ラスベートの住人たち
ここに登場するのは、ラスベートの住人たちの中でも、PCたちの冒険に何らかの関わりを持つ可能性のあるNPCたちです。リオスの議員から場末の犯罪者まで、様々な人種が掲載されています。覚える必要はまったくありませんが、セッションの際にはこのページをタブブラウザで開くか、プリントアウトするなどしていつでも参照できるようにしておいてください。余裕があれば、一度でも目を通しておくと参照した際に相関関係が頭に入りやすいでしょう。
以下は、各NPCの名前の前についているマークの解説です。
(有):知名度があり、すべてのPCがその名前か顔、あるいはその両方を知っているNPCであることを示します。彼らについての解説は、プレイヤーだけでなくキャラクターにとっても既知の事柄であると考えてかまいません。
(知):街中でよく出会ったり、何らかの関わりを持ったことがあるなど、PCと知り合いであっても不自然でないNPCであることを示します。彼らが登場するとき、いずれかのPCは彼らと知り合いであると設定してかまいません。当たり障りのないエピソードであれば、どんな知り合い方をしたかなども自由に決めてください。話しかけるきっかけなどに。
(秘):表に出ない秘密を抱えていたり、裏の顔を持っているNPCであることを示します。秘密結社のメンバーや犯罪組織の幹部、表沙汰にできない事情を持つなど。彼らについての解説の中には、プレイヤーは知っていてもキャラクターが知っていてはいけない情報が含まれていることに留意してください。
議員及び議員関係者
[001](有)サフィ・リマニ(人間、男、55歳)
「誤解は先に解いたほうがいいよね、ハニー」
現在のリオス首相です。もとは、そのダンディさで知られた有名な実業家であり、それが政治家転身後の得票にも繋がりました。気さくな人物であり、誰とでも接触的に会話を持とうとします。腹の底はともかく、表面的には常に自信に溢れています。そして、押しの強さで自分のペースに巻き込み、有利に交渉をまとめてしまう手腕で知られています。
[002](有)クラウディア・レアド(人間、女、28歳)
「一人の女が一人の男を愛したということです。ですが、一人の集まりが国であるとも存じます」
旧姓オウエン。アイヤール帝国の前皇帝の妹であり、かつては帝国の皇位継承権を持っていた女性です。現在のリオス副首相[004]ケヴィン・レアドに強く望まれ、嫁入りしてきました。表向きは大恋愛の末ということになっており、それも間違いではないのですが、政治的な思惑があったことは否めません。
[003](有)パンドラ・エルヴァ(人間、女、35歳)
「まず当選しないことには何もできないのよね……」
“5万人に愛される”と自称する議員です。男好きのする美人で、それを武器に票を集めて当選し続けています。政権会派に属さず、国務大臣のポストを得たことはありません。政治的な定見を述べたことはなく、議会でもそのときどきの、ラスベート市民の感情に迎合して、質疑や投票を行っています。元、あるいは現役の高級娼婦であるとの噂が存在します。
[004](有)ケヴィン・レアド(人間、男、30歳)
[002]クラウディアを妻に迎えた、現在のリオス副首相です。結婚前より、親アイヤール政策を声高に主張しており、アイヤールへの外交訪問を繰り返している中でクラウディアを見初めたと主張しています。
紛れもなく親アイヤール派の旗印であり、過激な反アイヤール派からは、売国奴とすら呼ばれています。
[005](有)ボリストンファ(リルドラケン、男、61歳)
格式にうるさいベテランの名物議員です。現在の外務相で、平和時のお飾りとしては適任だと、もっぱらの評価です。
[006](有)オーヴィル・ナプラ(エルフ、男、89歳)
“裏法務相”。法理に長けており、法務相を後退で務め続けている2人の片割れです。現在はその地位にありません。
[007](秘)レアン・シーゲル(人間、男、47歳)
反アイヤール派として積極的に活動している議員です。実は、かつて皇帝暗殺すら画策した極端な反アイヤールを行動原理とする秘密結社《ラスベート13騎士団》の一人です。
[008] ゲイヴィン・エゴール(人間、男、42歳)
リオスの大水道を建設したエゴール家の血筋にあたる男です。利益誘導や口利きばかりに熱心な、典型的俗物議員です。
[009](知)ダマッダー・ノクドラン(ドワーフ、男、57歳)
