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   未成年の飲酒はお勧めできません 21日目「昼」【サカロス神殿跡】

GM 【木漏れ日の施療院】です。ミッションの目的地は【廃墟】ですが、クエスト「サカロスの薬酒の入手」に関係するかもしれない場所として【サカロス神殿跡】が挙がっています。
アキラ どこから行く? 廃墟か神殿どっちでも良さそうだけど。
ロスト サカロス神殿……かな?
リンダ 経験点が欲しい。行こう!
GM 【サカロス神殿跡】に移動ね。
ラウディ いこう!

GM きみたちは石垣で囲まれた広い敷地の入り口らしい、朽ちた門があるのを見つけた。錆びた鉄の門が内側に倒れている。敷地の中には樹木が生い茂り、奥には石造りの建物の屋根が見える。倒れた門の代わりに鎖が張られ、『危険。立ち入り禁止』と汎用蛮族語で書かれたプレートがつけられている。
リンダ 「危険らしいわね」 げしっとプレートを蹴る。
ラウディ 「まぁどこだってそうだろ。この街じゃな」
アキラ 「これ気にしてたらどこも行けないよね」
GM 敷地内に入ると、庭の木々の根元に骨が転がっているのに気づく。人族のものも蛮族のものもあるが、いずれも半ば土に埋もれていて、そう最近のものではなさそうだ。
ロスト 「……だが、物騒なのは確かなようだ」
ラウディ 「最近のもんじゃねぇな」
GM 一応、道らしいものはあるが、こちらは骨よりもさらに長い時間放置されているようだね。
ラウディ ふーむ、警戒しながら進んでいこうか。
GM 進んでいくと打ち捨てられた神殿らしき建物が見えてきた。荒れ果てた印象だが、蛮族に破壊された形跡はない。神殿の扉は固く閉ざされている。正門には“酒幸神”サカロスの聖印が描かれているぞ。
リンダ 「さーて、調査調査……うーん、ルシエル? なんか、押し入るには抵抗があるんだけどー」
ルシエル 「異教の使徒ですけど、お邪魔します」
リンダ じゃあ、ルシエルのお祈りをもらって、罠を調べようか。
ロスト 「慎重に行こう」
GM 神殿の扉に近づくと、後ろの庭から女性の声が聞こえる。気配は唐突に出現し、『ちょっと待ったー』と、なんだか投げやりな口調の魔動機文明語。
ラウディ 「あん?」 気配を見ます。
GM 振り返ると、庭の樹木の中から抜け出るように緑色の髪をした美しい女性が登場。アルテにはひと目で分かるが、彼女は樹木の妖精、ドライアードだ。V-P284。ちなみに、全裸。
ロスト ぜん、ら……?
ルシエル まっぱだー。
GM 仕方ねえだろ、妖精なんだから(笑)。
ラウディ 「ちょっと待った、らしいぜ」 気にしなーい。
GM ドライアードA『神殿は主の帰りを待ってる。でも、お前たちじゃない。サカロスの神官以外は入っちゃ、ダメ』 周囲の木々からさらに4体のドライアードが出てきました。
ラウディ 「よくわからねぇが、サカロスの神官以外は入っちゃいけねぇらしい」
ロスト 「ふむ……」
アキラ 「と、言われてもなぁ」
GM ドライアードたちが言うには、彼女たちはこの神殿の神官や信者と友誼を結んでいたそうだ。日々一緒に酒を呑みーの、歌を歌いーのして楽しい夜を過ごしていたとか。やがて蛮族の侵攻によって神官たちがいなくなった後も、彼女たちはこの神殿を守り続けていたらしい。庭の骨は彼女らが排除した侵入者。魔動機文明語が話せるのも神官たちから教わったから。
ラウディ 「……だそうだがな」 通訳しつつ。
ルシエル 「うーん……そこを何とか」
GM ドライアードA『ダメったらダメー!』
ロスト 「無駄に荒らすつもりはないのだが……薬酒について尋ねてくれないか? 我々は目的さえ果たせればいいわけなのだからな」
リンダ 「うんうん、こちらには戦う気は無いって」
ラウディ 「分かった」 振り向き『なぁ、とりあえず戦う気はねぇ。お前らは<サカロスの薬酒>については知ってっか?』
GM ドライアードA『<サカロスの薬酒>なら神殿の中だ。魔法の水盤があって一月で水盤いっぱいにたまる。水袋一つ分くらいかな』
ラウディ 『ふん……俺達はそれを必要としてるんだが。もらうことはできねえか?』
GM ドライアードA『薬酒が欲しいのか。あれは月一度のサカロスの酒祭でやってた飲み比べ大会の優勝賞品だからな。なら私たちを飲み比べするか? 最後まで立ってられたらあげてもいいぞ』
ラウディ 「(一行に)薬酒が欲しけりゃ飲み比べだそうだ。どうするよ?」
リンダ 「オッケー! 望むところよ!」
アキラ 「飲み比べ……お酒あまり飲んだことないな、大丈夫かな」
ロスト 「……僕は余り自信はない」
ルシエル 「ドワーフは産湯がお酒なんだっておじいちゃんが言ってた!」
アキラ 「それは違うと思う……」
ルシエル 「違うの!?」 ガーン!
GM 通訳するのを見ていたドライアードの1体が神殿の中から一時的に魔動機文明語が話せるようになる魔法の翻訳首輪を人数分持ってきます。「話せない人はここにいる間これをつけて。言葉が通じないと絡み甲斐がないし」
リンダ 「よーし、じゃあ、勝負しようじゃない」 翻訳首輪つけた。
ラウディ 「じゃあ、飲み比べと行くか(ニヤリ)」
GM ドライアードA「おー、お前話せるなー。ちょっと待ってろ、とびきりの酒を持ってきてやる」 2体ほど神殿の裏手のほうに酒を取りにいきます。
アキラ 「あまり自信はないけどやってみるよ」
GM 残ったドライアードは「あなたたちは寒いのダメなのよねー。枯れ木を集めるから火をおこしてもいいよ」 とちょいちょいと手を振ると庭から枯れ木が集まってくる。このブロックは他よりやや冷えるかも。
ルシエル 「寒いの嫌よねー」
ラウディ 「なら遠慮なく火をもらうぜ」
アキラ 「ありがとう」
GM ドライアードたちは隣接した二箇所に焚き火の準備をして片方の周りには座布団をならべ、もう片方の周りには毛布を敷き。「こっち、負け犬の巣ね」と仰っている。
ラウディ 酔いつぶれ席(笑)。
GM で、壷に入ったお酒がわんさか運ばれてくるよ。ドライアードによると敷地内にある植物から造られたもので、かつてこの神殿の神官たちから製法を教わったものだそうだ。大変上等でおいしいお酒だけど、パンチ力もハンパではないそうな。
リンダ きたー。
ラウディ 「楽しみにすんぜ」 ちらりと酒をば。
GM それでは5人のドライアードと飲み比べ勝負です。生命抵抗力判定による五番勝負ね。達成値の足りない奴を振り落としていって、きみたちの誰かが最後まで残れば<サカロスの薬酒>を進呈します。沈没した人は負け犬の巣で脱落したドライアードとキャッキャウフフしてもらう。
ルシエル キャッキャ。
リンダ ウフフ。
ロスト 「……(早々に辞退してはいけないだろうか……(汗)」
アキラ 「(やるしかない……)」
GM 1回目、思いっきりサービスして目標値13。
リンダ け、結構高いのね(笑)。

 張り切ってサイコロを振り出す一行。他の4人が順当に成功していく中、期待を外さない男が一人。

アキラ (ころころ)わあ!
リンダ ピンゾロキター!
ラウディ らしいといえばらしいのか(笑)。
ロスト おいしい。キャラが立った!
リンダ おいしいな。なんでそんな狙ったように出るんだ。
アキラ きゅうー(笑)。
GM ドライアードに招かれれば彼女らの分身である樹の中に入れるので、つぶれた男性は曖昧な合意の下にお持ち帰りされます。
アキラ 誰か助けて!(笑)
ラウディ 「コラ、ソイツは俺の義弟なんだ、静かに寝かせてやってくれよ」 まあ止めておこう。
GM じゃあしばらく枕元で交渉しておこう。ドライアードB「キャッキャウフフ」
ルシエル 「おかわり!」
リンダ 「さあ、どんどんもってこーい」
GM 2回目、目標値14。ドライアードは1回に1人脱落していきます。
リンダ 高いなあ。5回勝負でこれかー。
ラウディ やばいね。

 2回目の判定に成功したのはラウディ、リンダ、ルシエル。アルテとロストは脱落です。

リンダ 「くるわねー」
ロスト 「もう、……無理、だ……」
ラウディ 「お前も一寸休んでおけよ」
GM ドライアードDがロストを負け犬の巣に運んでいきます。ドライアードは多少身体が強いので介抱してあげよう。
ルシエル 「あはは、エルフ仮面様がキャッキャウフフ〜♪」
ロスト 「(ドライアードに)頼む……フードは、取る、な……(ぱたり)」
リンダ 「さあ、次もってこーい」
ラウディ 「あと3ラウンドってとこだな」
GM 3回目から目標値15ですよ。
ラウディ ついに期待値で成功な難易度だ!
リンダ ここからはずっと15?
GM うん。
ラウディ なら3回まとめていこうか。やってやるぜ!(サイコロを振り始める)

GM その頃ロストはドライアードDに顔を覗き込まれています。
ロスト ロストが人前で寝るなんて珍しいんだよなあ……ふえ!?
アキラ フードを取るなって言ったから中身が気になったのかな。
GM ドライアードD「んふふー。お前、結構かわいいな。今夜はわたしとイイコトしようか。わたしの樹に招待してやるから一晩つきあえ。なっ?」キャッキャッ。
ルシエル 「こらだめー!」

 3回目でリンダとルシエルは脱落。ラウディは4回目も突破します。そして……。

ラウディ (ころころ)よし!
リンダ ラウディが5回目もいったー!
ルシエル おお!
ラウディ 「オラ、上位蛮族がなんだってンだよ!ヒック」 目を据わらせつつ、座り込んでおります。
ルシエル 「流石ラウディおにいちゃんなのよー」 ぽて。脱落ー。
GM は? 3連続で目標値15に成功したの?
ラウディ 全部15以上だぜ!
ロスト すごいな。
リンダ 「うわばみよね〜」
GM ドライアードA「あー、もうダメっぽ。やるなあお前。気に入ったぞ!」
ラウディ 「ハハハ、まだまだだぜ。ん……お前も可愛いよなぁ」 ドライアードAをくいっと捕まえかけたり。
GM ドライアードA「そ、そうかな? いいよ、そういうことならちょっとゆっくりしていきなよ。薬酒は仲間が持ってくるから……」 と、頬を赤らめるドライアードA。
ルシエル 純情小町。
GM <サカロスの薬酒>を手に入れた。ラウディはドライアードAの樹に招待された。
ラウディ 「よしよし、薬酒を持ってきてくれんなら依頼も達成だなぁ、ヒック。……ああ、じゃあゆっくりと」 いつになく調子を崩しつつ。
ルシエル キャッキャウフフだ!
アキラ ドライアードを口説いてる(笑)。
ラウディ ああ、止める人いないのね。そのままいくよ。
アキラ だってつぶれてるもん。
ロスト 全員落ちてる!(笑)
GM ドライアードA「キャッキャウフフー。こっちこっち」 ラウディは樹の中に入っていきます。
ラウディ じゃあ、兄ちゃんは色々堪っているものを解放しました。
ルシエル (爆笑)
リンダ わはははは。
ロスト ら、ラウディ(笑)。ってかロストもDに……やばいのか……? 意識があれば断るんだけど。
GM ドライアードD「なんだとぉ? そんなこと言うと「魅了」しちゃうぞぉ。お前、精神抵抗で19出せるのかぁ? ムッフゥ(笑)」
ラウディ 「あぁ、寝ている奴には無理させんなよ」 と声はかけておきます。で、集中。
ロスト げ……19……?
アキラ 根性で(笑)。
ロスト や、やってやろうか!

