前に長屋を出て行った時は14歳かな。ラウディとは同年代くらいのつきあいだったかと。
リンダ おお、同い年だー。
ラウディ 「マリリンなのか。生きてやがったか」 淡々と言いますが、嬉しそうではある。5年前……俺は当時16か。
アキラ お隣ってことなら俺は妹のことも知ってるよね? 妹は俺と同じくらいの年だったのかな。
GM 14歳だったマリリンの妹なんだから、当時11歳だったアキラと似たような年齢ではあっただろうね。
アキラ ってことは俺も実の妹みたいに思ってたんだきっと。「ねぇちゃん無事だったんだ。良かったぁ」
アルテ 「また会いたいね、くしゅっ」
GM ミランダ「あまり危ない真似はして欲しくないんだけどね。お前たちも荒事はいいけど、命を粗末にするんじゃないよ」
アキラ 「無茶はすると思うけど、大丈夫だよ」
ロスト 「慎重に行くさ。僕……達には目的がある」
GM 昔話はこの辺にしておこうか。ちなみに長屋に引きこもってるミランダさんが巨大キプロの情報持ってるとかありえないからね。
ルシエル 【廃墟】は4ブロック離れてるもんね。知ってたらすごい。
ロスト 一応聞いてみたまでです!(笑)「抵抗組織に接触できればマリリンとやらにも逢えるだろう。まずは予定通り買い物に行くか」
アキラ 「りょうかーい」

 【袋小路長屋】での情報収集を切り上げた一行は【露天市場】で色々と装飾品を購入。アルテとリンダが<宗匠の腕輪>と<巧みの指輪>を手に入れたことでパーティ全員の器用度が18以上に。成長で敏捷度が上がったルシエルも<疾風の腕輪>で敏捷度を12に上昇させました。アキラも<叡智の腕輪>を購入し、知力ボーナスをブレイクさせます。

ルシエル わぁい、移動力が12mになったー。
ロスト 買い物はこれぐらいですかね。あとは聞き込みしてみましょうか。まずはアイテラさんで、あとは……情報ならマーベルかな? 聞くべきはマリリンのことも含めた2つの抵抗組織へのつなぎの事と<サカロスの薬酒>、あとはもののついでに巨大キプロ。
ルシエル だね。
GM アイテラからは特に有望な情報はないですね。マーベルのところにも行く?
アキラ ダメ元でも行くだけは行ってみよう。
ラウディ どれかひとつくらいは引っかかって欲しい。
GM では、“月夜蜂”について聞くとヒットがあります。
一同 おおー。
GM マーベル「(リンダに)あんたに以前<蜂の刺繍入りのハンカチ>を渡したろ? あれを持って【娼婦街】に行ってみるといいよ。同じハンカチを巻いてる女が見つかるはずさ。これ以上はここじゃ言えないかな」 賭博勝負に勝った時、好敵手の証にハンカチをあげたでしょう。
ルシエル そういえば。
アキラ そんなこともあったね。
ラウディ あれがフラグだったのかー。
GM マーベル「上の方までは簡単にはつながらないと思うけどね。後はあんたらの誠意と頑張り次第」
ロスト 「なるほど。情報提供に感謝する」 フードは伏せたまま。軽く礼を。
ラウディ 「ありがてぇ」
GM マーベル「で、今日は勝負していくかい?」 にやり。
ロスト 「いや、僕は……」少し笑って皆を見よう。
ラウディ 「サマありかよ?」遠慮するようにすでに踵を返す。
アキラ 賭けはしなーい。
GM ダイスポーカーをやりたくなったらまたおいで。それじゃこれで「昼」を終えてよろしいかな。
一同 はーい。

 ガーウィが出没するという【鮮血城】のブロックは隣でしたが、体調と暗くなるまでの時間を気にした一行は【袋小路長屋】に戻り、休息を取ります。朝まで休んだのでアルテとルシエルは風邪が治るかどうか、再び生命抵抗力判定を行いますが……。

アルテ (ころころ)……ま・た・か!(←前日と同じく出目5)
ルシエル (ころころ)……げふんげふん。
ロスト きみら仲いいね(笑)。
GM あー、今回の風邪はしつこいようで。じゃあ「夜」「深夜」「未明」で計6点HPが減った状態で目覚めます。
アルテ 「くしゅっ、くしゅんっ」 HPが削れちゃう。起きたら【ウィスパーヒール】で回復しておきます。
ルシエル 「のど痛い……」氷嚢頭に乗っけて唸ってる。熱くて時々発火している(笑)。
リンダ グレンダール様がお怒りじゃあ。
ルシエル 「ひぃ、ごめんなさいー」うわごと。
GM ……あの、そこまで苦しまなくてもいいのですけど(苦笑)。

 妙に風邪引き&看病するロールプレイに力が入る一行ですが、話が進まないのでカット。一行は【鮮血城】のブロックに出没するガーウィを退治するために出かけることにしたようです。【露天市場】は素通りして、【鮮血城】に移動します。

   殺意の籠もった攻撃には慎重な対処が必要なんです 18日目「昼」【鮮血城】

ロスト 【鮮血城】のブロックに着いたか。GM、ここで隊列に注意しておく宣言をしてもいいですかね?
GM 好きなように並べてください。
ロスト では……みなさん、通常のガーヴィなら《鷹の目》がありません。
GM それどころか《精密射撃》もありませんね。
ロスト 前衛、中衛、後衛と三段構えに並べれば、中衛が遮蔽になって後衛が射撃されることはないので……前衛はラウディ・リンダとして、中衛はアルテかな?《魔力撃》さえしなければそれなりに避けますよね?
アルテ 回避の基準値は8ですね。いいんじゃないですか。
ロスト GMがバックアタックとかしてきたら、それはその時考えましょう(笑)。先手取って移動専念するしかない。
ルシエル ヒャア!
リンダ 先制は取れる。よし、それで行ってみよう。
GM それじゃ、話がまとまったところで……【鮮血城】のブロックに入ってしばらく。聞いていたお城のほうへ向かって歩いていくと、公園のような広場に差し掛かったところで奥の茂みのほうからパキューンと聞こえてきます。続けて人族だか蛮族だかの悲鳴。
リンダ 「なんか音がしたわね……」
アキラ 「誰か襲われてる、かな。人じゃないかもしんないけど」
GM ?「シシシシシシ侵入者侵入者侵入者ハハハハハイハイ排除排除」 魔動機文明語の音声とともに何かが近づいてきます。
ラウディ 「現れやがったか」

 茂みの中からガーウィが現れます。通常より防護点が1点低く、右腕のみ命中が1点高いタイプが3体。一行はあらためて魔物知識判定を行い、データを看破しますが、弱点は見抜けませんでした。

アキラ 1体じゃなかった!
ロスト いや、2体は確実にいるって話でしたよ。
GM 奴ら、何か光通信でピコピコやってますよ。先制判定をどうぞ。こちらは12。
リンダ ちょあー!(ころころ)11。〔剣の加護/運命変転〕します。15。
GM そちらの先攻ということで。そっちの前衛からガーウィBとガーウィCまで10m、ガーウィAはその3m後ろ。

 1ラウンド目。はじめての射撃系モンスターとの戦闘です。一行は隊列を崩さないように気をつけつつ攻撃を開始。まずはリンダとラウディがガーウィCを攻撃し、ともに命中。アルテは【ウインドカッター】をガーウィBとガーウィCに対して行使しました。どちらも抵抗しましたが、それなりのダメージ。今回《魔法拡大/数》を習得したロストも【エネルギー・ボルト】を3倍拡大、ガーウィCの抵抗を破り、破壊します。ルシエルは次に備えて移動、アキラは前回購入したロングボウでガーウィBを攻撃しますが、回避されます。

アキラ うぅ、命中のダイス低い……。
GM 弓だと何か変わるかなーと期待したが。
ロスト 割といつもの光景だ。超頑張れ。

 ガーウィの反撃。このガーウィは戦術共有システムなるものを搭載しており、ガーウィAの攻撃した対象を他のガーウィも狙い撃ちにするという設定。ダイスでターゲットを決定するとラウディ。