前回選挙で、3期務めた議席を失いました。最近、ようやく放心状態から立ち直り、熱心に演説会を開いています。
[010](知)オレイシャ・シアルトリ(人間、女、16歳)
政治家を夢見て[003]パンドラのもとに押しかけ、末席秘書の座を強引にもぎとった娘です。甘いものに目がありません。
役人及び国軍・海軍関係者
[011] (有)シャント・カロットフェスト(タビット、男、34歳)
「一度読んだら忘れませんよ。忘れるほうが難しい」
貿易相の重鎮です。職場では常に書類の山に埋もれ、それに目を通し続けています。彼が見ているのは各地から届けられる売買報告書です。彼はひたすら読むことで、国内外の物流を完全に把握し、リオスを経由した資源商品の行方を記憶しています。
他国の状況を間接的に知る手掛かりを与える彼は、歴代の貿易相がもっとも頼る存在です。
[012](知)コルニカ・サンガイル(ドワーフ、女、30歳)
「脱税は国から泥棒してんのよ。わかってますか?」
脱税の捜査と摘発に執念を燃やす財務官で、摘発数は財務省随一です。街に出ての聞き込みや張り込みを得意とし、変装まで駆使して積極的な捜査を行います。
わかりやすい巨額脱税は他の財務官に任せる一方、小額のものには見向きもしないため、中規模の摘発が目立ちます。過去に摘発したいくつかの商店からは、かなり恨みを買っています。
[013] アデリーナ・ヒルティ(人間、女、24歳)
「帆を巧みに操れば、逆風も順風ってね!」
“紅い二刀流”。リオスの近辺の浮島に拠点を構える《紅旗双島海賊団》の女首領です。豪快な正確で、赤い髪に長身の派手な印象の美人です。
私掠免許状を持ち、他の海賊や外国船をターゲットに活動しています。人殺しはできるだけ避けることをポリシーとしています。なお、[021]リフェール・パークと恋仲です。
[ファイター7、レンジャー5]
[014](知)ネストゥア・ルルオード(エルフ、男、31歳)
リオス海軍の軍人です。真っ先に敵船に乗り込む勇気の裏づけは、「俺、海に落ちても溺れないから」。
[ファイター7]
[015](知)ジェリ・エードヴィック(人間、男、33歳)
財務省所属の役人です。戸籍担当窓口ですが、庶民に対して傲慢な態度を取ることが多く、評判は最低です。
[016](有)デルバート・プオル(人間、男、52歳)
リオス国軍の長官です。武力行使を嫌うハト派で、災害出動が一番の手柄だと考えています。
[ファイター5]
[017] アムル・モンド(人間、男、45歳)
リオス国軍の軍人です。盗賊ギルド《夜を統べる者たち》と癒着、袖の下で不正を見逃すことしばしばです。
[ファイター4]
[018](知)ミリアン・ホパール(人間、女、26歳)
“うっかりさん”。国軍の下っ端です。犯人に言いくるめられて取り逃がしたことが1回や2回ではありません。
[ファイター3]
[019](知)ローベン・ペルト(人間、男、19歳)
国軍の新米です。軍内部に[017]アムルのような腐敗の兆候があることに心を痛める真面目な若者です。
[ファイター2]
[020](知)ジョーイ・リックベイン(人間、男、51歳)
海軍軍人で、軍船1隻を預かる船長です。軍人意識に欠ける国軍に対し、常にイライラしています。
[ファイター7]
[021] リフェール・バーク(人間、男、23歳)
華奢な見た目の、潜入捜査専門の海軍軍人です。[013]アデリーナとは、相思相愛です。
[スカウト7、フェンサー5、セージ5]
商会(大商人)関連
[022] ベルハルト・デーニッツ(人間、男、15歳)
「僕は若輩者だ。でもそれは失敗の言い訳にはならない」
デーニッツ商会の若き商会長です。議員を輩出してきた名家の血筋で、高名な冒険者であった父が興した商会を継ぎ、順調に守り立てています。若いこともあって軽視されがちですが、アイヤールでの固定客を持ち、海運にも進出、徐々に注目され始めています。実兄は冒険者として名を馳せています。
[セージ7、フェアリーテイマー6]
[023] アイシャ(ルーンフォーク、女、稼動年数8年)
「我が主の信頼は、わたしのもっとも大切な財産です」
[022]ベルハルトに仕える有能な従者兼護衛です。主人が仕事の際は秘書として、オフにはメイドとして休みなく付き従っています。常に張り詰めた空気を醸し出しており、主人とその周囲以外に向ける視線は刺々しく少々攻撃的ですが、主人の敵ではないと判断すれば優しい気遣いを垣間見せます。