 無理でした(笑)。

ルシエル エルフ仮面様……(笑)。
GM ここは描写するとリプレイにできないので、スルーです。ラウディは皆が起き上がる頃に色々なものが解放された表情で出てきます。後ろに上気した顔のドライアードA。ロストがどうなったかは……ぼかしておきましょう(苦笑)。
ラウディ 「なんか記憶にねぇが、スッキリしたぜ。後に残らないいい酒だ」
ロスト み、皆には落とされたかどうかは秘密ということで……(笑)。
GM <サカロスの薬酒>を入手し、★をゲット! 7つめですね。
アキラ 「う〜ん頭痛い、水……」
ルシエル 「あれ、寝ちゃったみたい。美味しかったね(すっきり)」
リンダ 「うーん、飲んだー。頭痛いわ。迎え酒迎え酒」
ラウディ 「確かにいい酒だぜ。また飲みにくっからな」
アキラ 「美味しかったかどうかもよくわからない……」
ラウディ 「アキラにはまだ早かったってことじゃねぇかな(ニヤ)」
リンダ 「アキラ君は、もっと強くならなくちゃね? ウフフ」
ロスト 「………………帰ろう」 あ、足早に立ち去、る(笑)。

 このブロックにやってきたのは21日目の「昼」でしたが、酒盛りをしてつぶれたんだから夜は明けるだろう、ということで翌日の朝まで時間を進めます。休息は済ませたものとして扱い、22日目の「朝」から開始。

   秘密を打ち明けるには大きな信頼が必要です 22日目「朝」【木漏れ日の施療院】

ルシエル 「なんか皆、すっきりした顔してるのね♪」
ラウディ 「どうも記憶にねぇが、俺が最後まで残っていたようで良かったぜ」
ロスト さ、さきにいくね!
ルシエル 「あれ、エルフ仮面様どうしたのー?」
ロスト 「……な、なんでも……ない……」 その……ほんのり。耳が赤い……(笑)。

 一同、微妙な笑顔。

ルシエル 「皆、良い夢見たんだよきっと♪」 それじゃ施療院に戻ろうか。
GM ではそういうことで。水袋1つ分の薬酒がラウディの手にぶらさがっています。22日目「朝」【木漏れ日の施療院】です。今日は人が少なく、ウルスラの手も空いています。「おかえりなさーい」
ルシエル 「ただいま!」
アキラ 「ただいま……(二日酔いでテンション低い)」
リンダ 「アキラ君、元気だしなさいな」
ラウディ 「薬酒を手に入れてきた」 そろそろいつもの無愛想フェイスで水袋ごと渡す。
GM ここはイベントがありますよ。ウルスラは無言で水袋を見つめたあと、皆を応接間に招きます。「座って」
リンダ 「なにかしら」
ルシエル 「どうしたの?」
GM ウルスラは薬酒が本物であることを確認した後、水袋を見つめて黙考します。しばらくすると口を開き、「唐突だけど、少しだけ別の話をさせてね」
ルシエル 「うん……?(きょとん)」
ロスト 「……なんだ?」

GM ウルスラ「この霧の街に、とある組織があるわ。目的は蛮族の支配に対する抵抗活動。名を“スエラの炎”。霧の街を築いた『四祖』が一人、“猛々しき”スエラの伝承にあやかってつけられた名前ね。組織されてまだ数年だけど、ずいぶん多くの人が参加している」

 ウルスラは虚空を見つめて淡々と話を続けます。

GM ウルスラ「水面下での活動がほとんどだから資金面で弱いところはあるけど、構成員は200人を超えたわ。大半は蛮族や名誉蛮族の奴隷で、それとは別にほぼ同数の潜在的な協力者がいる。中には名誉蛮族の人も。もっとも、まだ具体的な行動を起こすつもりはないんだけどね」
ルシエル 「スエラの……ほのお……」
ラウディ 「……『四祖』について、最近よく聞くな」
GM ウルスラはここで笑顔をきみたちに向け、静かに宣言します。「それじゃ、あらためて名乗るわね。【木漏れ日の施療院】院長にして“スエラの炎”の頭目、“木漏れ日の”ウルスラよ。今まで黙ってて悪かったわね」
アキラ 「え!?」 さすがに酔いも飛ぶかも。
ルシエル 「おばちゃんが!?」
ラウディ 「そりゃ、すぐには信用もないだろうしな」
GM ウルスラ「今回のことであなたたちを全面的に信用することにするわ。正直、貴重な<サカロスの薬酒>をあれぐらいの報酬でここに届けてもらえるかは微妙なところかなって思ってたの。こういう子たちなら秘密を打ち明けても大丈夫だろうっていう判断」
リンダ 「なーるほどね」
GM ウルスラ「それと、この事を明かしたのはあなたたちが強くなって、目的にいくらか現実味が出てきたっていうのもあるわ。お願い、もしこの街を脱出してカシュカーンまで辿り着けたなら、しかるべき地位のある人に“スエラの炎”のことを伝えて。わたしたちの組織はきっと霧の街奪還の助けになる」 ウルスラは深々と頭を下げます。
アキラ 「分かった。その時はきっと伝えるよ」
ロスト 「……ああ、約束しよう」
ルシエル 「必ず伝えるよ!」
リンダ 「任せて」
ラウディ 「この街を出た後でも、この街に蔓延る蛮族を倒してぇと思っていたしな」
GM ウルスラは返事を聞き、木漏れ日のような笑顔を浮かべます。「ありがとう。でもまだまだ油断はできないからね。わたしたちも、あなたたちも。これからもどうぞよろしく♪」
アキラ 「こっちこそよろしく」
ルシエル 「よろしくなの♪」

 と、いうわけで報酬の2000ガメルと<情報無料券>、★★をゲットです。

リンダ 「……それにしても、とんでもない秘密を明かしてくれたわね」
ルシエル 「おばさんすごい……!」ちょっと感動。「なんかカッコイイのよ!」
アキラ 「抵抗組織の頭目かー。すごい人だったんだな」
ラウディ 「ま、蛮族と戦う奴らが多いのはいいことだ」
リンダ 「ウルスラさん。そのうち、他の人たちにも会わせてね」
GM 目立たないよう少しずつ、秘密裏に増やしてきたとはいえ、ウルスラの言葉通り200人あまりの構成員とほぼ同数の潜在的な協力者を有するというなら、結構な規模と言えるでしょうね。
ロスト 「……それだけ居れば情報も集まるわけだ。引き続き依頼の件を頼む」
GM ウルスラ「可能な限り手を伸ばしてみてるわ。目立つことは出来ないから時間はかかっちゃうけど、期待しておいて」
ロスト 「……ああ。ありがとう」

GM さて、一段落したところで。きみたちの当面の目的地は【廃墟】。ここで全長が20m近いという巨大キプロクスを倒さねばなりません。
ラウディ 「じゃあ、とりあえず仕事をこなすとするか」 むつっとした顔のまま踵を返す。
ロスト 「……そうだな」 ラウディに続く。
アルテ・ルシエル 「がんばってきまーす!」 手を振り振り。
GM ウルスラ「それじゃあ魔物退治のほうもよろしくね」
アキラ 「頑張ってくるよ!」
ラウディ 肩越しにウルスラへ手を振りつつ、外へ出よう。

GM それでは22日目「昼」。目的地である【廃墟】へ向かうには【叫びの門】か【泉のある広場】を中継する必要があるね。
ラウディ まあ、広場でしょうね。
一同 うんうん。
ラウディ じゃあ以前歩いた道を通って通過しよう。
GM 了解しました。では【泉のある広場】のあるブロックに向かう中……アキラくん、ランダムイベント表を振ってみて。11? その出目はある意味派手な事件が起こりますね。
ラウディ おや?(笑)
アキラ ど、どんな事件が……?(汗)
GM 移動の途中、とある両側を塀に囲まれた広めの道を歩いていた時のこと……上空の霧の層を突き破り、巨大な生き物が降ってきました。
ルシエル 「(ふと上を見上げ)……え?」
ラウディ 「うお……?」
ロスト 「!……なん、だ……?」
GM 着陸ではなく落下ですね。振ってきた巨大生物は、きみたちの歩いていた道から5mも離れていない空き家らしき石造りの建物を直撃し、粉々に粉砕! 粉塵が盛大に舞い上がり、砕けた建物の破片がきみたちの方を含めて周囲に飛び散る! まさに突然の出来事だ。
ラウディ 「ちっ!……粉を吸い込むなよ!」
アキラ 「なに!?」
GM まずは飛び散る破片のとばっちりを受けないか、全員2dしてください。6以下で少し大きめの破片が飛んできます。

 破片が飛び散った方向にいたのはリンダ、ルシエル、ロストの3人。それぞれ目標値14の回避力判定を行いますが、とっさだったこともあってか、リンダ以外は破片を避け損ない、「2d+4」点の物理ダメージを受けてしまいます。

アルテ 「な、なになに? 一体どうしたの?」
GM 粉塵が収まるのを待って崩壊した建物の方に視線を向けると、落ちてきたのは翼のある大型爬虫類のようだ。派手に損壊していて死んでいるのは間違いないが、翼を広げると10m近くありそうな気がするね。魔物知識判定をどうぞ。知名度は8。

 アキラ、リンダ、ロスト、ラウディが魔物知識判定に成功し、墜落してきたのがワイバーンの一種であることに気づきます。

ロスト 「う……」 打ち付けた肩を押さえつつ。
ラウディ 「なんだってんだ……ありゃあ確か……」
GM どうやらワイバーン(V-P275)のようです。恐らくは火炎飛竜。胴体が真っ二つになっていて、全身至る所に焼け焦げた穴が空いていますね。半年に1度も起こらないことですが、霧の街の対空兵器による攻撃を受けて上空で撃ち落された飛竜が、風に流されてきたと推測できます。
ラウディ 「既にやられてンな」
ルシエル 「お空を飛ぶと、危ないのに……なんかかわいそう」 なむなむ。
GM それと、ワイバーンを知っていた4人は別に見識判定をしてみてください。目標値は11で。
リンダ (ころころ)ん、OK。「そういえば、聞いたことがあるわ。あのね……」