GM ガーウィ「侵入者、排除シマス」 Aは接近して乱戦宣言。Bともどもラウディに14、13、14、13と射撃。
ラウディ (ころころ×4)一発だけ食らってしまったな。
GM (ころころ)10点だけ。
ラウディ 「ち、剣と同じようにはいかねぇか」血を払う。
ロスト 集中攻撃しやがる……(笑)。殺意高いな。ルシエルには回復をお願いしたい。
GM 戦術共有システム搭載型らしいですよ。
リンダ 戦術共有!ならば《挑発攻撃》でどうなるかな。
ロスト 全部リンダに行くんじゃ……。
リンダ それだ。やってみよう。Bに《挑発攻撃》。(ころころ)15で命中、(ころころ)6点。ちくっと通して挑発スイッチオン!
アルテ 制限移動で3m近づいて、【ウインドカッター】を拡大。(ころころ×2)Aに12、Bに16。「風の妖精さんおねが・・・くしゅっ」(ころころ)抵抗したAに半減して6点、(ころころ)Bにはクリティカルして15点だよ!
GM Bはそれであと5点と思われ。
リンダ きゃー!《挑発攻撃》が無意味に!
ラウディ よし、さくっと倒すか。「これで2つめだ!」ガーウィBに攻撃、(ころころ)15で命中させ、(ころころ)14点だ!
GM 壊れた。
ルシエル それじゃ安心してラウディに【キュア・ウーンズ】を(ころころ×2)11点回復。「がんばなのよー」
ラウディ 全快だ。助かる!
アキラ 3m前に歩いて弓を撃つよ。(ころころ)今度は18で命中だ。(ころころ)11点。
GM 8点通しと。ロストは行動放棄? では反撃するよ。ラウディにパンパン。
リンダ またラウディか! ぶーぶー。
ロスト 挑発したBは落ちちゃったからね(笑)。
ラウディ (ころころ×2)また一発食らってしまった。
GM どうも一度狙ったら目標が倒れるまで撃ち続けるプログラムのようで。(ころころ)12点。
ラウディ 回復してもらったから大丈夫だ。「てぇな……いいぜ、俺を狙って来い! 倍にしてかえしてやらぁ!」

 倍返しとまではいかないまでも安定した命中力でガーウィAに反撃するラウディ。袋叩きにされて、3ラウンド目にして<剣の欠片>が入っていたガーウィAも破壊されてしまいました。彼らの実力ならこんなものでしょうが、ちょっと寂しい。戦利品判定ではラウディの出目が爆発、3体すべてについて最高額の戦利品を獲得し、合計960ガメル分を手に入れます。<剣の欠片>も4つゲット。

ラウディ 「結構いいモン持ってやがるじゃねえか」 血が出ているのも構わずに目を輝かせていよう。
ロスト 「ラウディ……せめて傷ぐらい癒してからにしておけ……」
ラウディ 「大丈夫だぜ。は、心配してくれんのか?」 にやっ。
ロスト 「……前衛に、倒れられるのは困るからな」 ぷいっ。
ルシエル 「エルフ仮面様が照れてるのよ」
リンダ 「やあねえ、子作りのできない恋愛関係って」

 クールな発言がきました。

ルシエル 「……うわぁ……こっちのほうが早く、くっつきそうなのかな……え、でもそれって、うーん(悩)」
ロスト 「……何の話だ」
GM そういうことを言うなら、生産的な恋愛関係も進行させて欲しいと思わなくもないのですが。リンダは?
リンダ こう、帝国の密偵という設定がある気がするリンダとしては、恋愛は別に……。
GM しないの?
リンダ ラウディはエルフ仮面とラブラブらしいので身を引こうかと……。
ロスト ねぇよ!(笑)

 今後の展開に期待しましょう。野良ガーウィを撃破した一行は【袋小路長屋】へ引き上げ、今度こそ二人の風邪引きさんを完治させようと看病に腐心することにしました。いや、あくまで演出であって結局は生命抵抗力判定なんですけどね。

アキラ 氷嚢と生姜湯を作ってこよう。定番は卵粥かな?
リンダ リンゴをすりおろしてあげようかしら。
ルシエル 「ごほごほ……すまないねぇ……」
ラウディ 「どこの婆さんの真似だ」
アキラ 「はい、アルテ。熱いから気をつけてね」(←卵粥を作ってあげたらしい)
アルテ 「うん、ありがと」
GM それじゃあ献身的な看護が実を結んだか、二人に判定してもらおうか。

 祈りをこめてダイスを振る二人。結果は……。

ルシエル (ころころ)治ったあ!
アルテ (ころころ)わーい! 看病してもらったおかげで回復したよ!
アキラ 良かった良かった。
ルシエル 「うーん、もう痛くなーい」 背伸びしつつ「みんな、ありがとう!」
ラウディ 「治ったみてぇだな……そんなことしても、背は変わらねぇぜ?」 くくっ。
ルシエル 「はぅっ!」 がびーん。
リンダ 「よかったじゃない。それじゃ、次は【鮮血城】?」
ロスト 「興味があるのか?」 ミッションやクエストではないですが、★はあるかもね。
アキラ 「たまには探検もいいんじゃない?」 そろそろミッション以外のことしてもいい気もする。
ラウディ 「まあ、ここんところ建物を見かけても素通りすることが増えてた気もするしな。構わねえんじゃねえか」
ロスト 「興味があるのなら、僕も別に構わない。どこに何の情報があるとも知れないしな」
GM 【鮮血城】については、今のところ「誰が住んでいるとも知れない小さなお城」とだけ聞いています。名前からするとノスフェラトゥが住んでてもおかしくなさそうな気もしますけど。
リンダ・ラウディ のすふぇらっとー。
ロスト そんなもんが出たら逃げるしかないが。
GM ノスフェラトゥは一番弱いクラスで11レベル。地下室があって棺桶が置いてあったら回れ右したほうがいいかも。
ルシエル 11レベル……逃げられるだろうか(苦笑)。
ロスト ラウディとアルテは責任を持って逃がすぞ。
アキラ 逃げる時はみんな一緒だよ。
ロスト 可能ならばそうするよ(苦笑)。
アルテ 逃げられない時もみんな一緒だよ!
リンダ そんなことじゃ、ヤーハッカゼッシュは倒せないわよ。

 ひとしきり騒いでから現在受けているミッションとクエストを検討し、一行はまず【鮮血城】を探索した後【サカロス神殿跡】を見つつ【木漏れ日の施療院】へ移動し、一泊してから【廃墟】の巨大キプロクスを倒す、ということで方針をまとめました。

ルシエル 「おいしいお菓子とかあるかも……」 わくわく。
アキラ 「お菓子はないと思うよ……」
ロスト 「(同時に)菓子は無さそうだがな……」
ルシエル 「…… 何よ、二人してぇ! ロストお兄ちゃんなんか美味しそうな仮面してるくせに!」 ぶーぶー!(笑)
ロスト 「……美味、しい……?」
ルシエル 「アキラお兄ちゃんはもうちょっと女の子にやさしくしないとダメー!」 ずびし!
GM アキラのハートにクリティカルヒット。
アキラ 「ええー!? うう、看病は頑張ったのに……」
リンダ 「アキラ君はまだ修行中なのよルシエル!」
ロスト 「まぁ……とにかく、行くなら出立するぞ」
ラウディ 「あぁ、行こうか。アキラ、ぼやいてないでいくぜ?」 市場通過で鮮血城に直行ということで。