[シューター9、マギテック9、スカウト7]
[024](有)セフィーラ(ルーンフォーク、女、稼動年数19年)
「凄くお似合いですね。お客様のお姿が引き立ちます」
“妖しき”。リオスの有名ブランド・エルバンシィ本店の支配人です。常に男装しており、妖しい雰囲気を醸し出しています。ブランドを目当てにする客だけでなく、彼女自身への追っかけ女性が店の外に張り付くことも多いようです。口が巧く、女性男性問わず心をつかんで散在させてしまうと評判ですが、客を買い物で後悔させたことは一度もないと言われています。
[025](有)バイロン・ベラミー(人間、男、48歳)
“不動産王”。主にアルトゥール島の歓楽街を中心として、多数の不動産を所有し、莫大な家賃収入を得ています。港では、顔の通じない店はないとまで言われます。宝石の収集を趣味とする贅沢家で、盗賊ギルド《夜を統べるものたち》とのつながりは公然の秘密。放蕩の次男[026]ブレットが悩みの種です。
[026](有)ブレット・ベラミー(人間、男、21歳)
“放蕩の次男坊”。不動産王[025]バイロンの次男です。美男という評判は高いのですが、それ以外はまったく取り柄はありません。多額の寄付金で無理矢理入学した『聖銅天使学院』では、あまりの素行と成績の悪さに退学処分を受けています。商才もなく、現在はニート。親に金を無心しては飲み歩く生活を送っています。
[027](有)バルナバス・クロッケイド(人間、男、73歳)
リオス河運ギルドのギルド長です。現在ある河運ギルドのシステムを作り上げた人物で、大いに蓄財しています。
[028](知)ステファノ・ランコントル(人間、男、36歳)
新奇性と投機性の高い商売を好む貿易商人です。冒険者にも積極投資し、サーカスのパトロンも務めています。
[029] ジョルジーヌ・バークリング(人間、女、50歳)
リオスの有力商家や議員夫人が集う婦人会《さえずりの会》の会長。お見合いのセッティングが大好きで、各商家の子女に関する情報は豊富です。
[030] クロンハート(ルーンフォーク、男、稼動年数32年)
とある中堅商家に長く仕えてきた番頭ですが、いっこうにのれん分けを許されず、今や乗っ取り工作をはじめました。
神官・魔動機師・魔術師
[031](有)プレノクト・ザマン(人間、男、60歳)
「能書きは不要! 見た感じ、貴様が悪い!」
“歩くありがた迷惑”。2m100kg級のマッチョです。私塾を開く魔術師にして格闘家で、老い知らず。強きを挫き、弱きを助くが信条で、それに「短慮」がくっつきます。喧嘩があれば、事情も確かめずに劣勢に加勢し、優勢をぼこって満足する、ちょっと迷惑な人間です。
[グラップラー9、ソーサラー8、コンジャラー7、セージ7]
[032](有)トリーナ・カトレード(ドワーフ、女、54歳)
「私も飲むから飲みなさい。私も注ぐから注ぎなさい」
“底なしカップ”。サカロス神殿の実力者で、酒宴をこよなく愛するウワバミです。底の丸いカップ(つまり、テーブルに置いておけない)を愛用しています。非常に気さくであり、避けの席でもその人格は変わりません。問題は、かわいい顔で水のごとく酒を飲み続けることで、うっかりつきあって潰れてしまう者が続出しています。
[プリースト8]
[033](有)デスト・フィエベネス(ドワーフ、男、38歳)
“キャノンドワーフ”。鉄砲大好きな魔動機師です。夢は魔動機文明時代にあったという巨大砲の再現で、実際に市場に出回っている<ガン>より、大きく強力な砲弾をより遠くへ飛ばす<キャノン>と呼ばれる武器を発掘資料から復元しています。
[マギテック6、アルケミスト5、シューター3]
[034](有)ディオンヌ・ナグナクル(リルドラケン、女、44歳)
“良心”。ザイア神殿の神官戦士で、ザイア警備隊の一分隊を率いています。正義をこよなく愛し、弱者を守ることに喜びを見出しています。[031]プレノクトとは、ある事件で意気投合して以来の盟友ですが、今はちょくちょく彼の暴走を戒める役割を演じています。
[ファイター7、プリースト5]
[035](知)ノルク・ファスカイト(ナイトメア、男、41歳)
“一人遊び”。学者肌で引きこもり気味の神官です。ひたすら数学理論の構築にいそしんでいます。余りに高度すぎて今のところ理解者はゼロですが、本人はまったく気にしていません。『聖銅天使学院』専門部の非常勤講師であることは、意図的に忘れられています。奇術の達人という変わった側面も。