 霧の街の北西と南東にはそれぞれ険しい山脈が存在しており、現在では蛮族の住処と化している魔動機文明時代の遺跡が点在していますが、それらの山脈はさまざまな幻獣が多数生息していることでも知られています。
 飛竜をはじめ、飛行能力を持つ大型の幻獣は、霧の街とカシュカーン方面との間を移動する隊商などを頻繁に襲うらしい、とのこと。

リンダ 「……ってわけなのよ」
ルシエル 「へぇええー……リンダお姉ちゃん物知り!」 なむなむ終わって。
ラウディ 「じゃあ、そいつらが街を出た俺達を狙ってくるってーことも考えられんな(ニィ)」
ロスト 「仮に無事に外に出られたとしても、なかなか厄介なようだな」
GM ところでこのランダムイベントの内容なんですが……実はこのワイバーンからは戦利品が取れます(笑)。
リンダ おおおー。
ラウディ では振りますよ。(ころころ)む、6……〔剣の加護/運命変転〕すると変わるかな?
GM おおよそ倍額くらいに。
ラウディ では(サイコロの目をひっくり)返しちゃう!
一同 おおー!(笑)
GM じゃあ戦利品は「黒い飛竜の皮膜」だ。なんと1.000ガメルの価値があるよ。
リンダ・ラウディ キター!
リンダ 貴重なお金♪
ラウディ 「皮膜は無事みてぇだな」
リンダ 「これは売れそうね」
ルシエル 「(ワイバーンに)ありがとうなの、大事に使うのよ」 なむなむ。
アルテ 「きっと神様のプレゼントだね!」
ルシエル 「うん!神様ありがとなのよ」
ロスト 「……かなり痛かった、が……(笑)」
GM まあ、1歩間違えたらきみたちの冒険はここで終わってたわけで。高度数百mから落下した飛竜が直撃しなかっただけマシ。
ラウディ ハハハ、リスキーだぜ……。

ロスト ところで、HPを回復していただけると嬉しい。11点も減った(←防護点が1しかないので破片のダメージがほぼ丸抜け)。
ルシエル 「……そういえば痛い……かな?」
ラウディ 「これから戦いに行くんだから、ぶつかった奴は治しておけよ?」

 彼ら一行はアルテの【ウィスパーヒール】【プライマリーヒーリング】、ロストの【アース・ヒール】、ルシエルの【キュア・ウーンズ】など複数の回復魔法を習得しており、状況によって使い分けています。
 今回は、複数を一度に回復できる【ウィスパーヒール】を使えるものの攻撃魔法を拡大する機会の多いアルテ、MP消費が全体的に大きい真語魔法を主力とするロストのMPを温存し、ルシエルの【キュア・ウーンズ】とアキラの【ヒーリング・バレット】で怪我をした人を癒しました。

GM 通りすがりに【泉のある広場】を遠くから見ると、それなりに平和そうですね。ここではイベントはありません。
ラウディ ここは通過でいいですよね。
ロスト ういさ。
ルシエル 通過通過ー。では【廃墟】へ移動〜。

GM きみたちはいくつもの建物が倒壊し、荒廃した廃墟の入り口にやってきた。死肉を貪る猛禽が頭上を飛びまわっているのが見える。このブロックはどうやら対空兵器の範囲外のようだ。距離があるから詳細は分からないが、飛んでいる猛禽の中には人を襲いかねないサイズのものも時折見受けられる。
 廃墟はそれなりに広大だが、もとは街の一部だったようで道はつけられている。倒壊していない建物は背の高いものが多く見晴らしは利かないが、入り組んではいないので大まかな探索に苦労はないだろう。建物の中に入るのは倒壊しかねないという意味で危険そうだけどね。
ロスト 「……物騒なようだな。気を引き締めて進んだ方が良い」
アキラ 「気をつけて進まないと色々危なそうだな」
ルシエル 「……うん」
リンダ 「注意しなくちゃねえ」
ロスト 目的はキプロクスですから、探しましょうか? 建物を調べるとしてもまぁまた改めてくればいい。
ラウディ ですね。まずは怪獣を探しましょう。「でっけぇ奴だろ? 目立つ跡くらいあってもよさそうだがな」
GM それらしい痕跡を探しながら歩くなら、全員で探索判定を行ってください。

 目標値は14で、リンダが成功します。ちなみに3回目のピンゾロで経験点を稼いでいた人もいましたが。

GM しばらく廃墟を捜索すると、ほどなく比較的周囲の建物が原型を留めている通りで、巨大な足跡が見つかる。四足の獣のものだが、足跡1つが馬の全身より大きく、むしろ軽自動車に近いサイズだ。地面へのめり込み方から重量もハンパでないことが分かる。巨大な足跡は30mほど先にある、現代で言う交差点みたいな感じの十字路のほうへ続き、左に曲がっているようだ。
リンダ 「いるわね……」
ラウディ 「見っけたか。よし……」
アキラ 「結構早く見つかったね」
ルシエル 「え? なんかいるの?」(← 探索判定でピンゾロの人)
ラウディ 「足跡を見つけたようだぜ。いよいよだ」
リンダ 「あそこの交差点へいこう」

GM リンダの先導で巨大な足跡を追って十字路に向かって歩いていくと、通りには瓦礫が散乱しており、道の至るところで推定巨大キプロクスの足跡が地面を砕いているために足場が悪くなっていることが分かる。とりあえず十字路の曲がり角の手前まではやってこれたよ。
アルテ 足場が悪くなってるって、いわゆる「足場が悪いためにペナルティを受ける状態」に該当する?
GM うん。ルールブックにある「身体が自由に動かない」状況の一種。ただし、実際にペナルティ修正が入るのは戦闘中の命中力、回避力、行使判定のみで、修正も半分の−1。
ラウディ ぬぅ(笑)。
リンダ それは敵も受けるのかのう。
ロスト リルドラケン以外は無理だね(笑)。
GM 飛んでいるとか、魔動バイクみたいに「悪路走破」みたいな特殊能力がなければ敵も同様のペナルティを受けるよ。
アキラ 「歩きにくいな」
ルシエル 「地面がガッタガタなのよ……」
ロスト 「……余り条件は良くないようだな…」 小さく溜め息。

 それほど遠くには行っていないと見て足跡を追跡する一行。交差点から覗くと30mほど先に今にも崩れそうな背の高い建物が見え、足跡はその建物を迂回して反対側に抜けるように続いています。しかしその時。

GM 「ドゥーン!!」 足跡が続いていた方向、高い建物の向こうから大きなドラムを力一杯ぶっ叩いたような重低音が聞こえ、足元が小さく揺れる。それほど遠くからではないようだ。
リンダ 「派手にやってるわねえ」
GM ?「キーキー」 続いて音と振動に驚いたのか、獲物の接近を感知したのか、手前にあった建物の廃墟から無数のコウモリが飛び出してきたりします。体長10cmほどのコウモリがざっと5、60匹。これは十数匹で1つのモンスター扱いです。キャラクターとしては5体で、前衛同士の距離は10m。とっさのことですが、魔物知識判定を行う前ならば隊列を整えてもかまいません。このブロックでは飛行による前線突破が可能なことは忘れずに。
ルシエル 「ひゃぁ!?」
ロスト 「……厄介な」
リンダ 「うわー、たくさんいるわねえ」
ロスト 乱戦宣言してしまえば離脱するまで突破は無理ですよね?
GM イエス。

 一行はルシエル、ロスト、アキラを前衛から4m後方に配置。魔物知識判定を行い、「吸血コウモリの群れ」のデータを看破します。

 吸血コウモリの群れ(動物、魔物レベル4)
知名度/弱点値:9/14 先制値:13 移動速度:20(飛行) 生命抵抗力:4(11) 精神抵抗力:4(11)
命中力:― 打撃点:― 回避力:5(12) 防護点:0 HP:30 MP:6 弱点:命中力+1
「飛行」近接攻撃の命中力・回避力判定に+1のボーナス修正を得ます。
「群れの攻撃/必中」無数の吸血コウモリが牙を突き立てて血を啜り、乱戦エリア内の任意の対象すべてのHPとMPに「2d+残りHPの5分の1(端数切り上げ)」点の物理ダメージを与えます。この攻撃は回避できません。
 この攻撃によって対象のHPに与えた適用ダメージの合計と同じ値だけ、吸血コウモリの群れのHPが回復します。
「群れ」この魔物やこの魔物を含む乱戦エリアを対象にする場合、戦闘特技《精密射撃》《魔法誘導》《魔法制御》はその効果を失います。

GM これはきみたちを消耗させるためだけに頭を振り絞った魔物。非常にうざったいですね(HP吸収はやり過ぎた感もあるな……)。10m先にDとE、その3m後ろにBとC、さらに3m後ろにAが配置されます。
ルシエル ひゃー、魔法殺し! ヴァンパイアのコウモリ形態と同じ能力。
ロスト うざいなぁ。
アルテ つまり気にせず消耗すればいいんですねわかりました。
GM ボスが単体でイマイチ頼りないんで少し削っておこうという話なので遠慮なく。先制値は13です。
リンダ (ころころ)うん、13。ちょうど勝利!
GM お見事。では1ラウンド目です。
ロスト ロストはぶっちゃけできることがPC側の補助くらいしかありません。
ルシエル MP温存だね、本命が来るまで。
ロスト まぁね。ロストの仕事は基本ダメージではないと思ってるから。
GM (このデータが5体でも全力は出さないか。余裕だなー)。
アルテ あ、わたしはケチって温存するつもりないので、とりあえず今のうちにできることをさっくりします。「先制攻撃ー、風の妖精さんお願いっ!」 DとEに対して【ウインドカッター】。(ころころ×2)片方抵抗されて、(ころころ×2)Dに6点とEに10点。
GM 攻撃力が減っていく……。
ラウディ よし、弱っていくぜ。
GM そのまま食らいました。お次どうぞ
ロスト 無傷の奴が後衛に接敵は出来るだけ避けたいんだよねぇ……《精密射撃》が利かなくなるから前衛より先にアキラだ。
アキラ じゃあ銃撃っちゃうか……あ、しまった射程が足りない。弓でEを(ころころ)12。
GM ごめん、ぴったり避けてる。
リンダ うわ、これはかなりどろどろの消耗戦になりそうだ。

 リンダの予測は的中。この後ロストとラウディの攻撃によってDが倒れるものの(ここでEもラウディに乱戦を宣言)、ルシエルがEを押さえたところをリンダが通過してBに乱戦宣言、10点のダメージを与えたところで吸血コウモリの群れに手番が渡ります。
 1ラウンド目の裏。AとCが前進してアルテを攻撃し、それぞれ13点のダメージを与えました。Bはリンダに10点のダメージ、Dはラウディとルシエルに9点のダメージを与えます。