   扉と宝箱にご用心 19日目「朝」【鮮血城】

GM ガーウィと戦った広場を抜け、城があると聞いていた方向へ向かって進んでいくと、前方に形容しがたい建物が見えてきました。
ルシエル ほほう。
GM 増築に増築を重ねたような歪な建物がそそり立っている。高い塀で囲まれ、両開きの鋼鉄の扉は堅く閉ざされているようだ。建物はかなり無茶な作りで、ぱっと見ただけでは広さも何階建てなのかもイマイチ不明。
アルテ いいなそんな建物。「すっごく広そうだね!」
リンダ 「見てるだけで頭が痛くなりそうねえ」
アキラ 「よくこれで建ってるなあ」
ラウディ 「随分とおもしれぇ造りしてんな」 口元を歪め「住んでいるのはどんなヤロウだ」
GM 高さで言うと30m近い気がするが、横幅は「いろいろな長さ」。
ラウディ まさに無茶な造りだ。「扉は……罠はありそうか?」 ちら、とリンダを見る。
リンダ 「どうかしらね」 調べてみるよう。
GM もし建物の作りを観察して看破してみたいなら、探索判定の前に構造解析判定してみてもいいよ。
リンダ (ころころ)11。
ロスト (ころころ)13。
GM 達成値が足りない。
ロスト ははは、まぁ仕方あるまい(笑)。
GM 13で分析できるようなぬるい無茶ぶりではないということが分かりました。で、入り口であろう扉ですが、両開きの扉には交易共通語と汎用蛮族語で『入れば命の保証なし。さっさと帰れこの豚野朗!』と書かれた札がかかっている。
ルシエル 「ぶたやろうだってー」
アキラ 「帰れと言われてはいそうですか、とは帰れないよな」
ラウディ 「どんな豚が住んでいるか見てやろうぜ」

 隊列を整え、門をリンダが調べます。

GM 探索の結果。罠は見つからない。鍵もかかってる気はしない。
リンダ 「罠も鍵も無いわね」
ラウディ 「じゃあ行くか」 念のため頑丈なオレが開けるかな。
ロスト 「頼む」
ラウディ 「よっと」がちゃり。
GM 罠感知判定をお願いします。目標値18。

 一瞬の沈黙。そして、何故かみんな半笑い(笑)。

ロスト あった……(笑)。
ルシエル たかぃ!
リンダ スゲエ難易度だー!
ロスト 感知の目標値は発見の+4ですから、探索判定で14必要だったということですね。
ラウディ (ころころ)平目では無理だー。
GM 扉の上のほうでガシャコンと穴があいてマジックハンドが出現。
ラウディ 「あ?」
GM 熱湯の入ったバケツをラウディに向けてぶっかけてきます。生命抵抗で目標値14をよろしく。
リンダ 「罠が! ごめーん!」
ラウディ ドリフ思い出したぞ。(ころころ)14、ぴったりだ。
GM ダメージは抵抗:消滅なので、とっさに飛びのいて平気でした。
ラウディ 「……危ねぇな」 ささっと飛びのいた。
ロスト 「ふむ……致命的ではないが、嫌な罠だな」
GM マジックハンドはガチャコンと戻っていく。
アキラ 「こんなのがいっぱいありそうだね、気をつけないと」
ラウディ 「悪意マンマンじゃねぇか。面白ぇ」
リンダ ではまたやってみますか。罠がリサイクルなら解除しないと。カチャリ。
GM 開きました。
リンダ 「開いたわ」
ラウディ 「1回きりのようだな。行こうぜ」 後ろを見て。
GM きみたちは鋼鉄の城門を開き、【鮮血城】へと足を踏み入れた! ひとつめの★をあげよう。
一同 ワーイ。
アキラ 「よし行くぞー!」
ルシエル 「ごーごー!」
GM 城門を開けて入ったこの部屋を以後「1F中央」と呼称します。中は真っ暗ですね。窓の類もない。
ラウディ 「暗ぇな。松明がいるか。ルシエルは見えるか」
ルシエル 「見える、見えるよ!」
GM 暗視持ちが見回すなら、ガランとした縦10m×横15mほどの部屋で、東西の壁にそれぞれ扉がある。また、左手奥の角と、その対角線上になる右手手前の角に、それぞれ3つの宝箱のようなものが置いてある。
ルシエル 「ほむ、東と西にドアがあるね。あと、手前と奥の角に宝箱みたいなのがあるよ」」
ロスト 「そのようだな。とりあえず灯りをつけるか。……ラウディ、剣を」
ラウディ 「リンダが見えなければ、探索もままならねぇからな……頼む」
ロスト (ころころ)成功。
GM 【ライト】の達成値は18? 何らかの力によって【ライト】が打ち消されました。
ロスト 「ふむ……これは」
ラウディ 「……どうした? 発動の失敗か?」 そうそう失敗はないだろうと思いつつも。
ロスト 「いや、ここには魔法を打ち消すような何らかの作用が働いているようだ。『灯り』だけなのか、魔法すべてに対してのものなのかは分からないが」
アキラ 何かいるのか、それともこの場所自体に魔法がかかってるのか。「たいまつつけてみようか」
GM 普通にたいまつがつきました。
アキラ 「ついた。魔法が駄目なのか」
ロスト 「どうやらその様だな」
ラウディ 「そういう場所ってこったな。まあ灯りは準備出来た」 では、あらためて探索?
リンダ ゴリゴリ前進だ。
ロスト で、この空間を前提にしたチェストは果てしなく罠くさいが、どうする?
ラウディ フフフ……罠くさいなぁ(笑)。
リンダ よし、一個やってみよう。「ロスト、こっちこっち」
アキラ 「気をつけて」
GM はい、ではリンダ。北西と南東と3つずつあるんですが、どっち側?
リンダ じゃ、南東。
GM 南東のチェストの1つ目を探索ですね。それじゃ、不意打ち判定をば。
ラウディ ヒャァ!
GM ガタンッ! 突然、宝箱の蓋が勢いよく開き、無数の白い“腕”が飛び出した!“腕”は昆虫じみた動きで床を這い、襲い掛ってくる!
リンダ 「ぎゃーーーーーー」
ラウディ 「ち、怪物か!」 剣を構え。

 宝箱に擬態していたのはデックチェストトラップが1体とチェストトラップビーストが2体。それぞれ5レベルと3レベルの魔法生物です。さらに北西の宝箱3つも次々に正体を現しました(こちらも同じ編成)。一行は魔物知識判定を行い、データと弱点を看破します。

ルシエル 「きゃー!こっちもキター!」
ラウディ 「落ち着け。片付けっぞ」
GM で、不意打ちチェック。全員、危険感知判定で目標値15。
ロスト (ころころ)ピンゾロキター。
リンダ (ころころ)うおあ。〔剣の加護/運命変転〕! 16!
GM おや、絶対無理だと思ったのに。ではあらためて先制判定です。こちらは12。
ロスト (ころころ)1足りない。
リンダ (ころころ)……ぱりーん!
ラウディ <俊足の指輪>割れたぁ。
リンダ 躊躇はしない! 「舐めんなあー!」
アルテ さてどうしよう、魔法が使えないのか魔法的な明かりが使えないのか。
ロスト んー。MPの多い私が試し撃ちしてみましょうか。
ラウディ お願いできれば。さすがにこの数に魔法なしはキツイので多分大丈夫と信じたい。
ロスト 後ろに3m制限移動しつつ後ろの3体へ【ライトニング】がいいか。
GM はい、行使判定をどうぞ。確定対象はデックチェストトラップBでよろしいかな。
ロスト うん、Bで。『マナよ……駆けよ』 (ころころ)あ、6ゾロ。21。
GM (ころころ)他の2体は巻き込まれなかったが、Bには直撃だ。
ロスト (ころころ)11点です。
GM 1/3くらい壊れたね。
ロスト 「ふむ。魔法は効くようだぞ」
ルシエル 「明かりをつける魔法が使えない、だけなのかにゃ」
ロスト ただ、達成値聞かれたのが微妙なんだがな……18ではだめ。21だとOKの可能性が(笑)。

 ロストの推測は一部的を得ています。これは<大破局>によって継承が途絶えた魔動機術の1つ【シール・オブ・ライティング】。魔動機術以外の魔法的な明かりを打ち消す効果があります。術者は【鮮血城】の主で、その達成値は20。