[セージ9、プリースト6]
[036](知)クルック・ユック・ケルン(グラスランナー、女、49歳)
“けさらんぱさらん”。珍しいグラスランナーの神官で、世界を放浪しています。出身地は不明で、自ら名乗る奇天烈な異名は、その地の風変わりな生物であるとのこと。ラスベートには最近来たばかりで、物珍しさを楽しんで街と郊外をやたらと歩き回っています。
[レンジャー4、プリースト3、フェンサー2、ライダー2]
[037](有)ドワイト・ケンクマン(人間、男、64歳)
“無口なる”。ライフォス神殿の筆頭。熟考を重ねてからでないと、口する開きません。
[プリースト11]
[038](知)セレナ・エルヴァ(人間、女、31歳)
もの静かなシーンの神官。[003]パンドラの実妹です。姉への反発か、とにかく地味に生きています。
[プリースト3]
[039](知)ブロス・バーガス(ドワーフ、男、25歳)
グレンダールの神官戦士。猛稽古に明け暮れていますが、意外と実戦の場では慎重派。
[ファイター4、プリースト2]
[040](知)リッチー・オークトリー(人間、男、16歳)
[031]プレノクトにこき使われる見習い塾生で、騒動に巻き込まれっぱなしです。
[ソーサラー1、グラップラー1]
『聖銅天使学院』及び『紫露草女学院』関係者
[041](秘)ナジェンダ・シール(ラミア、女、17歳)
「久しぶり……太陽の光が心地いいのは」
『聖銅天使学院』共学部の学生ですが、欠席が続いています。彼女は父親と道ならぬ恋に落ちたラミアの子であり、その母の忘れ形見です。<守りの剣>の影響で体調の芳しくない日々が続いていますが、1〜2週間だけ嘘のように好転することがたまにあり、通学してきます。
[ソーサラー1、セージ1]
[042](知)メルセラ・クレサンス(人間、女、18歳)
「この私にできないことがあると? ありえません」
“完璧なる乙女(自称)”。『紫露草女学院』を経営するクレサンス家の娘で、学院では生徒会長を務めます。自信過剰で直情型、騒動があれば首を突っ込み、挑発されれば受けずにはいられません。良くも悪くも学院の中心人物です。プライドの高さは勉強家や努力家の側面も彼女に与えています。
[グラップラー1、セージ1、バード1、ライダー1]
[043](有)キャロル・セトボーン(人間、女、26歳)
『聖銅天使学院』の教員で、学生に振り回されっぱなしの苦労人です。学生のこととなると後先考えずに突っ走るタイプで、勘違いから遺跡にまで潜ったことがあります。そのときに見つけたのが[044]ビルジニーです。美人なのですが、お洒落どころではないのか、引っ詰め髪で動き回っています。
[セージ3]
[044](知)ビルジニー(ルーンフォーク、女、稼動年数1年)
[043]キャロルに偶然発見されたルーンフォークです。『聖銅天使学院』の事務職に就かされましたが、不熱心で、14歳相当の若い外見を生かし、学生のふりをして校内をうろついています。歌が好きで、聖歌隊の練習に紛れ込んではつまみ出されていますが、伸びのあるきれいな声はすでに学内ではかなり有名です。
[045](知)コラス・タマス・ディー(グラスランナー、男、21歳)
“ネジの飛んだグラスランナー”。何が理由か、学究にのめり込んでしまったグラスランナーです。『聖銅天使学院』の上級学部に進み、日に18時間とまで噂される猛勉強を続けています。学院はそれを他の学生の手本と見せるため、奨学生として厚遇しています。一般常識に極めて疎いのが難点でしょう。
[セージ7]
[046](知)ベルナール・タンブリエ(人間、男、16歳)
[041]ナジェンダの幼馴染で、彼女の正体も知っています。自然と関係を深め、彼女に血を与えるまでの仲になったのですが、逆にそのとき以降、避けられるようになってしまいました。愛しい人を食料のように扱うことにナジェンダ自身が耐えられないことが理由ですが、若い彼からすれば納得できるものではありません。
[047](知)アエラ・メイン(エルフ、女、15歳)
『聖銅天使学院』女子部に所属するエルフの少女。双子で、見分けのつかなさを利用した悪ふざけをよくしています。
[048](知)エル・メイン(エルフ、女、15歳)
[047]アエラの双子の妹です。姉に逆らえない気弱な性格で、心ならずも悪ふざけに加担し続けています。
