『カースドランド』追加ルール・セクション


 U.ミッション V.進行ルール W.自由行動でできること X.戦闘に関するルール Y.膿夢侵蝕度と変異

T.時間の経過に関するルール

 封鎖領の冒険では、1日を「タイムバンド(tb)」と呼ばれるおよそ4時間ごとの単位に区切って様々な処理を行います。1日は「朝」「昼」「夕方」「夜」「深夜」「未明」の6つに分けられ、PCが「時間経過」のタイミング(後述)を迎えるごとに1tbが経過します。
 1日の開始は「朝」であり、〔剣の加護/運命変転〕などの効果は「未明」から「朝」に切り替わるタイミングで使用回数がリセットされます。1tbより短い時間の経過については、一部の例外を除き、累積してもtbが経過することはありません。


(6〜10時)

(10〜14時)
夕方
(14〜18時)

(18〜22時)
深夜
(22〜2時)
未明
 (2〜6時) 


 1.休息、睡眠について
 封鎖領の冒険では1tbを休息、睡眠に費やすことで、HPの10%とMPの50%を回復することができます。この休息には「朝」から「未明」の間に最大で2tbまでを充てることが可能です。
 休息と睡眠は「休息できる」と明示されているブロック(後述)でなければ取ることができません。加えて封鎖領では、夜間にはどんな場所にでも“猟犬”が出現し、襲ってくる可能性があります。宿屋などの施設では2通りの宿泊形態によってこれに対応していますが、小さな村など「休息できるが“猟犬”への備えはない」場所では、休息中に“猟犬”と遭遇することがあり、その場合は休息したことになりません(HP、MPの回復はできず、「休息は1日に2tbまで」の制限にも入りません)。
 宿屋などの施設で行える“猟犬”の襲撃に備えた宿泊形態は以下の2通りです。一泊は最大6tbとなります。

護衛宿泊
 同時に宿泊している人々と当直を決め、「お互いに護衛し合う」形で“猟犬”に備えながら休息します。実際には他の宿泊客と協力して“猟犬”の襲撃を切り抜けていることもありますが、PCたちは“猟犬”との遭遇チェックを行う必要なく休息を取ることができます。
 宿泊料は一人一泊30ガメルです。この宿泊形態では、当直制によって睡眠が不十分となるため、休息によって回復した後の状態から、HPとMPがそれぞれ「最大値の1割(端数切り上げ)」減少します。

安全な宿泊
 宿泊施設が用意する専門の護衛に守られながら休息します。“猟犬”の襲撃は護衛が対応してくれるため、PCたちは“猟犬”との遭遇チェックを行う必要なく休息を取ることができ、睡眠時間に応じたHP、MPの回復を行うことができます。また、妖精魔法の契約変更に宿泊中の時間を充てることもできます。
 宿泊料は一人一泊「冒険者レベルの平均(端数切り上げ)×50」ガメルになります。

 6tb連続で休息を取らなかったキャラクターは、7tb目からHPとMPの最大値が1点減少し、すべての行為判定に−1のペナルティ修正を受けます。この効果は12tb、18tbと睡眠を取らない時間が長くなるごとに累積しますが、1tbの休息を取ればすべて解消します。

 2.食事について
 キャラクターは1日に最低一度の食事を取る必要があります。食事を取れる場所で食べてもかまいませんが、基本的には保存食で管理します。6tb連続で食事を取らなかったキャラクターは、睡眠が足りない場合と同様に、HP、MP最大値の減点と行為判定へのペナルティ修正を受けます。12tb、18tbと経過することで累積する点も同じです。
 睡眠と食事を行わないことによる修正はそれぞれ累積し、睡眠によるものなら睡眠、食事によるものなら食事を取ることで受けていたペナルティを解消できます。食事を取ることでtbが経過することはありません。

 3.夜の封鎖領
 封鎖領の夜は暗く、灯りがなければ〔暗視〕を持たないキャラクターは満足に行動することができません。「夜」「深夜」「未明」の間は、灯りを用意しない限り、視界の悪さによって行動判定に−4のペナルティ修正を受けます。たいまつを使う場合、1tbに2本を消費しなければなりません。ランタンなら油ひとつで3tb保ちます。