リンダ 謎なり。錬技はいけるのかしら。補助動作で【ガゼルフット】。
GM 発動してるよ。
リンダ Aに攻撃。(ころころ)15で命中させて、(ころころ)クリティカルして16点。
GM 10点通し。
ロスト 魔法は拡大はせずに撃ってみるのが良いのかも。堅実に物理で倒そう。
ラウディ 「やってやるぜ!」

 まずは前線を構築するのが先とアルテは後方のデックチェストトラップBに乱戦を宣言。《魔力撃》でダメージ15点。ラウディはリンダと並んでデックチェストトラップAを攻撃し、17点のダメージを与えました。アキラは弓でBに追撃しますが、回避されます。ルシエルは後方の3体をブロックするために移動しました。

 魔物の反撃。デックチェストトラップAはラウディを2回攻撃しますが、どちらも回避成功。チェストトラップビーストもラウディとリンダを攻撃するも当たりません。後方の3体はアルテを取り囲んで計6回攻撃しますが、かすりもせず。

GM 1ラウンド目終了……GM、結構消沈中。
アルテ 「これくらい大丈夫だもんねー」 ひらひらり。

 不意打ちを回避されてしまえばミミックは大した脅威にならないようです。アルテとルシエルが多少負傷するも、一行は4ラウンドかけて魔物を撃退しました。戦利品は魔材で計400ガメル分。

GM あらためて、ここは「1F中央」。東西に扉があります。
ロスト 「まだまだ趣向はありそうだ、気を引き締めて進もう」
ラウディ 「いい趣味してるご城主のツラを拝んでやろうぜ」

 リンダが東西の扉をチェックすると、鍵はかかっていませんが、罠が設置されていました。この城の扉はすべて罠がかかっています。

リンダ 「鍵はないわね。罠を解除するよ」 (ころころ)16。西側は(ころころ)13。
GM どちらも解除できました。
リンダ 「うし!」
ラウディ 「調子出てきたじゃねぇか。どっちから行くか」
リンダ 「(聞き耳をして)中に、まっとうな生き物はいないわね」
ラウディ おりゃー。がちゃりと西の扉を開ける。
GM 10m四方ほどの部屋。奥に昇りの螺旋階段。ガランとした部屋です。
ロスト 「ふむ。登れるようだな」
ラウディ 「こっから上の階か」
ロスト 「先に進むか、向こう側を確かめておくか、どうする?」
ラウディ 「一応確かめておくか」 東の方もがちゃり。
GM 同じ部屋かと思うほど似た構造ですが、階段は下り。ガラーン。
リンダ 下り!
ラウディ 「地下もあンのか」
アキラ こういうときはボスは上にいると思って上行ってみるとか。
GM では、「1F西」から2Fに上がりますか。
ラウディ ういうい。レッツゴー。
GM では「2F西」に上がってきました。ここも同じく10m四方のガランとした部屋。西側に扉。
ロスト 探索だー。

 この城はすべての階が「西」「中央」「東」の3部屋で構成されており、東西に階段があります。たまに罠を発動させたりしつつも、一行は次々に部屋を開け、階段を登っていきました。

 「2F中央」。調度品が置かれた小奇麗な部屋。室内には上等そうなベッドが6つ置いてありましたが、毒ガスの罠が仕掛けられています。

 「2F東」。昇り階段。

 「3F東」。闇の妖精シェイドが進路を塞ぎますが、アルテが説得します。

GM シェイド『……承知。先の非礼は詫びよう。ただ道として此処を用いることを望むのであればそれは構わぬ。早々に進み、また立ち去るがいい』 シェイドはゆっくりと浮かび上がって道を開き、きみたちを迂回するように部屋の隅に移動する。
アルテ 『うん、ありがとう!』 シェイドにお礼を言ってぺこりと頭を下げましょう。「通してくれるみたいだから、行こう?」
ラウディ 「どうも上手くいったようだな。おつかれ」 ぽん、とアルテの頭に手を載せます。
ロスト 「話せて良かったな。では、先に進むか」

 「3F中央」。下の階と同じくベッドの並ぶ部屋。こちらは罠がありませんが、一行は通過。

 「3F西」。昇り階段。昇った先の「4F西」には何もありませんでした。

 「4F中央」。ここには……。

GM 部屋の中央に、澄んだ水を湛えた直径5mほどの大きな泉がある。深さは1m弱、泉を囲むように大理石でできた乙女の像がいくつか並んでおり、像の1体が手のひらから泉に水を注ぎ込んでいる。部屋の片隅には棚があり、木の枝を編んで作った籠がいくつか置いてある。
ルシエル 「お部屋の中に泉があるよ!」
GM きみたちが部屋に入ると、水を注ぎこんでいる像から魔動機文明語で『ご入浴ですか? 薬湯をご希望でしたら、薬草を泉に溶かしてご利用ください』と声が聞こえてくるよ。
リンダ ざわ……ざわ……。
ラウディ 入浴剤……(笑)。
ルシエル 「温泉! 温泉!」
リンダ 「ここは安全かしら」 温泉を調べますよ! 入るために!
GM では、セージで宝物鑑定判定です。
ルシエル ヒャッハー風呂だー。
リンダ (ころころ)11。
ロスト セージでしたか。(ころころ)12。
GM ぴったり届いた。この泉は魔動機文明時代の遺産で、いわゆる全自動のお風呂。水の供給と適温への加熱、恒常的なピュリファイ機能に加えて、救命草や魔香草を泉に入れることで、10分間入浴した全員に薬草の効果を及ぼす機能があり、さらに薬草の効果は「レンジャー技能レベル+器用度ボーナス」を7として増幅される。オマケに動力は装置そのものが自動的にマナを蓄積して動作するので半永久的に動作し続けるという代物だ。取引価格は恐らく7ケタ。
ラウディ 7ケタ!
GM 東側にはやはり扉があるよ。
リンダ 「さあ、男どもは出て行くといいわよ。はーい、ルシエル、アルテちゃん、おいでおいでー」
ラウディ 「マジで入る気かよ」 は、と「おい、気ぃ抜いてんじゃねぇぞ!」 と言いつつ追い出される(笑)。
リンダ 「何いってんのよ。薬草使ったら、精神力回復だってできるでしょ?」
ロスト 「……気をつけてはおけ」溜息を吐きつつ追い出されよう(笑)。
ルシエル 「交代で入ればいいのね。そぉい!」 ざぶん!
GM まだ水だと言うのに……あれ? 女性陣は魔動機文明語が使えない。
リンダ アッー! ……ではアキラ君。この……目隠しを授けよう。

 一同爆笑。

ラウディ アキラめ!
アキラ ちょっと待って!
リンダ 「アキラ君、布地一枚の外でアルテちゃんが裸よ」
GM アキラが入浴を希望すると乙女の像に告げると、乙女の像は「かしこまりました。加熱を開始します。薬草を泉に入れてください」と言う。こぽこぽと装置が動き、やがて湯気が立ち上ります。
アキラ 入ってるときは出るよ!
リンダ 湯加減が必要かもしれないじゃないか! <魔香草>どぼーん!
ルシエル 「ふはー、法悦じゃ法悦じゃ」 ぷかりぷかり。
リンダ 「極楽極楽」
アキラ 絶対中にはいないぞ。
ロスト アキラが必死(笑)。
リンダ 「照れ屋さんねえ」

 大騒ぎしながらダンジョンの中で入浴する一行。途中で男性陣も交替してお湯をいただきました。

ロスト 男性陣には、明らかにロストの肌の色が人族っぽくないとわかります。(←上位蛮族とのハーフなので肌が青白い)
GM まさかこのキャンペーンでロストの入浴シーンがあるとは誰も予想していまい。
ルシエル 同じもんついてんだ、平気平気(笑)。
ラウディ まあ、勿論気にはしないでする。「ふぅ、おかげでスッキリした。さ、行くか?」