[049](知)フィリシア・プローグ(人間、女、32歳)
『紫露草女学院』の厳格な女教師。校内を巡視しては、歩き方から言葉遣いまで、注意と指導を重ねています。
[050](知)ベアトリス・ファレット(人間、女、16歳)
[042]メルセラの取り巻きの一人で、彼女に心酔しています。気を引こうとして、騒動の被害者を自作自演する悪癖があります。
『銀真珠通り高等学校』・子供・教育者
[051](知)ジャン・ファルシネリ(人間、男、19歳)
「ティダン様の光は、等しく皆に与えられるのです。胸を張って顔を上げていないと浴び損ないますよ」
若きティダン神官で、孤児院《ひまわり園》の園長です。実父がこの孤児院の後援者であった縁で、実家の破産と父の自死後に、先代園長の養子となりました。孤児たちの1期生相当の年齢でもあり、孤児たちを弟妹のように思っています。
[プリースト4、セージ2]
[052](知)パーレイ・アラナウト(エルフ、男、62歳)
「ここで、一人あたり20ガメルを節約するには……」
『銀真珠通り高等学校』の教頭です。出稽古の形でグレンダール神殿に無料の教員役をさせたり、生徒の工芸作品を生徒自身にバザーで売らせたりと、経営の苦しいこの高校で、授業料を安く抑える工夫に腐心しています。絶えぬ気苦労も学生の笑顔で癒されると公言し、卒業式では毎年大泣きすることでも知られています。なお、エルフには珍しい禿頭です。
[053](知)リタ・フェデル(タビット、女、8歳)
「え? 天才とかじゃないですよ。ふつうです」
『銀真珠通り高等学校』商学部の学生です。早く成長してしまうタビットは、一般に彼らだけの間で若年教育を行います。そんな中、彼女は人間たちの学生生活にあこがれ、親に無理を言い、ツテを頼ってこの高校に編入してきました。商学部では半ばマスコット扱いされていますが、学業のレベルでは同級生のひとつ上を行っています。
[セージ2]
[054](知)セス・ボートスミス(人間、男、17歳)
『銀真珠通り高等学校』の武芸学部学生。熱血漢で、筋の通らないことが許せない若者です。最近、『聖銅天使学院』の近辺にでかけたときに聞こえてきた透き通るような歌声に魅せられてしまいました。もう一度聞きたいと、理由をつけては足を運んでいます。[057]ベニータの幼馴染。
[ファイター2]
[055](知)トイル・ウェット(ナイトメア、男、14歳)
“牛乳直販”。ラスベート郊外に住む牧童で、牝牛を引き連れて、高級住宅地の裏通りに現れます。上質な牧草地を秘かに見つけており、彼の配る牛乳は高い評判を得ています。ナイトメアながら実直な性格を使用人たちからも好かれていて、意外と富裕層の噂に通じています。お金を貯め、大きな牧場と牛乳直販の店を持つことを夢見ています。
[056](知)アルミ・チャントハム(人間、女、22歳)
“代筆屋”。代筆や代読、地方語の翻訳を安く引き受けている未亡人です。小さな子供たちに読み書きも教えています。
[057](知)ベニータ・ヤンネック(人間、女、17歳)
『銀真珠通り高等学校』の工芸学部学生。[071]フィリニの大ファンで、彼女の作品を買うためにせっせと貯金中です。
[058](知)アニニス・ポルクレ(タビット、男、6歳)
好奇心旺盛なタビットの少年。常に外を出歩いています。趣味は隠れ家作りと抜け道探索で、将来の夢は冒険者。
[スカウト1]
[059](知)レメメル・ポルクレ(タビット、女、6歳)
兄[058]アニニスに劣らず好奇心旺盛なタビットの少女。趣味は薬草集めで、将来の夢は薬屋さん。
[レンジャー1]
小商人や芸人など
[060](有)レリーシャ・エルセネルエ(エルフ、女、18歳)
「七色の光に導かれ、竜の子が通って参ります」
“プリンセス・レリーシャ(芸名)”。[028]ランコントルの出資するサーカス団の一員です。妖精魔法の使い手でもあり、妖精を使った光の演出を交えつつ、幻獣や大型動物を使ったショーを行います。演目の派手さに加え、すらりとした体つきと愛らしい表情で高い人気を誇り、若くしてサーカスの花形を務めています。
[フェアリーテイマー4、ライダー2]
[061](有)フロリス・アンデルス(人間、女、19歳)
「いらっしゃいませ。え? ポーズとかは……」