 4.効果時間の変更
 封鎖領の冒険においては、魔法などで「3時間」の効果時間を持つ効果は1tbの間、有効となります。「6時間」なら2tb、「12時間」なら3tb、「1日」なら6tbです。「6時間」以上の効果時間を持つ効果は、ブロックを移動しても持続します。
 一部の魔法の行使など、3時間以上の時間を必要とする行動によって経過する時間も、1tbがおよそ4時間であることを考慮して同様に決定されます。同一のキャラクターが時間のかかる行動を連続して行った場合、所要時間を合計した上で同様に経過時間を決定します。例えば、1時間の儀式を5回連続で行えば、2tbが経過します。

 5.判定の再挑戦
 封鎖領の冒険では一部の例外を除き、1tbよりも小さな時間の経過はカウントされないため、判定の再挑戦によって必要な時間が延長されることはルール的な意味を持ちません。ただし、判定に必要な時間が6時間以上に及ぶような判定の再挑戦は一切行うことができません。


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U.ミッション

 ミッションとはPCが達成すべきとりあえずの目標で、通常のセッション1回に相当します。内容は毎回異なり、いくつものミッションをクリアすることで、PCの行動範囲や有する情報の幅は広まり、キャンペーンのクリアに近づいていきます。ミッションを通して得た情報から《封鎖領》に秘められた謎を解き明かし、《封鎖領》に入った目的を達成した上で脱出することができればエンディングを迎えます。
 ミッションに関するルールを以下に示します。

 1.ミッションの受注
 特に例外として示されていない限り、ミッションは一度に1つしか受注できません。ミッションを受注していない状態なら、[M]アイコンがあるブロックでしかるべき依頼人に接触することでミッションを受注することができます。
 ミッションを受注すると、依頼内容に応じて目的地が示されることがあります。目的地がまだ行ったことのないブロックであれば、そのブロックはマップ上に配置されます。

 2.ミッションの達成
 ミッションを攻略する過程で、PCは★を獲得します。★とはミッションの進行度合いを示す目安であるとともに、ミッションを達成し、依頼人への報告を行ったときには獲得した★1つにつき、200点の経験点を得ることができます。このとき能力値の成長も1回行います。
 ただし、獲得した★が2つ以下である場合には、ミッションを達成しても経験点を得ることはできません。獲得した★は次回のミッション達成時に持ち越され、技能レベル、能力値ともに成長は行えません。

 3.ミッションの失敗と放棄
 ゲームの進行によっては依頼が達成不可能な状況に陥り、ミッション失敗となってしまう場合もありえます。このときには依頼人の元にミッション失敗の報告を行わなければなりません。自らの意志で依頼を放棄する場合も同様です。失敗の報告を行わなければミッションは継続中として扱われ、新たなミッションを受注することはできません。
 ミッションを失敗したときには、獲得した★は次回のミッション達成時に持ち越され、技能レベル、能力値ともに成長は行えません。
 なお、一度失敗したミッションでも、後から再受注できる場合もあります。失敗の報告をしたとき、あるいはミッションを受注していない状態で依頼主に再会したときに、再挑戦を申し出ることができます。また、ミッションによっては繰り返し発生するものもあります。


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V.進行ルール

 封鎖領の冒険では『封鎖領ブロックマップ』を使用します。このブロックマップは《封鎖領ハウペリア》を38の「ブロック」に分割し、それぞれのブロックに【城砦都市ヴィルトルード】などの街をはじめとする、さまざまな地形を配置して表現しています。
 封鎖領の冒険は、これらのブロックを移動し、それぞれのブロックでイベントを解決することの繰り返しで進行していきます。以下に、1tbの時間が経過するまでの処理を示します。

 1.移動宣言
 現在PCがいるブロックから、上下左右に隣接する任意のブロックへの移動を宣言します。この時点では移動が完了するわけではないことに注意してください。移動せず、現在のブロックに留まることを選んで次に進んでもかまいません。

 2.ランダムイベントの発生チェック
 移動宣言で他のブロックへの移動を宣言した場合、現在PCがいるブロックに[!]アイコンがあるならば、ランダムイベントが発生します(「何も起こらない」というランダムイベントも存在します)。[!]アイコンがある場合でも、現在のブロックに留まるならばランダムイベントの発生はありません。
 また、封鎖領には「武装馬車」という移動手段があり、これを利用した場合にもランダムイベントは発生しません。