 きれいになったところで探索再開。この部屋の扉には爆弾が仕掛けられています。発見するも解除できず、ルシエルが蹴破る羽目に。

 「4F東」。昇り階段。

 「5F東」。この部屋には何もありません。

 「5F中央」。ここが最上階、最後の部屋です。

GM 扉を開くと、天井付近まで届く無数の書棚に囲まれた図書室だ。どの本棚にもびっしりと本が詰まっている。この部屋は入ってきた扉の反対側には扉はなく、行き止まりのようだね。部屋の中央付近の書棚の前に1人の女性型ルーンフォークが立っている。
ルシエル 「ルーンフォークだあ」
GM 眼鏡をかけた理知的な風貌で、司書みたいな雰囲気。腰に【フラッシュライト】のついた<マギスフィア(小)>を下げている。本の整理をしていたようだが、きみたちに気づいて振り返り、落ち着いた口調で話しかけてくるよ。
眼鏡司書 「……お客様ですか。ここまで上がって来られるとは、優秀な方々のようですね。わたくしはこの図書館の司書を勤めております、マーサと申します。ここは“鮮血公”ギュスタフ様のお屋敷。無断で入ったことを咎めはしませんが、興味本位や宝物目当てでいらしたのなら、ここには大したものはありませんよ。それとも図書館のご利用をご希望ですか?」
ルシエル 「こんにちは!ちょっと探検に来ました!」
ラウディ 「フン……ギュスタフね。そいつがこの城の主の名前か」
ロスト 「ふむ……興味本位には違いないが、僕は寧ろ蔵書に興味があるな」
GM マーサ「館内の書物は自由に読んで頂いて結構ですが、持ち出し・複写は厳禁です。また、蔵書は膨大ですから、お探しの本や情報が具体的にお決まりでないのなら、闇雲に探しても時間の無駄だと思いますよ。お求めの情報があるのならどの辺りの棚にあるか程度はお教えします。銀貨で100枚ほど手間賃を頂ければお手伝いしても構いませんが」

 この図書館で本を探すなら、どの情報について書かれた本を探すかを具体的に指定した上で、文献判定を行う必要があります。蔵書が膨大なため目標値は高めですが、100ガメルを支払ってマーサの助けを借りる場合、達成値に+3のボーナス修正を得ることができます。

ラウディ 「銀貨100枚たあ言うな」 適当にタイトルを眺めるのでする。
GM 概ね、魔動機文明語で書かれていますね。最近のものもたまにある。
ラウディ 特に今は調べたい情報はなかったかな? 脱出の手がかりになりそうなものがあれば嬉しいが。
GM ここで手に入る情報リストを見るに、すでに情報の片鱗に触れているものはあるが、積極的に探している情報はなさそうだね。ちなみにこの階で上はおしまいみたいだよ。「ギュスタフの図書館」を発見した。★1つを獲得。
ロスト 「ギュスタフ公とやらはここまで見掛けなかったが、地下にでもいるのか?」
GM マーサ「ノーコメントです」
ロスト 「ふむ……では質問を変える、地下への立ち入りは禁止されていたりはするか?」
GM マーサ「いえ、特には。お勧めはしませんが」
ロスト 「勧めないと言う理由は?」
GM マーサ「今さらでしょうが、罠が仕掛けられていますよ」
ロスト 「……確かにそれは今さらだな」 少し笑う。階下で爆発とか派手な音も出ていただろうし(笑)。
アキラ 「地下はさらにひどいとか?」
GM 罠について訊ねているなら「ノーコメントです」とクールな答えが返ってきますよ。
アキラ 「まぁいいけどさ。どうする、帰る?」
ラウディ 「城主とやらのツラを拝みてぇ気もするがな」
ロスト 「僕はどちらでも構わないが……」

 一行は相談の末、一旦【袋小路長屋】に引き返して休憩し、あらためて地下を探索することにします。戦闘と罠で多少消耗しましたしね。途中で【露天市場】に寄り、壊した<俊足の指輪>を買い直しました。

   “鮮血公”の意外な正体? 20日目「朝」【鮮血城】

GM では20日目の「朝」。【鮮血城】に向けて移動を開始ですね。アキラ、5dほどしてください。

 ランダムイベントは霧の街名物・突発性濃霧ふたたび。

ルシエル むぎゃー。
ロスト まあ、中に入る分には問題ない……濃霧以外にイベントがなければね(笑)。
GM この時点では何も起こりませんね。【鮮血城】のブロックに到着しました。
リンダ ボタンが鼻をひくひく。
ルシエル 「今日もおじゃましまーす」ぺこり。
GM 昨日見た通り、無駄に前衛的な建造物ですな。門は硬く閉ざされている。門のプレートには「入れば命の保障なし。とっとと帰れブタ野郎!」と力強く書いてあります。
アキラ 「もう1回入ってるし今さらだよね」
アルテ 「うん、だいじょーぶだいじょーぶ!」
GM 門は閉まっていますね。鍵とか調べるならやはり探索判定をどうぞ。
リンダ (ころころ)12。
GM 罠は見つかりません。鍵はかかってる。
リンダ 鍵を外そう。(ころころ)17。
GM 充分な達成値ですね。ただ。
ルシエル ん?
GM 同時に罠感知判定をお願いします。目標値18で。
リンダ うあー。(ころころ)ダメだ、16。
GM (ころころ)リンダから3m以内にいるのは……アルテとボーアのボタンか。
リンダ ボタンー!
ルシエル はわわ!
GM 生命抵抗力判定をお願いします。目標値14。ドカンしますよ。
ルシエル 焼きボーアになっちゃう……(笑)。

 扉の手前の地面が爆発し、12点の炎属性魔法ダメージ。3人とも抵抗に失敗し、火傷を負います。

リンダ 「きゃー」
ボタン 「ぶー」
ルシエル 「ボターン! 美味しくなっちゃダメぇー!」 すがりつき(笑)。
ロスト 「……罠は、かけ直されているようだな」

 一行はルシエルの【キュア・ウーンズ】で傷を癒し、城内に踏み込みます。地下への階段がある「1F東」の扉の罠を解除。ちなみに前日にミミックとして倒した宝箱も復活していましたが、無視します。

 「1F東」。降り階段。

 「B1F東」。何もありませんが、地上の階に比べて埃などがなく、キレイな印象になっていることに気づきます。

 「B1F中央」。歯車の部屋。扉を開くといきなり床から5mの高さに出てしまい、リンダが転げ落ちかけますが、<俊足の指輪>を割って回避。室内では巨大な歯車がいくつも回っています。敏捷度の冒険者判定に失敗すると落下ダメージを受けるので、一行はロープをたらし、金属鎧のラウディにはロストが【ウォール・ウォーキング】をかけて床に降りました。アルテが足を踏み外しますが、アキラが受け止めて軽傷。

リンダ ボタンにも【ウォール・ウォーキング】を頼みます。
ロスト ああ。つれてくの?
リンダ おいておいて、牡丹鍋になったらへこむ(笑)。
ロスト はいはい、じゃあボタンにもかけた。
ボタン 「ぶー」
GM 壁を歩くボーア……転げ落ちないといいが。
ルシエル 「よかったー!ありがとうエルフ仮面様!」 感動の再開を果たした。
ロスト 「別に大したことは…、……その、呼称をそろそろなんとか……(笑)」
GM 無事に降りることがてきました。歯車が部屋中をぐるぐる回ってますが、何のためのものかはさすがに見ただけじゃ分からない。ちなみに西側に扉がありますが、こちらは普通の場所についていますね。
リンダ 「なにかしらねえ」
ロスト 「何かの仕掛けを動かしているのだろうが……」
GM セージの見識、マギテック+知力ボーナスのどちらかで判定していいですよ。
アキラ (ころころ)あ、16だ。
GM これは他に大規模なマナの充填装置が設置してあって、その余剰の力を放出する機構だと分かる。コンデンサーに電力が溜まり過ぎないように調節するシステムというか。でも、この歯車の目的は多分嫌がらせ(笑)。
リンダ 嫌がらせか!