 2ラウンド目。ロストがA、C、Eに対して【スリープ】を放ち、まとめて眠らせました。残るBをラウディとアルテが片付け、ひとまず動いている敵はいなくなります。

リンダ 「やばい奴らね、こいつら! ちょっとこのままキプロクスの相手は無理だわ」
ロスト まずこの場を離れますよ! 回復したいけど、キプロクスが来てこいつらが起きたらシャレにならない。
ラウディ 「だな。さすがに離れっか」
ルシエル 「起こさないように逃げよう……」
ロスト 「まずは移動だ」
GM 特に遭遇はなく、【廃墟】の入り口に戻ってこれます。ブロック移動の前に回復してもらって結構ですよ。

 一行はひとまず削り取られたHPをルシエルの【キュア・ウーンズ】で回復させます。一旦【木漏れ日の施療院】へ戻って態勢を立て直す構え。

ラウディ これでHPは治ったな。
アルテ HPは完璧よー!
ロスト 夜間移動がありますからね。気を抜かないで。
ラウディ ういさ。
GM では「夕方」は終わり。【木漏れ日の施療院】へは【泉のある広場】を飛ばして一回の移動で辿り着きます。OK?
アキラ はーい。

   蹂躙の撃蹄 22日目「夜」【木漏れ日の施療院】への移動中

ロスト 例によってラウディの剣に【ライト】を。(ころころ)つきました。
リンダ 「ボタンが待ってるわ」
GM それじゃ久しぶりの夜間移動ですね。遭遇判定は1回だけ。代表者、2dをお願いします。7以上でセーフ。
ラウディ (ころころ)…………ふむ。
ロスト でた……(笑)。
リンダ・ルシエル おおお。
ルシエル にや。金だ。
リンダ 金だ金だ。
ロスト さぁ、気張るぞ。
ラウディ 気張るか。
アルテ 次は私が振るっ!
GM それじゃ何と遭遇するか決めます。アルテちゃん、張り切って1dをば。
アルテ てやーっ(ころころ)うっわーい!

 アルテが気合いの声とともに放った六面体のダイス。皆の視線が集中する中現れた数字は……。

GM ……6、に見える、ね。
ロスト うわ……ついに死んだか……?
リンダ いや、まだわからん!
アルテ ついに上位蛮族との遭遇か、さぁ何者!
GM さすがに予想外。〔剣の加護/運命変転〕は使い果たしてるか。ならば誰か代表者、2dを振るよろし。
リンダ ここで神の出目!(ころころ)6、普通でした。
ラウディ 平均くらいか。

 2dを振って6。確かに平均的ですが、この状況に限っては、最良の出目だったかも。

GM 夕方を過ぎ、次第に暗くなっていく道を【木漏れ日の施療院】の方へ歩いているきみたちの後方から、馬蹄の音が聞こえてきます。
ラウディ 「たく。邪魔が入っちまったな……あん……?」
リンダ 「何かくるわね」
アキラ 「今度はなんだ?」
ルシエル でゅらはん(ぇ)。
一同 デュラララ!!

 電撃文庫より好評発売中です。

GM 一見馬に乗っているようで、その実下半身が馬な人たちが5体、松明を片手に接近してきますよ。10mほどの距離まで近づくとリーダーらしき1体が声をかけてくる。
リンダ ケンタウロス〜。
GM リーダー「おお、灯りが見えたと思えば、やはり人族か。それも見たところなかなか腕が立ちそうだ。これはいいところで出会ったな」
リンダ 「あによ、あんたたち」
ラウディ 「(松明の灯りに目を細め)蛮族、か。やんのか、てめぇら……?」 剣呑に。
ロスト 「ラウディ、抑えろ……今の状態を考えてくれ。とくにアルテは酷いだろう」
アキラ 「……何か用?」
GM リーダー「まずは名乗ろう。我が名は“蹂躙の撃蹄”コルデン。ここにあるは我が葬送騎士団の精鋭たちだ。我らが望むは一つ。人族の戦士たちよ。汝らと互いの武勇を競いたい!」
ロスト 「……話は、分かる。だが、僕達は疲弊している。貴殿等は名誉を重んじると聞く。対等でない条件の下で行う立ち合いに貴殿等は意味を見出すのか……」 一歩前に進み出て、静かに返す。
ラウディ ぎり、と手を握った後でふ、と笑いつつ「……やりあうのは結構だがよ。今の俺達は大分消耗しちまってる。今やってもあんま面白くはならねぇかもしれねぇな」
GM コルデン「ふむ……確かに見ればいささか疲労著しきと見受けられる者もいるようではあるな」
ルシエル 「うん、あたいもうお腹空いてふらふらなの……おじちゃん達、強い人だから、お腹空いて倒れそうな女の子を苛めないよね?(うるうる)」
リンダ 「そうそう、元気な時ならやってもいいから」
GM コルデン「なるほど。汝らの言い分は理解した。この街はもとより力が支配する常在戦場の地。普段ならそのような言葉に耳を貸すことなどないが……条件つきで次の機会へ持ち越してもかまわぬぞ」
ルシエル 「あ、ありがとうおじさま!(キラキラ)」
ロスト・アキラ 「条件というのは?」
GM コルデン「簡単なこと。貴様たちの内より1人。俺との一騎討ちに応じよ。さすれば他の者たちとの戦は次の機会を待とうではないか」
リンダ 「なるほど、ましな提案ね」
ラウディ 「そうか、じゃあやろうか」 あっさり。
アキラ 「そんなさらっと!」
ロスト 「……だがラウディ、相手は……、」
ラウディ 「俺が一番消耗が少ないのも事実だぜ?(にやり)」
GM この辺で“蹂躙の撃蹄”コルデンの魔物知識判定をお願いします。知名度12/17。名前持ちですよ。
ラウディ おおう、名前持ちだったか。手強そうだな。

 弱点までは見抜けなかったものの、一行は葬送騎士団のリーダー“蹂躙の撃蹄”コルデンのデータを看破しました。
ML6“蹂躙の撃蹄”コルデン(ケンタウロスハイランダー)分類:蛮族
 知能:人間並み 知覚:五感 言語:汎用蛮族語、ケンタウロス語、妖精語 生息地:霧の街 反応:中立
 知名度/弱点値:12/17 先制値:16 移動速度:30 生命抵抗力:8(15) 精神抵抗力:8(15)
攻撃方法命中力打撃点回避力防護点HPMP
騎兵槍8(15)2d+97(14)4034
特殊能力弱点:土属性ダメージ+3点
「妖精魔法4レベル/魔力6(13)」
 4レベルまでの妖精魔法を行使できます。効果や結果は個々の魔法を参照してください。
「魔法適性」
 戦闘特技《魔法拡大/確実化》を習得しています。
「突撃」
 補助動作で宣言する特殊能力です。命中力判定に+1のボーナス修正を得、打撃点が6点上昇します。
 この能力は通常移動後にのみ宣言することができます。
「我ら葬送騎士団に撤退の文字はないっ!総員、蹴散らせぇ!」
 霧の街の上位蛮族のひとりで、闘技場で常に上位の戦績を残し続けているケンタウロスの騎兵集団『葬送騎士団』を率いるケンタウロスの槍騎兵です。
 攻撃を重視した訓練に身を入れており、ケンタウロスインペイラーに比べると耐久力と鎧の頑丈さではやや劣るものの、打撃力と機先を制する能力では勝っています。
 勇敢さと信義を尊び、卑怯な振る舞いを嫌うケンタウロスの中でも一際その傾向が強く、交わした約束は命と引き換えにしてでも守り通すという信念を持っています。
戦利品
自動葬送騎士団の紋章(100G)
2〜4なし
5〜9紋章の槍(150G)
10〜<ハイランダースピア>(720G)

リンダ 「あいつ、まさか……!」
ラウディ 「知っている奴かよ」
リンダ 「聞いたことがあるわ。“蹂躙の撃蹄”コルデン。上位蛮族の一人よ(かくかくしかじか)」
GM コルデン「俺を知っているとは光栄だな。だがラウディとやら、貴様とて多少消耗していることには変わりあるまい。俺と戦おうというのだ。術があるなら戦いの前に仲間より魔法の援護を受けてもかまわぬぞ」
ラウディ 「いいのかよ? そんなことを言うとありがたく受けるぜ」
ルシエル 「うん、ありがとうおじちゃん。……グレンダールの信徒として、正当な一騎打ちを拒否するのはできない……から。せめて支援だけでも」
GM ま、1人1つだけ、支援魔法をかけていいですよ。それが終わったら先制判定はお互いに全員で。ラウディとコルデン以外は行動しないってルールで。

 “蹂躙の撃蹄”コルデンを強敵と看破した一行は精一杯の支援をラウディに飛ばします。ルシエルから【セイクリッド・ウェポン】、アキラから【エフェクト・ウェポン】、ロストからは妖精魔法を警戒しての【カウンター・マジック】。先制判定は僅差でコルデンが奪取しました。

ロスト 「ラウディ……くれぐれも、気をつけてくれ」 本当は止めたい、とそんな表情で。
アルテ 「ラウディお兄ちゃん、頑張ってね」 ふにゃーと笑顔。
ラウディ 「あぁ。……あんがとよ」
リンダ 「こんなつまらないところで、死ぬんじゃないわよ」
GM では、決闘を開始しますよ。互いの距離は10m、葬送騎士団の他の面々は隊長を信頼しているので観戦。
ルシエル 「頑張って、ラウディ兄ちゃん!」 本当はルシエルも止めたいけど、信条として出来ない。

 〜1ラウンド目〜

GM コルデン「覚悟はよいな。人族の戦士よ。いざ尋常に勝負だ! 行くぞっ!」 コルデンは通常移動で10m前進、ラウディに乱戦宣言。
ラウディ 「来いよ……!」 突っ込んで来やがったな。
GM 「突撃」を使用する。コルデンは固定値ではないよ。命中判定は(ころころ)19。
ラウディ (ころころ)くそ、17だ。「ちぃっ!」
GM (ころころ)おや、出目11とな。26点。
ルシエル でけえ!
リンダ 凄まじいな、さすが名前持ち。
ラウディ 「ぐ……!」 顔を歪めるが、補助動作で【キャッツアイ】【マッスルベアー】を起動! 反撃だ!
GM コルデン「我が突撃を受けて倒れぬか! 大した耐久力だ!」
ルシエル 「ラウ兄ちゃん……!グレン様ご加護を……!」
ラウディ 「蛮族にも、お前みたいなのがいんだな!」 (ころころ)命中18!
GM 回避は苦手。(ころころ)命中してる。
ラウディ 「らぁっ!」 (ころころ)ダメージは22点だ!
ロスト 防護点を引いて、17点通ったな。
GM コルデン「ぐぅ……っ! やるな、貴様なら闘技場でも充分に勝ち残れるぞ! ここでその剣が潰えるとはいささか惜しいな!」
ラウディ 「へっ、褒め言葉はいらねぇっての!」