 3.移動
 移動宣言を行ったブロックに移動します。まだ移動したことのないブロックは、内容が通し番号だけで表現されている空白ブロックであり、空白ブロックに移動した場合は、ここでそのブロックの内容をランダムに決定します。

 4.ミッションイベント
 ミッションで指定された目的地であるブロックにいる場合、ミッションイベントが発生します。ミッションの達成(あるいは失敗)報告と、それに伴う経験点の獲得や成長などもこのタイミングで行います。

 5.フィールドイベント
 移動先のブロックに設定されている、足を踏み入れることで自動的に発生するイベントがある場合、ここでイベントが発生します。

 6.自由行動
 PCが自らの意志で行動を行います。食事や休息、買い物や探索などが含まれます。次項「自由行動で行えること」で詳しく解説します。

 7.“猟犬”チェック
 tbが「夜」「深夜」「未明」で、その日のうちにまだ“猟犬”が出現していない場合、“猟犬”チェックを行います。代表者が2dし、出目が5以下ならば、“猟犬”と遭遇し、戦闘になります。
 前述の「護衛宿泊」「安全な宿泊」による睡眠と休息を行っている間は“猟犬”チェックを行いません。また、1日のうちに「護衛宿泊」「安全な宿泊」で1tbでも睡眠・休息したならば、その日はすでに“猟犬”が出現したことになり、以降、同じ日の夜間は“猟犬”チェックを行いません。

 8.時間経過
 以上を終えた時点で1tbが経過し、次のtbの処理に移ります。


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W.自由行動でできること

 自由行動のタイミングでは、ある程度自由に行動できます。セッション時間の多くは、自由行動に費やされることになるでしょう。以下に、自由行動のタイミングで行える行動をいくつか示します。

 1.ミッションの受注
 ミッションを受注していない状態であれば、[M]アイコンのあるブロックで、しかるべき依頼人に接触することで、ミッションを受注することができます。

 2.アイテムや呪歌による回復
 薬草など、時間のかかるアイテムによる回復を行えます。これらの行動は何度繰り返してもtbが経過することはありませんが、【ヒーリング】【ビビッド】の呪歌による回復は、1tbに1時間までに限られます。

 3.「情報収集」
 [情]アイコンのあるブロックでは、ミッションを受注している場合、噂話や情報屋からの提供といった形で、そのミッションに関連した情報を得られる場合があります。情報収集を行う場合、すべてのPCが「2d」し、得られた値で最大のものを次の表にあてはめて情報を得られたかを決定します。

2d情報収集の結果
4以下 情報は得られない。
5〜6 「冒険者レベルの平均(端数切り上げ)×200ガメル」を支払えば情報を得られる。
 「冒険者レベルの平均(端数切り上げ)×100ガメル」を支払えば情報を得られる。
8〜9 「冒険者レベルの平均(端数切り上げ)×50ガメル」を支払えば情報を得られる。
10以上 無償で情報を得られる。

 情報収集は1tbに1回だけ行えます。

 4.食事、休息
 食事や休息を行えます。詳細は「T.時間の経過に関するルール」を参照してください。

 5.商店などの利用
 [商]アイコンのあるブロックでは、以下の施設を利用できます。

商店
 非売品や取引不能の品物を除く、あらゆるアイテムを購入できます。また、あらゆるアイテムを基本取引価格の半額で買い取ってくれます。『アルケミスト・ワークス』掲載の「加工品」を作ってくれる職人も存在します。<剣の欠片>を名誉点に変更することもできます。

ライダーギルド
 非売品を含めてあらゆる騎獣をレンタル、購入できます。すべての騎獣用装備品も取り扱っています。
 《封鎖領》内で騎獣をレンタルする場合、レンタル期間はミッションの達成などに関係なく一律「30日間」となります。同じ騎獣を続けてレンタルしたい場合、期間内に一度返却し、改めてレンタルしなければなりません。レンタル期間を超過した場合、7日ごとにレンタル料金の100%が延滞料金として発生します。
 レンタルした騎獣が死亡してしまった場合、死亡した騎獣の購入価格そのままがライダーギルドへの借金となります。《封鎖領》内のライダーギルドはすべて1つのグループが運営しており、借金の2割以上を返却しない限り、《封鎖領》内ではボーアしかレンタルできなくなります。