 破壊しようかという発言も出ましたが、4Fのお風呂の電源だと困るということで自重。西側の扉の罠を解除して先に進みます。

 「B1F西」。西側奥に下り階段、部屋の北東と南西の角に2つずつ宝箱が並んでいました。3つは魔法の罠のかかった空っぽの箱。1つが鍵のかかった宝箱です。リンダが1つ目の罠を見つけられず毒ガスを発動させるも、感知に成功して事なきを得ます。その際に魔法仕掛けと気づき、【マナサーチ】をかけたりしながら検分。かなり時間を食いましたが、宝箱から<正規品のディフェンダー>を入手しました。

ロスト やっと本物の宝が……。
GM 鑑定してみると分かりますが、その<ディフェンダー>には形質保持の魔法がかかっています。
アキラ 形状記憶みたいな?
GM 錆びない、壊れない、ブロブを殴っても腐食しない。【ヒートメタル】による金属赤熱も無効。
アルテ 念のため持っておくにはいいよね。それじゃ先へ進もう。

 階段の途中で<マギスフィア(小)>を拾ったりしつつ、最下層であるB2Fへ到達する一行。「B2F西」を経て「B2F中央」に入ると、室内には北側と南側の壁際に2つずつ鉄格子の檻が設置してありました。檻にはそれぞれ1体ずつ幻獣が入っており、檻の中、奥の壁に扉があります。幻獣をひとつずつ魔物知識判定でチェックすると、ヘルハウンド、ヒポグリフ、ペガサス、不明。いずれも4、5レベルで単体では脅威というほどではありません。ヘルハウンドが威嚇にブレスを吐きますが、檻には魔法がかかっているらしく、外には漏れてきませんでした。

リンダ 「おー、炎を吐いた。ヘルハウンドが一番強烈かしら?」
ラウディ 「とりあえずひとつ倒してみっか?」
ルシエル 「えええ、別に危なくないよぅ」
ラウディ 「あるいは、無力化させるか?」
ルシエル ぽむ。と手を叩いて。「寝かせちゃえばいいんじゃない?」
アキラ 「こっちの魔法は通るのかな?」
ラウディ 「ふん、それで進めるならそれでいいぜ」
GM 【スリープ】の効果時間は3分。ブレスを通さない檻が魔力なら通すかは不明。通れば有効ではありそうです。
ロスト 「試してみる事自体は構わないが……何処からいく」

 ものは試しとロストがヘルハウンドに【スリープ】をかけますが、抵抗されます。が、魔法は正常に発動すると分かりました(物理攻撃や射撃型の魔法を遮る結界)。一行はMP節約のためにペガサスの檻を開き、これを倒します。都合4回ピンゾロが飛び出し、多少手間取りましたが(ラウディ 1ラウンド目の命中判定に続いて、ダメージでもピンゾロだ! 100点げっとー! GM なんなのこいつら(笑)。)。

GM きみたちはペガ刺しの白い羽をむしり取り、50ガメル分の戦利品を得た。
アキラ そういうことになっちゃうんだろうな。
アルテ むしらないと食べられないもの。
ロスト ペガサス食べられるのかなぁ? 一応馬だが……。
ラウディ 馬刺し!
GM 食べるかは自己申告で。戦利品が白い羽なんだから仕方がないね。奥の扉を調べるなら探索判定をどうぞ。
リンダ (ころころ)16よ。
GM 分かった。この扉、「扉だけ」だ。仕掛けもへったくれもない完全なフェイク。
ラウディ フェイクって……扉を開けると壁?
GM そうだよ(笑)。
リンダ・ルシエル だまされたー!
ルシエル 「ひどーい!」 ぶーぶー!
ラウディ なんだこのドッキリ。「やっぱこの城の主は性格悪ぃな」
アキラ 「相当いい性格してるよね」
ルシエル 全部そうなのか、それともどれか一つだけ本物なのか。
ロスト 微妙だなぁ。
GM 鉄格子の隙間から他の檻の奥を伺ったところ、いずれの扉も同じ仕様の金属扉で見た目の差異はないよ。
ロスト 「……どうする? 引き返すか、それとも眠らせて扉だけ調べてみるか?」
ラウディ 「ここまで来たんなら、扉だけでも調べてぇけどな」
アキラ 「一応調べてみる? 全部偽者と思わせて実は本物があるかも」
ロスト 「効果時間があるからな。扉に罠があった場合喰らうことになるだろうが……それで構わないなら」
リンダ 「そうねえ。ここから先に行くなら、順繰りにやるしかないんじゃない?」
GM 死刑執行を待つ囚人の気分な幻獣たち。

 結局、できる限り開けてみることにしたようです。まずは精神抵抗力の低いヒポグリフの入った檻。【スリープ】が成功し、眠らせて奥の扉を調べます。

GM 奥の扉を開くと……壁です!
アルテ 「アウトー!」
ルシエル 「外れたー!」
ロスト そそくさと出て扉に鍵をかけ直そう。

 お次はヘルハウンドの入った檻。【スリープ】に再び抵抗され(ロスト こいつきらい(笑)。)、炎のブレスが効かないルシエルが檻を開いて戦闘。噛み付かれてルシエルが怪我を負いますが、問題なく倒します。

GM 戦利品は140ガメル分。奥の扉を開けると……壁です!
ラウディ ぬあああ!
アルテ 「またアウトー!」
リンダ 全部アウトじゃないかこれ。わけわかめなものと戦うか?
ロスト 一応、寝かせる……努力はする(笑)。

 最後の檻。入っているのはヒュージフレイムイーターです。今度は【スリープ】が成功。奥の扉は……。

GM バーンと開けると……壁です!
ラウディ 全部ハズレかよ!(笑)
ルシエル 「退避退避ー! 起きちゃうから出るよー!」

GM まさか全部開いてみるとは思わなかった。
アルテ 扉があったら開けたくなるんだよ! 何故って? そこに扉があるからさ!
ルシエル 「いっこくらい当たりにしてくれればいいのに趣味悪い!」 ぷんすか!
ロスト 「……まぁ、仕方なかろう」
GM 見た目に分かるものは室内にはもうないね。
ロスト あとは強いて言えば、隠し扉の探索ぐらい。
ラウディ ん。探索はできますかね。
GM 部屋の壁まるごと1回の探索でいいよ。
リンダ (ころころ)ありゃ、9だって。
ロスト (ころころ)12。
GM 入ってきた扉の正面、東側の壁に隠し扉発見……。

 みんな笑顔になりました。裏返った方の(笑)。

リンダ ひ、ひどい。わたしたちの努力は一体なんだったの。
ロスト ……なんていうか。
GM ん?
ロスト わたしも思った。クソ意地が悪い……(笑)。
ラウディ 「何度も言うが、性格悪りぃなあ」
ルシエル 「ひっどーい!」
ロスト 「…………まぁ、……そう、だな……」 初めて同意した!
ラウディ よし、いこう!
ロスト 「仕掛けなどは任せる。頼むぞ」
リンダ 「おっけー」 スカウトセンサーを漲らせて隠し扉を調べます!
GM 罠は見つからない。鍵もかかっていなさそう。
リンダ がちゃっと。
GM 扉を開くと10m四方ほどの部屋。部屋の奥は壁一面を黒いカーテンが覆っていて、向こう側は見えない。カーテンの前には全身が青白く輝く巨大な人影が! 体長3mを超えているそいつは、きみたちを見るや雷鳴のような大声で叫ぶ。

巨大な人影 『うぬっ、この不埒者めが! ただちに立ち去れ! 去らぬとあらば黒焦げにしてくれるぞ!』

GM 人影の周囲に青い稲妻が走り始めた。ちなみに人影の言葉は魔動機文明語。何をするつもりか掴みかかるようなポーズを取り、今にも襲いかかってきそうな雰囲気だ。話が通じそうな気もしない。判定するまでもなくこんな魔物は知らないが、たいそう強そうだ。
ラウディ 「てめぇが、城主か?」 構えるぜ。
リンダ 「言葉の意味は判らないけど、とにかく凄い自信ね!」
GM 人影は10レベルのオーラを立ち上らせながら接近してきます。「たたかう」「にげる」「先手を渡す覚悟でじっくり観察する」
ラウディ 怪しいな。実体があるのか? 真偽判定はなんでしたっけ。
ロスト 冒険者レベル+知力ボーナス、だが。それはじっくり観察と同義だよね、たぶん。
GM もちろんじっくり観察にはなるよ。判定するならどうぞ。
アルテ やってみましょうよ、せっかくですし。