 〜2ラウンド目〜

ロスト 「――ラウディ……」
GM コルデンの再攻撃。「だが、まだまだ俺には及ばん! はあっ!」 (ころころ)出目6で命中14。
ラウディ 「なめんなっ!」 (ころころ)よし、出目11。19で弾いたぜ!
ルシエル 「大丈夫、絶対……!」
ラウディ 「……足を止めれば、な!」 こっちの反撃だ。(ころころ)15!
GM (ころころ)命中。
ラウディ (ころころ)今度は20点だぜ。
ロスト これで32点。もう一回当てれば勝機が見える。
リンダ まだ勝負はわからんな。
GM コルデン「……よもやここまでの腕を持つとはな」
ラウディ 「どうだ。降参すっかよ?」 蛮族には初めての言葉を。
GM コルデン「戯言を。我が葬送騎士団に降伏など有り得ぬ」
ラウディ 「そりゃ、な」

 〜3ラウンド目〜

GM コルデン「……ましてこの程度の傷を負わせた程度で、俺を追い詰めたつもりか!」 (ころころ)近接攻撃で命中17。
ラウディ 回避! (ころころ)15、ダメか……。
GM コルデン「これで終わりだ!」 (ころころ)14点。
ラウディ 鎧で止めて7点受けます。「ぐっ……!」 だが、まだだ!
ロスト 「ラウディ……!」
アルテ 「頑張って、もうちょっと!」
ラウディ 反撃! (ころころ)17だ。
GM コルデン「ちぃっ!」 (ころころ)やや、6ゾロ。19で受け流し成功。
ラウディ こら(笑)。「へ、いい動きだ」
アルテ アチャー。
リンダ 名勝負!
ルシエル 「兄ちゃん!頑張って!!」 祈る。

 〜4ラウンド目〜

GM コルデンがラウディに与えた累積ダメージは26点か。このレベルで普通の生命力ならもう倒れるな。
ラウディ あと7点しかない。ぎりぎりだ。
ロスト それはもう当たったら倒れるな……。
ルシエル 「グレン様……! ご加護を……っ」
GM コルデンは片手を掲げて詠唱。『混沌なる数多の妖精たちよ! 我が召喚に応えよ!』
アルテ そっちに切り替えたか!
GM 【カオスショット】!(ころころ)13。
ラウディ 「……聞こえたら。お前らの声!」 (ころころ)【カウンター・マジック】の効果もあって抵抗には成功だ。
GM コルデン「これに抵抗できるか……だが」 (ころころ)13点を半減して魔法ダメージ7点。
ラウディ く、だめか、ぴったりで……?
GM 手立てはなさそうだね。一応、生死判定を。
アルテ 一応とか言うと怖い!?
ルシエル 「ラウディ兄ちゃん……!」
ラウディ (ころころ)うん、ピンゾロではない。

 僅差ながらラウディ、“蹂躙の撃蹄”コルデンの前に初の敗北。

ラウディ 「ッ……!」 一瞬耐えたかに見えたが、倒れ伏す。
アキラ 「ラウディ!」
アルテ 「ラウディお兄ちゃーん!?」 倒れたら、慌てて駆け寄るよ!
リンダ 「(脈を取って)……息はある……」
ロスト コルデンとの間に割って入ります。「――ここまでだ」 両手を広げてラウディを庇うように立つ。
GM コルデンは駆け込んで来た数人を前に数歩下がって口を開く。「……見事だ。この“蹂躙の撃蹄”を相手にここまでの力を見せるとはな。正直驚いたぞ」
ルシエル 「……勝負、あり……」 悔しそうに。「次はあたいが相手になる!」
リンダ 「だめよ、ルシエル!」 ルシエルをぎゅーっとしておきます。
ルシエル 「……だって!」
ロスト 「……ルシエル、お前はラウディの手当てを。(コルデンに向き直り)勝負には応じた。こちらが負けたが、貴殿はどうするつもりだ」
GM コルデン「交わした約を違えはせぬ。求めたるは一騎討ちに応じること。その男はそれに応えた。なれば我らも約に従い、退くが道理」
リンダ 「意外ね。蛮族にも、あんたみたいな男がいるなんて……ありがとう」
アキラ 「人間と同じで、蛮族にも色々いるんだな」
ロスト 「役目は果たした、か」 頷きます。「この場は礼を言う」
GM コルデン「とはいえ、貴様らを見逃すことには理由がないでもない。我が葬送騎士団はこの街の闘技場にて力を磨いている。再びまみえることがあるとすればその場においてであろう。その男……ラウディと言ったか。目を覚ましたなら、闘技場にて待っている、と伝えるがいい」
ロスト 「……闘技場、か。……伝言は伝えよう」
リンダ 「縁があればね」
GM コルデンはそれだけを告げ、配下の葬送騎士団とやらを連れて去っていきました。
ロスト 完全に姿が見えなくなってから、漸く広げていた手を下ろします。緊張で少し強張っている、手を。
アキラ 「はぁー、どうなることかと思ったぜ」
ルシエル 「……っく……!」 駆け出しかけるのを押さえ込んで、ラウディのそばへ。
アキラ 「とりあえずラウディの怪我治さなきゃな」
ルシエル 『……炎武帝の加護により、この勇者に今一度力を!』 【アウェイクン】! (ころころ)成功。

 ルシエルが目覚めさせたラウディにロストが数回の【アース・ヒール】を行使して傷を癒しました。“蹂躙の撃蹄”コルデンとの遭遇を切り抜け、【闘技場】の存在を知ったことで一行は★を獲得します。

リンダ 「(ふう、コルデンが甘い奴で助かったわ……。今、彼に死なれちゃ困るのよね……)」
ラウディ では起きた。「……なんだここは。……寝ぼけたつもりはねぇが……」
アキラ 「ラウディ、大丈夫か!」
ラウディ 「夢、か? いや……なんだ、命を拾えたか……ち、情けねぇとこを見せた、な」
アルテ 「良かったよぅ……」 ぐすめそ。
アキラ 「そんなことないよ。格好よかったぜ」
ルシエル 「うん、かっこよかったよ、お兄ちゃん」
ラウディ 「……負けたっての」 ルシから手を離して「……ありがと、な」 全員に呟いて、起き上がろう。
ルシエル 「ううん、皆を助けてくれた、立派な勇者だよ」
リンダ 「貴重な体験ね、ラウディ。あんたは、もっと強くならなくちゃ」 身を翻して先に行きます。
ロスト 「……」 後遺症は無さそうなのを見て取って、黙って密かに安堵の息を吐きます。
ラウディ 「“蹂躙の撃蹄”コルデンか。……アイツは、忘れねぇよ……」 装備を構えなおすと、歩き始めます。
アキラ 「闘技場で待ってる、って言ってたぜ」
ルシエル 「……今度は勝つよ、きっと、絶対!」 涙をぬぐいつつ。
ラウディ 「闘技場、な……」 ぎり、と歯をかみしめ。
ロスト 「……行く気か?」
ルシエル 「今はダメッ!」
ラウディ 「(肩をすくめ)……分かってら。こいつらがうるせぇ。充分、準備してからにするぜ」
ロスト 「……ああ。そうしてくれ。せめて、な。それから。……次は、僕も共に戦う。必ずだ」
アキラ 「俺も!」
ルシエル 「皆で戦うんだよ! じゃなきゃ許さないから!」
リンダ 「そういうことよ」
ラウディ 「……頼りにすんぜ」 仲間や義弟義妹に頷きました。
GM ではこの辺で移動を再開。【闘技場】についてはそういう施設が存在する、とだけ聞きました。場所は知ってそうな人に聞けばいいだろうね。【木漏れ日の施療院】へ到着します。
ルシエル 「とりあえずご飯食べよう、帰ろう、寝よう……よぅ」 ぷしゅぷしゅー。
ロスト 「……そうだな」小さく息を付きました。微かに笑むように。
GM 傷はほとんど塞がってるようだから、残り数点なら治して寝たでいいよ。寝る前に何かすることは?
アキラ 「本命行く前に色々あった1日だな」 ウルスラは【闘技場】の場所は知っているかな。
GM 情報表で言えば確実に所在が【闘技場】である「名のある魔物」の情報を買えばいい。コルデンと葬送騎士団についての情報を買えばついてくるよ。300ガメルで。
ロスト ラウディが聞いてる横からすっとお金を置きます(笑)。
ラウディ ありがてえー。
GM 了解です。“蹂躙の撃蹄”コルデンのデータはさっきの通り。葬送騎士団は彼を含めて総勢8名の集団だそうです。団員はウルスラが把握してる限りではこういうデータのケンタウロスランサー。現時点で昇格した副官格とかがいないとは限りませんが。
ルシエル 8名……。
ラウディ 騎士団ってだけあってさすがに多いな。

 続いて【闘技場】のブロック決定。C−1にオープンしました。

ラウディ ……【骨の川】の上?
アルテ ああ、あのいやな川の。
ルシエル また素敵な位置だなあ……闘技場で死んだ者をそこに捨ててる感じだ(笑)。
ロスト 無難にD−1、D−2をあけよう……。
ラウディ 「情報は分かった。……ありがとよ」 やや言いにくそうにロストとウルスラに言い、寝所へ。
ロスト 「……しっかり休んでおけよ」 そう言って目を伏せます。
ラウディ そして大人のイベントがあったらしく、次の日へ(なに?)。
リンダ 『眠れないみたいね』とかから始まります。
ルシエル うわぉ。夜這い!?
ロスト 部屋、相部屋じゃなかったっけか……(笑)。
リンダ 病院のベッドが一個空いてたんですよ。
アキラ 寝付けず屋上とかに来たんだよ、きっと。
ラウディ 屋上!
ルシエル なまなましいな(笑)。
ラウディ 『ん?……色々あったかんな。……お前も?』 立ち上がり……次いってみよう。
ルシエル 「Zzzz……まけないもん……」 寝言。
GM はいはい。そういう出来事があったかは知りませんが、23日目「朝」【木漏れ日の施療院】ですよー。

   決戦! キプロクス・グレート! 23日目「朝」【廃墟】

 翌朝目覚めるとアキラが風邪を引いていたりしましたが、さして問題でもないと一行は移動を開始。再び【廃墟】を目指します。途中、広場で「500ガメルで自分の奴隷の首を切らせてやる」という不思議な商売をしていたアンドロスコーピオンを相手に肩慣らししたりしつつ(奴隷たちを解放し、★をゲット)、【廃墟】の入り口へとやってきます。早速巨大キプロクスの足跡を探す一行。

ラウディ またきたぜ。
アルテ 今度は負けないよ!
リンダ よし、ロストの【スリープ】に期待しつつ蝙蝠とバトル!
ラウディ 蝙蝠はいるか?
GM 上空には猛禽が絶賛旋回中だが、「朝」なのでコウモリは見当たらない。
リンダ ば、ばかなー。
ロスト (笑)。
GM キプロクスも昼行性なので、遭遇率は上がっています。探索判定してください。