武装馬車乗車場
 危険な《封鎖領》内で乗客を護衛しながら運ぶ「武装馬車」を利用できます。<韋駄天ギルド>という組織が運営しており、運賃は<韋駄天コイン>という専用通貨で支払う必要があります。<韋駄天コイン>は、<韋駄天ギルド>から引き受ける仕事の報酬として獲得できます。
 武装馬車を利用する場合、行き先は[商]アイコンがあるブロックの中から任意に選択できます。ただし、まだ配置されていないブロックを行き先に選ぶことはできません。行き先のブロックに到着する前に「移動」タイミングで途中下車してもかまいませんが、料金は同じです。
 武装馬車は行き先のブロックへ向かって最短距離となる進路を取り、1tbに2ブロックを移動します。ただし、空白のブロックと[難]アイコンのあるブロックは迂回します。武装馬車に乗っている間、ランダムイベントは発生しません。
 運賃は行き先に選んだブロックまでの最短距離が何マスかによって決まり、1マスなら1人あたり<韋駄天コイン>1枚、2〜3マスなら3枚、4〜5マスなら5枚、6〜7マスなら7枚、8マス以上なら10枚です。

預かり屋
 PCの所持金を預かってくれる施設です。ガメル銀貨、<韋駄天コイン>、<ザウルのメダル>(いずれ登場する通貨の1つです)を預かってくれます。手数料は預けた額に関係なく200ガメルです。預けた時に<預かり屋の証文>が発行され、どこの預かり屋からでも預けた額をそのまま引き出せます。
 また、PCが借金を抱えており、返済する期限があるなら、あらかじめ返済先のあるブロックの預かり屋に資金を預けておくことで、返済を代行してくれます。手数料は預けたときの200ガメルに含まれますが、返済期限前でも預けた資金は引き出せなくなります。

 6.フィールドの探索
 ブロック内に存在する施設や周辺を探索できます。探索した結果、イベントが発生したり、探索判定に成功することでアイテムを入手できたりすることがあります。
 フィールドの探索は1tbに1回だけ行えます。[探]アイコンのあるブロックでのアイテムや戦利品を発見する探索は、1日に1回だけ行えます。

 7.「難所」の探索
 ブロックの中には、普通の移動手段だけでは通行できない「難所」に設定されている場所が存在します([難]アイコンで示されます)。こうしたブロックでは、独立したルールに従って探索を行います。詳細は「難所踏破ルール」を参照してください。
 難所の探索は1tbに1回だけ行えます。


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X.戦闘に関するルール

 封鎖領での冒険では、通常のルールとは異なる処理を行うものがいくつか存在します。以下に示します。

 NPCの扱い
 封鎖領での冒険の中で発生する戦闘では、NPCがPCと同じ形式のデータを持って戦闘に参加することはほぼありません。NPCが戦闘に参加している場合、基本的に「足手まとい」か「支援ダメージ」のいずれかとして表現されます。

足手まとい
 戦闘力を持たない依頼人が同行している、あるいは救出した一般人を保護した状態で移動しているなど、庇護すべきNPCを伴っている状態で戦闘が発生した場合、NPCは簡略化されたデータを持つ「足手まとい」として戦場に存在します。
 足手まといは防護点2で、HPの最大値は「PCの冒険者レベルの平均(端数切り上げ)×5」点(ただし最大で30点)となります。冒険者技能を持たず、すべての判定を平目で行います。移動速度は10で、「全力移動」は行いません。
 また、封鎖領でPCの前に立ちふさがる魔物は、戦術的・戦略的な理由がない限り、足手まといにダメージを与えられる行動を優先します。

支援ダメージ
 特定のブロックで休息している場合や、特定のNPCが同行している場合、戦闘中にNPCが支援してくれることがあります。これを「支援ダメージ」と呼びます。
 支援ダメージは、PCたちの手番終了時に、指定する魔物1体に「威力○○+PCの冒険者レベルの平均(端数切り上げ)/C値●」点の魔法ダメージを与えます。威力やC値は状況やNPCによって異なり、戦闘開始時に明示されます。支援ダメージはいかなる効果によっても回避・軽減できません。