“かわいすぎると評判の”。ライトニング通りにある花屋の看板娘です。ここ最近になって、急にかわいいという評判が立ち、噂が噂を呼ぶ形で、人目見ようと多数の客が訪れています。[003]パンドラに多数の野次馬の前でライバル宣言されるなど(明らかにパンドラのパフォーマンスなのですが)、大きくなるばかりの騒ぎに困惑しています。
[062](知)マリッタ・ロヴィーサ(人間、女、22歳)
アルトゥール島の歓楽街で人気の歌姫姉妹の姉です。姉妹は非常によく似た顔立ちで、双子と誤解している者も少なくありません。演奏とコーラス担当の姉マリッタは、しっかり者で身持ちが硬く、妹[063]ミンミの危うさは心配の種になっています。読書が趣味で、オフのときには図書館や書店を巡っています。
[063](知)ミンミ・ロヴィーサ(人間、女、18歳)
歌姫姉妹の妹です。彼女たちは何軒かの店と契約して、曜日を決めてリサイタルを行っています。名を上げてからは、テトリィル大劇場でもステージを張りました。メインボーカルであるこの妹は、姉[062]マリッタと異なり、派手めな夜の生活を送っています。「男も酒も、年が上で甘いのが好み」だそうです。
[064](有)アリッサ・マイウォールド(エルフ、女、63歳)
“書き殴り”。自分が見聞きした出来事を新聞にしています。作品は、安値で配ったり、ライトニング通りの大掲示板に貼り出します。普段は何気ない噂を拾い集めて人々を和ませていますが、汚職や裏取引などは、容赦なく暴き立てて晒そうとします。物騒な二つ名ですが、本来は優しく穏やかな女性です。
[065](有)グラッツェ(リルドラケン、男、27歳)
傷物の野菜や果実を安く(ときにはタダで)仕入れ、叩き売りしています。豪快な声と口上は、街角の名物となっています。
[066](知)イアン・デュボル(人間、男、35歳)
シルバーパール街区で、細々と絨毯を扱っています。仕入れる職人の腕に差があるため、品質が安定しないのが悩みの種。
[067](知)メレ・シンピン(人間、男、66歳)
ガラクタを歩き売りしています。商品に価値はなく、実質は物乞いです。かつては豪商として名を馳せたのですが……。
[068](知)ミルナ・ハラント(人間、女、23歳)
ヴェーラ島でオープンカフェを開いています。メニューには載っていない、常連客専用の手作りクッキーが絶品です。
[069](知)エルメリン・クヌート(エルフ、女、29歳)
ガイルスフロー図書館の司書。館内の書物を読みふけって、客に気づかないことが多々ある困り者です。
[070](知)トンミ・モグバード(人間、男、25歳)
街路に明るい郵便(もちろん民営)配達です。お得意先の“代筆屋”[056]アルミに、秘かに恋をしています。
その他
[071](知)フィリニ(人間、女、18歳)
「いえ……お仕事の話以外は……外は歩けませんし」
“可憐の図案家”。大手ブランド・エルバンシィの若き筆頭デザイナーです。生まれつき足が悪く、路上で飢えていた孤児でしたが、ドワーフのエルバンシィ職人に拾われて養女となりました。義父より伝授された技術と、優れた感性を見出され、女性用の宝飾デザイナーとしてエルバンシィに起用されます。内気であまり工房から出ないことから神秘の新鋭デザイナーと噂されています。
[072](知)ディルク・マーリン(人間、男、37歳)
船大工会社マーリン・カンパニーの親方です。彼の造る船は、丈夫で速いとの定評があり、人気を集めています。長年子宝に恵まれませんでしたが、珍しく休暇を取った四年前、旅先で古いジェネレーターを発見。そこから生まれた[073]ケーテを娘として育て始めました。その溺愛ぶりは半端なものではありません。
[073](知)ケーテ・マーリン(ルーンフォーク、女、稼動年数4年)
船大工会社マーリン・カンパニーの親方[072]ディルクに育てられたルーンフォークです。外見年齢は17歳。手先が器用で整備工としての腕は抜群です。現在、ディルクの後を継ぐべく、船の設計を学び始めていますが、育ての親の指導もむなしく、従来の設計に独自の工夫や改良を加えることは、まったくの苦手のようです。
[074](知)イダ・ゲルゼント(リルドラケン、女、81歳)
“市場の底引き網”。魚市場を取り仕切る役員会の一人です。自ら鮮魚商も営んでおり、競りの売れ残りを始末する役目を買って出ており、漁師たちから感謝されています。珍魚を仕入れるのが大好きです。たいていは、無駄に競り落としただけに終わりますが、長く続けている間に、何種か新規の食用魚を見つけ出しています。