 全員で捜索してみると、最高値はロストの12。

GM 【廃墟】の中央付近まで来たところで、例の「ひとつで馬よりでかい」足跡を発見しました。直後、二つばかり向こうの通りの方から「ドゥーン!」という足音が聞こえます。
アキラ 「向こうか」 音のした方を見ながら。
ラウディ 「近いか? 今度は拝めそうだ」
GM てくてくと足跡を追っていくと、一回り小さい足跡もあります。
ルシエル 子持ちかにゃ?
リンダ 子持ち! 見逃そう。
GM サイズとしては充分に成体ですよ。普通のキプロクスではないかと思われます。
ラウディ ああ、ターゲットが異常なんでしたな(笑)。爬虫類め!
ルシエル 爺様をやっつけるのは敬老精神に反するなあ……。まあ仕方ないか。

 追跡を続行する一行。しばらく進み、大通りに出たところで二つほど先の角を曲がろうと体の向きを変えようとしていたキプロクスと目が合います。

ラウディ 「よぉ」
リンダ 「やっほー。ねえ、あれは普通のキクロプスね」
GM 通常データのキプロクスです。セージ技能を持ってる人。弱点値だけ抜いてください。弱点値13。
ロスト (ころころ)あ、出たよ。「これは炎に弱いな」
ルシエル 「炎なのね、あい!」
GM キプロクス「オオーーーーーン!」 何かに呼びかけるようにひと吼えしたキプロはきみたちのほうへ向かってきます。
ラウディ 「呼んだか」 構え構え。
アキラ 「勝負だ!」

 互いの距離10m。まだ巨大キプロクスは姿を現していません。先制判定は危なげなく一行が奪取です。

GM 1ラウンド目の開始時。キプロクスが曲がろうとしていた角の向こうから「ヴオオオオォォォーーーン!!!」という巨大な咆哮とともに「ドゥーン!ドゥーン!」という足音が聞こえ始めます。
ルシエル 「わー、きたぁー!」
ラウディ 「本命が近いんでな。さっさとやらせてもらうぜ」

 一行はまず普通のキプロクスを迎え撃ちます。1ラウンド目、リンダが接敵し、胴体へ《挑発攻撃》を命中させますが、ダメージでピンゾロ(ちなみにキプロクスの部位:胴体は攻撃手段を持たないため、《挑発攻撃》は無意味でした)。続いてラウディが胴体に斬りつけ、16点のダメージ。アルテは部位:頭部と胴体へ【ウインドカッター】を放ちます。頭部には抵抗されましたが、胴体への一撃がクリティカル! 早くも部位:胴体を沈めます。

ラウディ 「ん、アルテぇ、調子いいな」 横目で見、にや。
アルテ 「えっと、うまくいっちゃった」 てへ。
アキラ 【キャッツアイ】を使用して頭部に【エフェクト・バレット(炎)】で攻撃だ。(ころころ×2)12と14で命中、(ころころ×2)ダメージは17点と、クリティカルして21点!
GM あれま。3部位の巨大生物、何もできずに倒れました。
アルテ 「すごぉい、やったね!」 じゃあ、アキラをハグっておこう。
アキラ 「うわっ」 きっと真っ赤。
ルシエル 「やった、やったぁ!」 小踊り。
リンダ 「楽勝だったわね!」
ラウディ 「あぁ。だが、本命も近いぜ」
GM 見える限り敵陣営はいなくなりましたが、擬似的に戦闘ラウンドを続けます。残りの人も行動してくださいね。

 ルシエルとロストは未行動でしたが、様子見ということで行動を放棄。まだ敵のデータが分かりませんしね。

GM 魔物の手番。「ドゥーン! ドゥーン!」 と再びドラムを鳴らすような音が近づいてきたかと思うと、倒れたキプロクスの後方、曲がり角にあった背の高い建物の屋上より高い位置に巨大なキプロクスの頭部が覗きます。全長20mと聞いていましたが、高さも10mはありますね。
ラウディ 「来たな。ありゃ斬りがいがありそうだ」
GM 敵対色に染まった目で地上を睥睨した巨大キプロは、次の瞬間その建物を木っ端微塵に打ち砕いて進軍を開始。乱戦エリアから15mまで移動し、主動作で身体に積もった粉塵を振り落として手番終了。ここで魔物知識判定をどうぞ。知名度11/15。
アルテ・ルシエル (ころころ)平目で11。
リンダ (ころころ)届いたけど、15は無理ね。
ロスト (ころころ)……えへへ(笑)。
GM データは看破しました。あれは「名前を持つキプロクス・グレート」。固定値ではありません。
ラウディ グ、グレートだと。
     
ML6“廃墟に響くドラム”バルドゥン(キプロクス・グレート)分類:動物
 知能:低い 知覚:五感 言語:なし 生息地:霧の街 反応:腹具合による
 知名度/弱点値:11/15 先制値:13 移動速度:18 生命抵抗力:9(16) 精神抵抗力:8(15)
攻撃方法命中力打撃点回避力防護点HPMP
牙(頭部)9(16)2d+85(12)4021
踏みつけ(胴体)7(14)2d+46(13)4816
尻尾(尻尾)8(15)2d+67(14)3213
特殊能力部位数:3(頭部/胴体/尻尾) コア部位:頭部弱点:炎属性ダメージ+3点
●頭部
「炎ブレス/7(14)/生命抵抗力/半減」
 主動作で使用する特殊能力です。射程20mで「半径3m/5」の範囲に炎を吐き「2d+6」点の炎属性の魔法ダメージを与えます。
 キプロクス・グレートは自らの炎では傷つきません。また、自身の部位は「炎ブレス」の最大対象数に数えません。
●胴体
「大きな体」
 部位:頭部は近接攻撃の対象になりません。また、射撃攻撃に対する回避力判定に+4のボーナス修正を得ます。
 部位:胴体のHPが0以下になった場合、この能力を失います。
「踏み鳴らし/必中」
 主動作で使用する特殊能力です。足を踏み鳴らし、周囲の地面を揺らします。キプロクス・グレートと同じ乱戦エリアに存在するすべての対象はその場に転倒します。この攻撃は回避できません。対象が地面に足をつけていない場合は効果がありません。
 この能力は連続した手番には使用できません。
「重い足」
 常に効果を発揮している特殊能力です。踏みつけによる攻撃でダメージを受けたキャラクターは、自動的に転倒します。
●尻尾
「テイルスイング」
 補助動作で宣言する特殊能力です。尻尾での攻撃を、同じ乱戦エリア内にいる5体までの任意の対象に対して行います。
 100年以上の長い年月をかけて全長20m近くにまで成長したキプロクスの老成体です。老成体となったキプロクスは通常の個体とは異なり温厚な性格で、動物としては知能もかなり高く、捕食以外の目的で他の生き物を襲うことはほとんどありません。ただ、群れの長として縄張り意識が非常に強くなり、同族はもちろんのこと、自分の縄張りを住処とする一部の動物たちすら外敵から保護しようとすることもあるようです。
 老成体が移動する際には肥大化した足と大地の震動が共鳴してドラムを叩くような大きな足音が響く上、縄張りの周囲をかなりの広範囲に渡って巡回する習性があるため、普通は縄張りに近づいた側が足音に気づいて退き、老成体から攻撃することもありませんが、縄張りを侵す人族や蛮族、同族を傷つける者に対してだけは積極的に、かつ徹底的に攻撃を行います。
戦利品
自動足裏太鼓×1〜4
(100G/赤A)×1〜4
2〜7大きな牙(100G/赤A)
8〜10亜竜鱗(350G/赤A)
11〜炎の結晶(1.600G/―)

アキラ 「で、でけー」
ロスト 「これは…、流石に見たことがない大きさだな……」
ルシエル 「すごく……大きいです……」
ラウディ 「へ、やりがいがあるぜ」
リンダ 15m先に現れたか。ともあれ、エンゲージして胴体へ《挑発攻撃》。(ころころ)14。
GM (ころころ)命中。
リンダ (ころころ)ダメージは8点だけ。でも、これで「踏み鳴らし」は封じた!

 《挑発攻撃》の効果を受けたキャラクターは可能な限りダメージを与える手段を使って攻撃を行います。バルドゥンの部位:胴体は踏みつけでリンダを攻撃することが確定。

ラウディ ありがたい。では移動して乱戦宣言。【ビートルスキン】も入れつつ胴体へ攻撃。(ころころ)お、6ゾロ。
GM 一回くらい踏み鳴らしたいなあ。(ころころ)無理。
ラウディ (ころころ)ひゃっはー、(ころころ×2)2回転して36点!「おらぁッ!!!」
GM うぞっ!
ルシエル うおおお。
GM 30点通りました(汗)。
ロスト 「……気合いが入っているな」
ルシエル 「兄ちゃんカッコイイ!」
ラウディ 「注意が逸れりゃ、こんなモンだ……とはいえ、一刀両断とはいかねぇか」
ルシエル 倒したら夕飯のお肉にしようと思っているの。
アキラ ……食えるのかこれ。
ラウディ きっと鳥のような味。
ルシエル 爬虫類は意外と美味い!

 この後、大分距離が開いてしまったので、ルシエルとアキラはそれぞれ魔法と銃が届く位置まで移動します。アルテは再び【ウインドカッター】を頭部と胴体に行使、頭部へはピンゾロで不発を出すも(アルテ ……目を逸らしたの。)、胴体にダメージを積み重ねました。ロストはブレスに備えて【バイタリティ】を飛ばします。

GM ではバルドゥンの反撃。「踏み鳴らし」たいけど、仕方なく胴体がリンダを踏み踏みします。ぷちっといけー。(ころころ)15。
リンダ (ころころ)あ、出目4……受けると転倒するのか。ここは〔剣の加護/運命変転〕! 回避します。
GM 残念。「ドゥーン!」 とリンダの横にぶっとい足が着弾。
リンダ 「洒落にならないって!」
アキラ 「あれで踏まれたら死ぬよな……」
ルシエル 「ぺっちゃんこになりそう……」
GM 続いて頭部が乱戦エリアに炎を吐きます。(ころころ)うん、これは気合いが入ったブレス。達成値17。
リンダ・ラウディ (ころころ)18! 【バイタリティ】ありがとう!
GM くっ、(ころころ)炎属性で7点の魔法ダメージだ。さらに焼かれた二人に尻尾が「テイルスイング」!