 判定の結果、人影を魔動機術系の幻覚と見破ります。

ルシエル 皆の疑いのまなざしが。
ロスト 「……幻覚だ。仕組みは不明だが」
ルシエル 「趣味悪いのよー!」
ラウディ 「おい、どこまで偽モン出すんだよ」
GM するとカーテンの奥から、「あ〜ん、ばれちゃったよ〜。どうしよう、お母さん〜」 と少女らしき声が聞こえ、カーテンが開きます。
ラウディ・リンダ 少女!
GM カーテンを開いたのは肝っ玉母さんみたいな雰囲気の女性型ルーンフォーク。その後ろに声をあげたと思しき人間の少女。ルンフォは軽く武装しており、少女は【フラッシュライト】のついた<マギスフィア>を手元に浮かべている。
アキラ 「え、女の子?」
リンダ 「あらら……」
GM ルンフォ「ユリアちゃん! 先手必勝です!」 少女「うん、お母さんっ! 魔動制御柩マギスフィア起動!【フラッシュボム】射しゅ……え? それはちょっとまずいような……」 ルンフォ「ノンノンですユリアちゃん! こんなところまで入ってきた侵入者ですよっ!」 少女は説得されそうだ。
リンダ 「ちょちょちょ、ちょっとまって!」
ラウディ 「……お前が、城主かよ?」 さすがに一寸意外に。

 一行は少女が血気盛んなルーンフォークをなだめるのを待って事情を聞くことに。

少女 「はわわわ。あのあの、お兄さんお姉さん。いきなりごめんなさい、びっくりしちゃって。戦うつもりはないんですけど、お話聞いてくれます? あ、ユリア=ギュスタフです(ぺこり)」

 少女の話によると、少女の名はユリア、ルーンフォークはアデというユリアの乳母役。5Fにいたマーサというのもユリアの侍従だそうだ。この城は“鮮血公”ギュスタフというユリアの父が立てたものらしい。
 ギュスタフ公は運河の水門に関する仕事をしていた名誉蛮族で、それなりに重要な立場にあったが、1年ほど前に亡くなっており、今はユリアが城主である“鮮血公”ユリア=ギュスタフということになるとのこと。

GM ぶっちゃけると、ユリアは人見知りすぎて街中を歩けないそうで、ここで大規模なヒッキー生活を満喫しているそうだ。本を読んでいれば幸せで、最上階の図書館とこの部屋を往復する毎日らしい。物資はアデと図書館にいた司書のマーサが調達している。
ラウディ なるほどなぁ。
GM ユリア「うーんと、わたしの要望としてはー、今後は普通に入ってきていいから、ここで見聞きしたことは口外しないで欲しいなー、なんて思うんですけど、どうでしょうか〜?」 とおずおずと申し出ます。
リンダ 「なるほどねえ」
ルシエル 「そうなんだ……大変だねぇ。うん、あたいは約束するよ」 すごい同情。
アキラ 「まあここに入ってきたのは興味半分みたいなものだしね」
アルテ 「言わなかったら良いんだね? 大丈夫だよ」
ラウディ 「まーそんくらいでいいならな……くく」 あの入り口の札、引きこもり生活を護るためなんだなと思いつき笑って。
GM ユリア「あ、ありがとう……です(小さくなる)」 アデというらしいルーンフォークは「ん、よろしい。このベルを渡しておくから、今度からは一階でこれを鳴らしなさいな。特別にベッドの部屋と、ユリアちゃん専用だったバスルームも使わせてあげます。感謝するように!」 何故か妙に上から目線な肝っ玉母さん。
アルテ 「わーい、ありがとう!」
ルシエル 「温泉〜♪」

 <ギュスタフのベル>を手に入れた。これを1Fの玄関で鳴らせば、アデが現れて【鮮血城】の中を安全に歩き回ることができる。

●以後【鮮血城】は<ギュスタフのベル>を所持している限り「安全な睡眠が取れる」ブロックとなる。
●4Fの浴場を利用してよい。浴場には同時に入浴した全員に薬草の効果を及ぼす機能がある。この際、薬草の回復量が+7点される。
●5Fの図書館では、以前失敗した魔物知識/見識/宝物鑑定判定について、文献判定を行うことができる。また、調べたい情報がある場合にも文献判定によって蔵書の中にある情報を得ることができる。司書のマーサに100ガメルを支払い手助けを願うならば、これらの文献判定に+3のボーナス修正を得る。

GM 【鮮血城】の探索を完了した。★を手に入れた。
リンダ 「温泉がこれで自由に!」
ロスト 「……良かったな」 少し笑う。
ルシエル 「お友達も出来たの」 にこにこ。
GM ユリア「たまに、お話を聞かせてくれたらうれしいです。眼鏡司書ちゃんにも知らせておきますから」 手をふりふり。
ラウディ 「口外しない約束は護らぁ。ところでよ、運河の水門に関する仕事をお前の親父がしていたのなら、それについて話が聞ければ嬉しいんだけどな」
GM ユリア「水門についてですか? うーんとー」
ラウディ 水路で脱出だ!
リンダ 「(まだ脱出されちゃ困るのよねー)」
ラウディ り、リンダ?
ロスト 意味深なことを!
ルシエル 黒幕!?
GM ユリアは水門に関することで知っていることを教えてくれます。リンダの正体については考えておこう。
アキラ 怖えぇ、脱出させてもらえない!

●運河の水門について
存在と所在:運河は【翡翠の塔】が建つ人工島の周囲をぐるりと回り、シェス湖へとつながっている。運河とシェス湖の間には水門があり、かつては日中は開かれ、夜間は閉じられていた。が、現在はずっと閉じたままになっている。
開閉コード:水門を開くためには3つの「開閉コード」が必要である。「開閉コード」に関する情報は運河を整備した“才知あふれる”セランシェによって街中に散らばっている。

ルシエル 「セランシェ?」
リンダ 「開閉コードが1つあったわね。道具屋のアイテラからもらったやつ」
GM 【ティダン神殿跡】で不完全な第2の開閉コードも発見したね。

追加情報:“出来損ないの”ヒューリカという上位蛮族が数年前に、この城の図書館から開閉コードの詳細を含めた水門に関する情報が書かれた本を奪っていったことがあるらしい。

ルシエル 「ヒューリカって人が持ってっちゃったんだ」
ラウディ 「上位蛮族とやりあう日も近いのか? 面白ぇ」
ルシエル ヒューリカって知ってるかな?
GM ヒューリカについては一般知識にはないですね。ウルスラなら知ってるかも。
アキラ 戻ったら聞いてみようか。
ルシエル うん、聞いてみよう。
ラウディ 「ばーさんにも聞いてみっか。お前はこれ以上開閉コードについては知らねえか?」
GM ユリア「ごめんなさい、一応秘密にされてたみたいで。セランシェ様に関わりある場所には他にも手がかりが残されてるかもですけど」
アルテ 「ううん、すっごく助かるよ、ありがとう!」
ルシエル 「ううん、色々ありがとう!」
ロスト 「セランシェ……か」
リンダ 「それが鍵みたいね。ねえ、セランシェ様に関連した施設とか、知らない?」
GM あいにく引きこもりなんで現在の霧の街については知らないし、セランシェが生きていたのは300年前。彼女が関わった施設があったとしても、大半は壊されてしまったろうね。
リンダ なるほど。だが、そこに蛮族どもを追い払う鍵があるのではないかと睨むリンダ。
ラウディ セランシェや他の四祖について、図書館とかで調べられないかな。
ロスト してみてもいいかもね。確かあそこの蔵書の文献判定は……魔動機文明語なんだが。
ラウディ おうふ(笑)。俺読めるだけ。
ロスト 【トランスレイト】は出来るんだけど……なんとかMPは足りるか。
GM じゃ、アデさんが上まで案内しようかね。5F「ギュスタフの図書館」です。マーサさんにも話が通った。何について調べるかは明確に指定しないと見つからないよ。四祖についてなのか、関係する施設についてなのか。
ラウディ 「せっかくだから使わせてもらうか。俺は殆ど読めねぇけどな」
アキラ まず「セランシェ」「施設」。次に「ヒューリカ」かな?
ロスト 【トランスレイト】して挑んでみましょうか。(ころころ)魔法は成功だ。
GM 目標値は何を調べるかに関係なく結構高いね。マーサに手伝いを頼むかい?
リンダ 頼みましょう。
GM マーサ「四祖に関する書物はこちらの棚に」
ロスト では100ガメルで手伝いを頼んで、セランシェについて。(ころころ)文献判定はボーナスを足して16。そこそこ?
GM 結構時間がかかったが、それらしい文献を見つけました。ちなみに、15で。
ラウディ やったー。
ルシエル おお、100ガメルの効果!