[075](知)ドーレ・アウリオン(人間、女、33歳)
“幸運の結び手”。キャンドル・ストリートの近くに会員制サロンを開き、占い師として活動しています。有力な議員や商人を顧客として抱え、十分な収入を得ると同時に、彼らの裏情報を握っています(守秘義務を破ることはありません)。[022]ベルハルト・デーニッツ(とその兄)の、母方の叔母にあたります。
[076](知)デントン・バミエル(ドワーフ、男、16歳)
河運ギルドの作業員です。コローラサイドの跳ね橋近くで、船の運航を見張り、上げ下ろしのタイミングを係に連絡しています。先日の夜、北の堰を無理矢理乗り越えてくるおどろおどろしい船を目撃したと言い張っています。それ以来、悪夢にうなされ通しだとか。不気味な船はそのまま河を下って海へ出たようです。
[077](知)スザンナ・ロークリッド(人間、女、28歳)
“泣き女”。『紫露草女学院』卒業生であることから、[029]ジョルジーヌに気にかけられ、お見合いを繰り返しています。本人も結婚願望は強いのですが、どれもうまくいかず、この歳になってしまいました。最近では、愚痴と泣き言を言いつのりながら、宝物である飼い犬のアリチェを散歩させています。
[078](知)マドロン・ラスキル(人間、女、20歳)
街角に見台を出し、貝殻を使った独自の占いをしています。商売気が薄く、簡単なことなら無料で占うこともあります。
[079](知)シャワナ・ノルロン(人間、女、27歳)
ストリートに立つ娼婦。[017]アムル・モンドのお気に入りですが、彼女からすれば、決して上客とは言えません。
[080](知)ジェフォード・ナクス(人間、男、19歳)
元気印の魚市場の下働きです。競り職人にあこがれており、運搬や清掃に当たりながら、技術や作法を学んでいます。
[081](知)カロル・ワムデル(エルフ、女、85歳)
“エルフ離れ”。河の渡し守で、がっしりした体格をしています。好物は肉、恋人はリルドラケンの[065]グラッツェ。
私兵と犯罪者
[082](知)アルマ・トランロック(エルフ、女、69歳)
「ノロマな攻撃ね。カウンター取る気にもならないわ」
凄腕と誉れ高い格闘家で、傭兵として渡り歩いています。彼女は、傭兵契約期間中でも必ず休日を作り、冒険者としての活動にあてることで知られています。本人の主張によれば、危険に対する勘を錆びさせないためだということです。先頃、リオスの大水道を建設したエゴール家に招かれ、私兵として契約、逗留しています。
[グラップラー10]
[083] フィオナ(人間、女、18歳)
「お金は使い方次第さ。間違える人が悪いの」
孤児院《ひまわり園》の出身者。歓楽街で働き始めた直後、盗賊ギルド《夜を統べる者たち》の計略にかかりますが、幹部[086]ヨークの歓心を買うことに成功、危機を脱します。今は裏カジノ《夢の天球》の支配人に収まり、トラブル対応に優れたしたたかな交渉人の顔を存分に発揮しています。報酬のほとんどを匿名で《ひまわり園》に送っています。
[084](有)ジャルヴィス・ソンダート(人間、男、36歳)
ソンダート家は、テトリィル家に代々仕える私兵の家系、いわゆる私兵騎士団です。ジャルヴィスはその現当主であり、騎士団長を名乗っています。豊かな口髭を蓄え、家長らしく、何があろうと慌てた様子を外に見せません。一方で決断の遅い、度の過ぎた慎重派という評価もあります。
[ファイター7、ライダー5]
[085](有)ペイトン・ソンダート(人間、男、29歳)
ソンダート一族の中では、当代一の使い手とされる騎士です。確かに腕前は一流なのですが、女関係にだらしなく、浮き名を流しまくって“上と下の二刀流”などという下品なあだ名を頂戴する始末です。血筋が傍流であることと、この素行の問題から、次代を継ぐことはないと目されています。
[ファイター9、ライダー6]
[086](秘)ヨーク・バイルガンド(人間、男、43歳)
盗賊ギルド《夜を統べる者たち》の幹部です。[083]フィオナにぞっこんで、囲いたがっていますが、暴力的な手段を取りたくないらしく、《夢の天球》支配人職を任せるなどの懐柔策で挑んでいます。なお、最近の《夢の天球》は、十分な儲けが出ていることから、イカサマで身ぐるみはがす手口を自重しています。
[087](知)ヴァンダルゴンダル(リルドラケン、男、46歳)