 これはリンダ、ラウディともに運よく回避成功。大木のような尻尾を叩き込まれて横のビルの一階が粉々になりますが、二人は身を低くしてかわします。

ロスト 「……(よし、被害は抑えられた)」
ルシエル とりあえずお姉ちゃんとお兄ちゃんに【キュア・ウーンズ】。(ころころ×3)二人とも10点ずつ回復っ!
リンダ ありがたい!
アルテ こっちは続いて胴体と頭部に【ウインドカッター】入れるよぅ。抵抗されてるけど、それぞれに5点ずつダメージ。
GM それで胴体は本来のHPがなくなった。<剣の欠片>の強化分に突入。
ロスト ん。なら頭部と胴体に【パラライズ】。回避を下げます。(ころころ×2)頭部に20、胴体に17。
GM (ころころ×2)頭部はかかりました。胴体は6ゾロ抵抗。出目が逆なら両方弾いてるのに。
ロスト それはどーしょーもない。胴体は自力で倒してね。
ルシエル きっと100年生きたからだ。
リンダ うん、根性がある。
ラウディ よし、攻撃するよ! (ころころ)問題なく命中させて、(ころころ)14点!「こいつで……倒れとけ!」
GM あー、それは……ぴったり落ちちゃったな。足が上がらなくなります。
ロスト 「……後は頭だ。それで動かなくなる」
ルシエル 「うん、みんな頑張って……!」
リンダ よぉし。頭部を殴れー。(ころころ)13。
GM (ころころ)6ゾロ回避。
ラウディ この恐竜、避けるな(笑)。
ルシエル 「亀の甲より年の功っていうのね、きっと」
ロスト 「落ち着け。縛鎖はそう簡単に消えはしない」
アキラ 【ターゲットサイト】を使うよ。頭部に【ソリッド・バレット】×2。(ころころ×2)18と12。
GM (ころころ×2)【パラライズ】が効いていたせいで2発目も命中。
アキラ (ころころ×2)よかった。13点と9点。

 ここでバルドゥンの手番です。胴体が落ちてしまったので転倒させることはできなくなりましたが、リンダとラウディには炎のブレスが直撃。さらに「テイルスイング」にラウディが巻き込まれて13点のダメージ。早速ルシエルが二人の傷を癒します。

ラウディ 「これくらいじゃ倒れねぇよ! ……ありがとな」
リンダ 「ルシエル、さんきゅ!」
ルシエル 「うん!」
アルテ 尻尾狙うMPの余裕ないの。頭部にだけ【ウインドカッター】。抵抗されて5点。
ラウディ 削ってる削ってる。
リンダ うん。追撃いくわよ。補助動作で【ガゼルフット】かけなおし。(ころころ×2)命中させて10点ダメージ。
ラウディ 当たる相手だな。【マッスルベアー】だけかけなおして攻撃だ。(ころころ×2)14点ダメージ。
GM <剣の欠片>の強化分に突入……というか今のでほとんどなくなった。
ラウディ もうちょいだ
リンダ これは、ヒロイックアキラの番か。今夜のアキラは強い。
アキラ ……ヒロイック?
ルシエル いけえ!
アキラ 俺も【キャッツアイ】かけなおし。【ソリッド・バレット】を頭部へ2発!(ころころ×2)命中は15と10。
GM (ころころ×2)2発目はかわしてる。
アキラ (ころころ)12点!
GM あー、それでトドメになっちゃったな。“廃墟に響くドラム”バルドゥンは「ヴオオオーーン……」 と、一声鳴くとゆっくりと全身を傾がせ、倒れていく。
ルシエル 「……やったぁ……!」
アキラ 「やったぜ!」
ラウディ 「ふん、今日は本当にいい調子じゃねぇか」 口元には、珍しくやさしげな笑み 「と、危ねえ、倒れてくる」
ルシエル 「みんなこっちに退避ーー!」
GM ズズン、ズン。建物を二つほど巻き添えにして、巨体が倒れます。

 “廃墟に響くドラム”バルドゥンを討伐した一行は★を獲得。戦利品は合計1180ガメル分になりました。<剣の欠片>も6つゲット。

GM この自動で入る戦利品<足裏太鼓>をウルスラのところまで持っていけばミッション完了です……えらいかさばりそうですけど。
ラウディ 「っし。ようやっと達成だな。」 戻るか、と声かける。
ロスト 「ああ、そうだな。癒えていない傷はあるか?」
ルシエル 「ラウディ兄ちゃん、怪我してる」
ラウディ 「さすがにちょいとな」
ロスト 【アース・ヒール】を。(ころころ×2)「……これでいい」
ルシエル 「……愛なのね……」 ジーっと見ている。
リンダ 「愛ね」
ロスト もう何言っても無駄だな(笑)。
ルシエル 「これが禁断の愛ってやつなのねリンダねえちゃん」
リンダ 「でも、ルシエル、ラウディは両方いけるのかもしれないわね」
ルシエル 「……煤v
ラウディ 「なんの話してんだ、帰んぞ!」

 やっと依頼達成。ずいぶん経験点を稼がれましたが、第5話もこれで一区切りです。が、あのイベントは予定通りこのタイミングで起こしておかないと……(ごそごそ)。

   夜の公主の手は霧の街を探る 23日目「昼」【木漏れ日の施療院】

GM 【木漏れ日の施療院】に戻ってきました。ところで確認ですが、ウルスラに<サカロスの薬酒>を入手した経緯も全部話しますか? 神殿内に魔法の水盤があって月に水袋1つ分溜まるらしいことや、元は月一度のサカロスの酒祭りでやっていた飲み比べ大会の優勝商品だったこと、ドライアードが飲み比べに応じたことなど。
ラウディ 特に話さない理由はないのではないかな。
リンダ それは話してしまっていいと思うんですよね。
ルシエル うんうん。
アルテ いいんじゃないかなぁ。
GM 了解。それじゃきみたちを出迎えて、でっかい足裏を確認したウルスラさんは「今回もお疲れ様。それじゃこれ約束のお礼ね。魔動機械が3体と怪獣を合わせて、銀貨6000枚」 と大きな袋を渡してくれます。ミッション「魔物の討伐」達成により★を獲得。
ラウディ 「大分金になったな」
GM ウルスラ「あ、それとね。昨日持ってきてもらった<サカロスの薬酒>のおかげで、ほとんど不治の病と思われてた病気を患っていた何人かの患者さんがすっかり元気になったのよ。それで1回分だけ薬酒が残ったから、これは功労者のあなたたちに進呈するわ。どうしても必要になったら、わたしが飲み比べ大会とやらに参加するから☆」
ラウディ そういえばこの人もドワーフでしたっけ。
GM そうですね。<サカロスの薬酒>はポーション類の扱いです。戦闘中に使用する場合は主動作、「射程:接触」で他者にも使用できます。気になる効果はズバリ「使用者が受けている毒属性、病気属性、精神効果属性の効果をすべて、達成値に関係なく消し去る」というもの。
リンダ これは心強い。
アキラ 「ウルスラさん酒強い?」
ルシエル 「つよいよー」
GM ウルスラ「わりと底なし、かも……(てれてれ)」
ラウディ 「は、いずれアンタとも飲んでみたいもんだ」
アキラ 「すげー、俺一口で潰れちゃって……」
ロスト 「……、…先に休む」 すたすた……(笑)。

 おや?

ロスト あ、あそこでの話はちょっとロストは居場所がない。
ルシエル 「あれ? エルフ仮面様〜? 寝酒に一杯どう?」
ロスト ルシの声には少しだけ足を止めたがそのまま部屋へ戻った(笑)。
アキラ 「ロスト、どうしたんだ?」 一番先に潰れたからあの後の出来事は知らない(笑)。
ラウディ 「アキラが潰れた後で色々あったのさ(くくっ)。まあ、今日は休んでおくか」
ルシエル 「……大人って……(笑)」
リンダ 「ドライアードが、アキラ君やロストをどこかに連れてってたわねー」
アキラ 「どこかって何!? って俺も!?」
リンダ 「(無言で笑顔)」
ルシエル 「アキラ兄ちゃんは、ダメって言っといたから大丈夫なのよ。でもロスト兄ちゃんは……ダメって言う前にあたいも寝ちゃったから」
リンダ 「ロストだけはどうなったか分からないのよねえ」
ラウディ 「くく、知らないのは幸せかもなぁ」
GM 楽しそうだ。経験点をさしあげる前に、「夜」まで時間を経過させるとイベントが発生。
ラウディ おや。
GM 夕飯前くらいの時間に、男部屋をノックする人がいます。
ロスト はいはい、部屋で少し赤面してますが、ラウディとかが戻ってくる頃には普通ですよ。
GM ?「こんばんわー。仮面の兄ちゃんいますかー?」 えー、“路地裏の妖精”ことニルスくんの声ですね。
ロスト 「……ああ、いるが?」 開けましょう。
ラウディ 「……」 部屋では武器を確かめたり静かにしています。
GM ニルス「遅くに悪いね。ウルスラが正体明かしたんだって? あ、オイラ“スエラの炎”の密偵ね。ウルスラと他の構成員の間を繋ぐ連絡役なんだ。あらためてよろしく」
アルテ 「そうだったんだー、知らなかった!」
ロスト 「……よろしく。が、挨拶だけでわざわざ来たわけではないんだろう」
GM ニルス「うん。仮面の兄ちゃんに報告です。ルーズルっておっちゃんについて、そのものずばりな情報はまだなんだけどね。『顔の半分を仮面で隠した若いエルフの男』を捜してるって人の話を聞いてきた。人じゃないけど。なんか関係あるかもだし、それでなくても伝えといたほうがいいかと思ってさ」 ちょこちょこ入ってきて腰掛けながら話すニルスくん。
ロスト 「……!」
GM ニルス「兄ちゃん、いつも顔隠してるっしょ? 知ってる人は少ないかなって」
ロスト 「ああ。それは……詳しく聞きたい(今更実家は無いと思うが……、そもそも手術のことは知らないはず……、調べたのでなければだが)」
ルシエル じゃあアルテの後を追ってお菓子を持って部屋に行こう。「アルテねえちゃんビスケット食べるー?……っあれ、お客さんだ」と、ちょこん。
GM ニルス「兄ちゃんを捜してるらしいのは“宵闇の公主”って呼ばれてる上位蛮族。悪いけどオイラは居場所は知らない。でもウルスラは知ってるだろうね。あいにく耳に挟んで取り急ぎやってきたんで、詳細はこれから調べるかどうかってところ」
ラウディ 「ふん……ロストを知っている相手な……上位蛮族か」
GM ニルス「何で探してるのか、まで追跡調査するんなら、ちょっとお金かかりそうかな。オイラがやるならお金ちょうだい」
ロスト 「……いや、探していると言うなら会ってみよう。その方が早い」
ルシエル 二人をきょろきょろ見ている。
GM ニルス「そう。じゃ、引き続きおっちゃんの行方だけアンテナ張っとくね。用件は以上です。おつかれさまー」
ロスト 「ああ、頼む」
GM それじゃ、ニルスくんはここで退場します。
ラウディ 「会ってみるってか? 話になるような相手かもまだわからないだろ?」 腕組みしつつ。
ルシエル 「(こくこく)」
ロスト 「……乱暴な手段を用いて探しているなら、僕一人などとっくに見つかっているだろう」
リンダ では、戸口で全部話を聞いてました。キーワードを色々メモしておこう。「あのエルフ仮面、ただのエルフ仮面じゃなかったのね」