●四祖の伝説
存在:霧の街のもととなった街は、『四祖』と呼ばれる4人の兄妹たちによってアル・メナス時代に築かれたものである。
名前:四祖の内わけは年齢順に、長兄“堅牢なる”ゾラエンデス、長姉“才知あふれる”セランシェ、次姉“猛々しき”スエラ、末妹“慈愛深き”シェラシース。
伝説:ゾラエンデスは「人々を守り、蛮族の地を切り開いた」とされ、彼がかつては蛮族の支配下にあったこの地に人の住む場所を切り開いたことが伝わっている。
セランシェは「街の礎を築いた」とされ、彼女の手によって運河や街の上下水道といった街の施設が整えられ、人々の暮らしを支える様々な制度が生み出されたと言われている。
スエラは「湖畔の蛮族たちをことごとく焼き払った」とされ、彼女によってシェス湖周辺に点在していた蛮族の勢力が駆逐され、蛮族の脅威が取り払われたと伝えられている。
シェラシースは「霧の街を育んだ」とされ、伝説は彼女の統治下において街が最大の繁栄期を迎えたことを語っている。すなわち四祖とは街の建造に尽力した兄妹たちであると同時に、4代に渡って街を統治した王、女王たちのことであり、その統治は4代目のシェラシースによって完成されたものであると考えられる。

ルシエル 「四兄妹だったんだー」
アキラ 「へぇー」
ラウディ 「スエラって奴はやるもんだな」 関係する施設は別か。
GM あくまで昔の人なので、今の霧の街にどれだけの遺産がもたらされたかは不明です。彼女らについてはミランダからも鞠つき歌の解説で少し聞いていましたが、それが補完された感じ。現存している施設についてはまた別の情報ですね。
アルテ 施設についても調べてみようよ。
GM 四祖が残した施設について調べるならそれは四祖4人に関するものをまとめて。見つかるのがセランシェに関係しているとは限りません。
ロスト では……頑張ってみます。もう一度100ガメルを払って手伝いを頼み、(ころころ)よし、17。
GM 1dしてください。偶数奇数で変わります。
ロスト (ころころ)6、偶数。
GM 「霧を晴らす魔法装置」というセランシェに関わる秘密が明らかに。
ラウディ おお。

●霧を晴らす魔法装置
存在:霧の街には、街を覆う霧を晴らすための魔法装置が存在する。これはアル・メナス時代に四祖の一人“才知あふれる”セランシェによって、人々が快適に暮らせるよう設置されたものである。
所在:【嘆きの広場】に設置された金属製のモニュメントが、この魔法装置の本体である。
効果:【常夜の回廊】に設置された円形舞台が、この魔法装置の制御装置である。これを一定の手順に従って操作することで霧を晴らすことができる。
秘密:魔法装置は円形舞台の中央にあるくぼみに<銀水晶のプレート>を嵌めこむことで起動し、表れた無数の文字に触れて組み替え、命令文を綴ることで操作することができる。<銀水晶のプレート>は【翡翠の塔】の地下に住むキマイラ、“万里の咆哮”ガド・ボデックが守っている。

リンダ 素晴らしい装置だ。
ラウディ 「霧が晴れんのか……」
ルシエル 「キマイラ……?」
GM 脱出手段とは直接関係しませんが、霧の街を人族の手に取り戻すための戦い、そして取り戻した後の治世においては凄まじい価値を持つ魔法装置です。霧が晴れるということはつまり、霧の街に太陽が戻ってくると言い換えてもいい。
一同 おおー!
リンダ 「きたわ、これよ……!」 静かに興奮します。
ロスト 「興味深くはあるな……」
GM とりあえずこの情報を手に入れたことで★をプレゼント。6つめ。
ルシエル わーい♪
ラウディ 「……霧が晴れりゃ、蛮族どもを倒しやすくなるか」
GM キマイラについては魔物知識判定を。知名度は13だよ。
ロスト (ころころ)知らない(笑)。聞いてみるのはどうだろう? 100ガメルって言われるかな。
GM ま、キマイラについてくらいはマーサがサービスしましょう。セージ5レベルだから問題なく。
ラウディ おお、ありがたい。
GM ルールブックU-P288、キマイラ。9レベルの幻獣です。通常より若干強い「名前持ち」の可能性もありますね。
リンダ きゃー。ラウディ、こいつをやっつけるために、もっと強くなるのよー。
ロスト 「……強いな」
ルシエル 「怖いね……」
ラウディ 「いずれぶった斬るさ」 にっと笑いつつ。
ロスト 「ふふ……お前は、まったく……」
アキラ 「もっと強くならないとね」
ルシエル 「うん」
GM <銀水晶のプレート>を入手して脱出できれば、人族は大きなアドバンテージを得ることでしょう。この情報はここまで。
ルシエル 「お空が晴れるのかな……」
GM ルシエルは実利と関係なく楽しくなりそうな情報でしたね。
ルシエル うん(笑)。
ロスト ヒューリカも調べる?
ルシエル 調べよう。
リンダ この世界を丸裸にしよう!
ロスト それじゃ頑張ってみましょうかー。100ガメル積む?
ラウディ 積みましょう。必要経費で。
ロスト ういさ。(ころころ)く、13。ごめん。
ルシエル どんまいです。すごい重要な手がかりは得たわけだし。
GM ヒューリカに関する情報は見つからない。ただ、書物の時代が合ってない可能性も多々あります。
ロスト 「……すまない、見つからないようだ」 流石に額に浮いた汗を拭う。
GM マーサ「ここにある書物のほとんどは魔動機文明時代に関するものですからね。上位蛮族なら当時から生きている者もいるでしょうが、それなりの大物でなければ記述はないでしょう」
ラウディ 「流石に、なんでもココにあるわけじゃねぇだろうしな」
アキラ 「どこか別のところにあるかもしれないし、ウルスラさんに聞けば何か知ってるかもしれないしね」
ロスト 「……ああ、そうだな」
ラウディ 「だな。指針は立ってきた」 お疲れ、とは言わないが暗に労いつつ「じゃあ、そろそろ戻るかよ?」
ルシエル 「あたい、ちょっと疲れちゃった」
アキラ 「じゃあ、帰ろうか」
GM まだ「朝」ですよ。ちなみに外は霧がもっくもくです。
ラウディ 「開閉コードについて、なんか本でも見っかったら教えてくれ」 とユリアとかにいいつつ、戻るか。
ロスト 提案なんですが……ベッドで1tb休んでから出ませんか? 霧のこともあるし、MPがほとんどない。
ラウディ ベッドの部屋を使っていいって言われたな。泊めてもらう?
リンダ それだ。

 幻獣たちとの戦闘でHPとMPが減少していた一行はここで休息して濃霧をやり過ごし、【露天市場】で壊した指輪やマギスフィアを補充。【袋小路長屋】で夜を明かしました。「朝」の移動で【木漏れ日の施療院】へ移動します。

後半へ