本人曰く「アイデアはいくらでも湧いてくる」。商人や小金持ちを見つけては、新商売の夢と可能性を語って、出資を持ちかけます。語り口は絶妙で、相手をその気にさせるのがうまく、金を引き出すことには成功するのですが、いざ始めてみるとあっさり失敗する地雷男です。本人の語りに本人が騙されているフシもあります。
[088](知)メリンダ・テトリィル(ナイトメア、女、24歳)
ナイトメアとして生まれたために、生家を追われた女性です。歓楽街をはじめとするいかがわしい場所で、小麦粉を麻薬と偽り、相場無視の激安価格で売りさばいています。盗賊ギルド《夜を統べる者たち》と犯罪結社《黒き法典》からは完全に敵視され、狙われています。
[スカウト6]
[089](知)ケリン・ソンダート(人間、男、15歳)
[085]ベイトンに心酔する騎士見習い。私生活は真似るなよと釘を刺されています。
[ファイター1、ライダー1]
[090](知)ハニナ・ニガッタ(ドワーフ、女、18歳)
かわいい顔してスリ稼業。獲物の財布を抜いた後、一部だけ盗ってまた返すというこだわりの技。
[スカウト4]
冒険者及び冒険者関係
[091](有)バルガン・コクスクロス(ドワーフ、男、17歳)
「礼は不要。いずれ神になる者には、造作もないこと」
《英雄バルガン・コクスクロスを神にする会》の「御神体」です。強く、優しく、逞しくがモットーの直情家。英雄となり、神への階梯を上る野望を持っています。人助けの依頼があれば、無料にしてでも引き受けようとします。名物男ではありますが、まともな冒険者の店であれば、依頼人への警告は発せられます。
[ファイター1、レンジャー1、セージ1]
[092](有)シルフィー・コクスクロス(ドワーフ、女、15歳)
「皆さんは、神話を目撃している最中なのです」
《英雄バルガン・コクスクロスを神にする会》会長。兄に心酔し、その野望をサポートしています。《神にする会》の立ち上げも、神は信者あってこそとの思いからで、親戚知人に頭を下げまくり、100人に近いメンバーを集めました。兄の冒険に同行し、それをもとに(誇張された)武勇伝を作っては発表しています。筆が立ち、これが結構なファンを集めています。
[093](知)アティエル・パームストン(ナイトメア、女、16歳)
「義父さん、私はすべてを確かめたい」
彼女の記憶は、4歳の時、自分が檻に閉じ込められていたときまでしか遡れません。そこから彼女を助け出したのが義父ナシアスであり、以来10年、親代わりでした。しかしナシアスはドレイクである正体を明かし、彼女の実の両親の死の責任は自分にあったと告げ、彼女のもとを去ります。真実を確かめるため、彼女は義父を捜し続けています。
[ファイター4]
[094](知)ギューム・オートレイユ(人間、男、17歳)
遺跡探索を専門としている冒険者です。彼の目的は、同じく冒険者をしていて、“死都”ルエガ・ペキトで消息を絶った父親の捜索です。もはや5年以上も前のこと、生存は絶望と考えていますが、その父の遺体や遺品を探し出すことが、自己の証明であると彼は心に決めています。
[ファイター3、スカウト2]
[095](知)ガレド・ランカース(ドワーフ、男、53歳)
“黄金を分け与える”。冒険者の店《黄金への誘い亭》の店主。冒険者は金を稼いでなんぼというのが信条です。
[096](知)オリヴァ・ザックリー(人間、男、40歳)
“おおざっぱ”。「ご利用は自己責任で」とまで揶揄される冒険者の店《二本目の蜘蛛の手亭》の店主です。
[097](知)ワロテ・ロロ・トニー(グラスランナー、男、34歳)
“楽しさ満開”。刹那的な楽しさが何より。《神にする会》会員第100号です。
[スカウト5、フェンサー4、バード4]
[098](知)マゴール・ブリームラ(人間、女、20歳)
“愚か者”。「拾い食いして死ぬタイプ」と評されるおっちょこちょいな冒険者。
[ファイター2、ソーサラー1]
[099](知)ペリー・ピエン(タビット、男、12歳)
“記録魔”。冒険に出ては、何でもかんでも記録をつけまくっています。
[コンジャラー2、セージ1]
[100](知)エドラ・ニコ・リィノ(グラスランナー、女、39歳)
見つけるのは早いが、見通しは甘いと言われる探し屋で、うっかり中に入り込んで救助されることしばしばです。
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