 一応、ロストと隠密で対決させてみるものの、レベルの違いで無事クリアするリンダ。

ラウディ 「まあ、俺も探し人について、進展することを望むさ……さぁて、今日は休むか?」 言葉を聞き、やはりおざなりに。
ロスト 「……ラウディ、皆も。一つ頼みがある。いや、二つ……だな」
ラウディ・アキラ 「「ん?」」
ルシエル 「んん?」 ビスケット篭両手に持って。正座。
ロスト 「……リンダやアルテにも言っておくべきか、悪いがルシエル、呼んできてもらえるか?」
ルシエル 「うん」 とてとてと呼びに行く。
リンダ 「(しれっと)あら、どうしたの?」
ルシエル 「あのね、エルフ仮面様がお話があるんだって」
リンダ 「珍しいわね」
アルテ 一旦戻っていたけど、にょっと出てくる。
ルシエル 「お願いがあるって言ってたよ」 と、引き連れて戻る。
GM それでは男部屋に全員集合しました。

ラウディ 「……」腕を頭の後ろで組んでます
ロスト 「……呼び立ててすまない」
リンダ 「なによ、あらたまって」
ルシエル ビスケットを食べるような雰囲気ではないので、横に篭を置いた。
ロスト 「以前から僕が探し人をしていることはおおよそ知っていると思うが」
ルシエル 「うん」
アキラ 「まあね」
ロスト 「もしかするとそれに関わるかも知れない情報を得ることが出来た。“宵闇の公主”という上位蛮族がどうやら僕を探しているらしい」
ルシエル 「よいやみのこうしゅ?」
ロスト 「その意図までは分からないが、僕は会って、話してみるつもりだ。ただ、その居場所はウルスラに聞かねばならない。これはおそらく情報料が必要だろう。資金は皆で管理していて個人の所持はない。つまり……情報料を払わせてもらってもいいだろうか?」
ルシエル 「お金の事はいいんだけど、あたいは蛮族と会うのが心配なのよ」
アルテ 「じょーい蛮族……だいじょうぶかな?」
アキラ 「構わないよ。危なかったら俺たちで守ればいい。上位蛮族と会うのが不安なわけじゃないけど、ロストには大事なことなんだろ?」
リンダ 「情報料はかまわないけど。あんたさ、蛮族と会って、大丈夫なの? ナイーブな人だと思ってたんだけど」
ロスト 「それは買いかぶりだ。僕自身は……決して綺麗な人間ではない」
ラウディ 「……」ずーっと黙ってますが「別にかまわねぇよ」とだけ。
ロスト 「すまない。もちろんその分の働きはするつもりだ」
ルシエル 「ただし、一人で行くとか言わないでね? ロスト兄ちゃん」 珍しく名前で呼んだ。

 最近、とみにエルフ仮面様が定着しています。

ロスト 「それで…、……やはり言うと思っていたが、ついてきてくれるつもり、……か」
アキラ 「もちろん。ついていくに決まってるだろ」
ルシエル 「当然なのよ」 にこにこ。
ラウディ 「一人で生き残れる街じゃねぇっての」
リンダ 「一人でなんて、行かせないわよ、勿体無い。あたし達は、みんなでチームなの。一人欠けたら、全員だって生き残るのが難しくなるでしょう?」
ロスト 「……ああ、そうだな」
アルテ 「一人で行こうなんて考えたら、泣きながら叩いちゃうからね?」
ロスト 「ありがとう。その好意は素直に受けたいと思う。……もちろん強制するわけではないから、危ないと思ったら残ってくれ」
ラウディ 「お前が一人で行く方が危ないっての。もっとも、上位蛮族と会ったとして、向こうが敵意を剥き出しにしてきた時まで話し合いをするほど大人しくはできないけどな」 ふん、と。
ルシエル 「危ないと思ったら皆で引きずって帰るから大丈夫(にこにこ)」
リンダ 「うちの蛮人もだまってないわね」
ラウディ 「……誰が蛮人だ?」
リンダ 「おほほ」
ロスト 「……ありがとう。しかしラウディ……自覚はあるんだな」
ラウディ 「うるせぇな。とにかく、話はまとまったろう」
ロスト 「いや、もう一つ。二つ目の頼みだ」
ルシエル 「ほむ?」
ロスト 「来てくれるのは、嬉しい。だが、もしも相手に直接の害意がなかった場合……少しの間でいい、僕だけで話をさせて欲しいんだ」
ルシエル 「……一人になった所をブスっとか無いといいけど……(心配げ)」
リンダ 「みんなで後で見てりゃいいでしょ。貴方が喋る分には勝手じゃない?」
ロスト 「いや。……すまない、……つまり」
ルシエル 「……つまり?」
ロスト 「……知られたくは、無いことがある。……皆にはどうしても」
リンダ 「それが聞かれるのがいやだっていうわけ? じゃあ、私達は耳栓でもしていればいいわよ」
ラウディ 「(肩をすくめ)聞かれたくないなら好きにしろ。気にする奴はいねぇと思うけどな」
ルシエル 「……だね、あたいも耳栓してるよ」
ロスト 「…………すまない。本当に」
アルテ 「んーん、いつもワガママ言ってるの私達だし。たまにはロストお兄ちゃんのワガママも聞いたっていいよね?」
アキラ 「もう謝るのなしだよ、誰にだって言いたくないことや知られたくないことの1つや2つあるんだから」
ルシエル 「ん。でも、どーっしても、二人だけにするのは怖いの。蛮族は信用できないもの」
リンダ 「ええ。二人きりだけは絶対に無いわね」
ロスト 「(蛮族は、…信用できない、か……)」
ラウディ 「何が聞かれたくないか知らねぇが。こないだの酒宴の時のとかな?」

 なかなかに鋭い切り込みですが、素通しするロスト。実は動転しているのか。

ロスト 「……そう、…だな。……ありがとう」 微笑んで見せます。
リンダ 「らしくないけど、ちょっとは心を開いてくれたってこと? 信用してくれたなら嬉しいわ」
ロスト 「……信用は、している。……感謝も」
ルシエル 「信用してない人とは一緒に居ないもんー、あたい♪」
アキラ 「ロストはもうちょっと言ってもいいじゃないか? 結構皆好きにやってるんだからさ。言いたい事、言わないと損だぜ」
ラウディ 「頭いいからって一々確かめながら動かなくていいんだよ。多分な。ほら、話が終わりなら……メシ食うか」
アキラ 「そうだねー。食事にしよっか」
GM ではこの辺で夕食のお呼びがかかる。今日はキプロクス・グレートの香草焼きです。
ラウディ・ルシエル わはーい。
アキラ 本当にご飯の材料になった……(笑)。
アルテ おなかいっぱいたべるー。
ロスト 喜び勇んで降りる一行を眺めながら、もう一度小さく微笑む。「本当に。……僕にはすぎた『仲間』だと思うよ」 小さく呟いて、降りていきます。
GM “宵闇の公主”について、ウルスラはそこそこに知っています。詳細なデータまではないですが、種族と居場所、大雑把な周辺情報で400ガメル。今夜のうちの聞いておきますか?
ロスト 今夜のうちに聞く。明日は朝から移動したいし。すぐ行くよ即行くよ(笑)。400ガメル払わせてもらいまーす。
GM ウルスラ「“宵闇の公主”サンドリーヌ・カペーね。ラミアよ。自分の邸宅に引きこもってる穏健派の上位蛮族。大変な人嫌いって聞いてるから正面からいって素直に会ってくれるかは分からないけどね。本人は争いごとを好まないようだけど、危ない配下がいないとは言い切れないってところかしら」 T-P348、ラミアについても説明してくれます。“宵闇の公主”は「名前持ち」ですので、ルールブックそのままのデータではないですが、6レベル。所在は【明かりの灯る館】。ブロック決定するんでロスト……2? ではB−6にオープンです。
ラウディ おお、あの城の隣だ。
ロスト 「……そこなら明日中には着ける、な」
アキラ 「じゃあ今日は早めに休んで明日に備えないとな」
ラウディ 「寝るぜ」
GM じゃ、経験点をあげますね。いっぱいあるよ。
ラウディ ワクワク。

●ミッション経験点:★★★★★ ★★★★★ ★★★=2600点
●倒した魔物(経験点)
 [3LV]チェストトラップビースト×4(120)
 [4LV]ガーウィ×3(120)
 [4LV]ヒポグリフ×1(40)
 [4LV]ヘルハウンド×1(40)
 [4LV]ヒュージフレイムイーター×1(40)
 [4LV]吸血コウモリの群れ×5(200)
 [4LV]キプロクス×1(40)
 [5LV]デックチェストトラップ×2(100)
 [5LV]ペガサス×1(50)
 [5LV]アンドロスコーピオン×1(50)
 [6LV]“廃墟に響くドラム”バルドゥン(60)
●モンスター経験点: 860点
●総獲得経験点  :3460点
●獲得した剣の欠片:15個(鮮血城のガーウィ4、アンドロスコーピオン5、“廃墟に響くドラム”バルドゥン6)
●入手したアイテム:<サカロスの薬酒>:主動作、接触で他者にも有効。毒、病気、精神効果属性の効果をすべて、達成値に関係なく解除する。

GM これにて第5話は終了です。4割は【鮮血城】攻略だったけどね。次回から後編といったところ。お疲れ様でした。
一同 おつかれさまでしたー!

GM おっとそうそう。なんだか外部から送り込まれた密偵だという設定があるらしいリンダさん。
リンダ はい?
GM ここにカシュカーンの守備隊長、バルクマン氏が密偵役を引き受ける冒険者に託す<バルクマンの密書>というアイテムがあるのですが。このアイテムと設定を持っていきますか?
リンダ くれ。
一同 (笑)。
ラウディ この人は設定を振られるとホイホイ持っていっちまうんだぜ……。
GM ではバルクマン氏の指令をお伝えしましょう。機会あらば、きみの目で霧の街に存在する抵抗組織を可能な限り多く見極め、霧の街奪還に際して最も有望な協力者になるだろう組織の長に密書を渡してください。これはクエストの扱いです。与えられた字義通りに指令を達成できたら★をあげましょう。比較できるくらいには各組織の事情を調べろということですね。
リンダ 了解っ!
GM 本来リンダには別に脱出手段が用意されていましたが、それは事故によって失われています。こうなっては自らの才覚で街を脱する他ない。バルクマン氏も「余裕があれば、あるいは危急の際には現地で協力者を募り、共に霧の街からの脱出手段を模索せよ」と指示されています。
ルシエル それであたいが引っ掛けられたのね。
リンダ うんうん。ようし、調べるぞう。ウルスラさんの“スエラの炎”も、まだ海のものとも山のものとも分からないし。
GM 頑張ってください。次回は6月の真ん中ですね。それじゃあらためて、おつかれさまー。
ルシエル また次回なのよ!