 逃亡
 封鎖領の冒険では、遭遇した魔物から逃げ出したい場合、「戦闘開始前(魔物知識判定の直後、先制判定の直前)」または「PCたちの手番の開始時」に、PC全員が承諾して逃亡を宣言することができます。宣言すれば、逃亡そのものは必ず成功します。
 ただし、逃亡を宣言した場合、すべてのPCは「逃亡判定」を行わねばなりません。逃亡判定は「冒険者レベル+敏捷度ボーナス」を基準値とし、目標値は「遭遇した魔物の最大レベル+2d」です。これに失敗したPCは、魔物の追撃によって「威力20+PCの冒険者レベルの平均(端数切り上げ)/C値10」点の魔法ダメージを受けます。追撃ダメージはいかなる効果によっても回避・軽減できません。
 もしも追撃ダメージによって気絶、あるいは死亡してしまった場合、そのPCは放置されます。これをよしとしないならば、一旦逃亡の宣言を棄却し、あらためて残ったPC全員が逃亡判定をやりなおすことで、動けなくなったPCを連れて逃亡することができます。このとき、すべてのPCは逃亡判定に−「動けなくなったPC人数」のペナルティ修正を受けます。追撃ダメージによって全滅しない限り、何度でもこの処理を繰り返してかまいません。逃亡を宣言した時点で、気絶・死亡しているPCがいた場合も、同様に処理します。
 戦闘に「足手まとい」が参加している場合、足手まといも同様に(平目で)逃亡判定を行います。

 死亡と蘇生
 PCが死亡した場合、死体はそのまま放置されます。他のPC、または第三者の助けがなければ、彼(彼女)の冒険はそこで終わります。
 封鎖領の冒険の開始地点となる【城塞都市ヴィルトルード】には、死体を蘇生させることで呪いによる変異を研究している「変異研究所」という施設があり、ここに献体として登録することで、死亡し、放置された際に第三者によって変異研究所に運ばれ、蘇生することができます(<献体プレート>を身につけている死体を届けると謝礼がもらえるのです)。
 全滅したときなど、第三者の助けによって蘇生した場合、すべてのPCは所持金と<韋駄天コイン>、<ザウルのメダル>をすべて失います。<預かり屋の証文>も失うため、預かり屋に預けていたガメルなども失われます。それ以外のアイテムや装備品、装飾品などは失いません。

穢れ度と膿夢侵蝕度の上昇
 手段によらず、蘇生した場合には“穢れ”が溜まります。また、呪いによる変異の原因となる「膿夢侵蝕度」が上昇し、「変異チェック」を行わねばなりません。膿夢侵蝕度と変異チェックについては、別項で詳しく解説します。

変異研究所による蘇生
 PCが変異研究所に献体として登録していた場合、他のPC、または第三者によって研究所に運ばれれば自動的に蘇生させられます。このとき、蘇生費用は必要ありませんが、通常の蘇生よりも多く「膿夢侵蝕度」が上昇し、変異しやすくなります。

“猟犬”による強制蘇生
 “猟犬”に殺された場合、戦闘終了後にその場で自動的に蘇生します。この蘇生は呪いによるもので、拒否することはできません。“穢れ”が溜まり、「膿夢侵食度」が上昇するのは通常の蘇生と同じです。同じく、直前1時間の記憶も失います。


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Y.膿夢侵蝕度と変異

 封鎖領の冒険では、呪いの影響で「膿夢侵蝕度」が上昇し、その結果、肉体や精神が変異する可能性があります。

 膿夢侵蝕度
 膿夢侵蝕度とは、自らの身体がどれだけ変異に侵されやすくなっているかを表す値です。この数値が高いほど変異する危険性が高まり、また一度に複数の変異を得てしまう可能性も高くなります。
 膿夢侵蝕度は、以下の状況で上昇します。

長期の滞在
 封鎖領内に30日間滞在するごとに、膿夢侵蝕度が上昇する可能性があります。31日目の「朝」を迎えたとき、「1d+穢れ度」し、それが「現在の膿夢侵蝕度」以上だった場合、膿夢侵蝕度が1点上昇します。

死亡し、蘇生する
 封鎖領内で死亡し、蘇生した場合、無条件で膿夢侵蝕度が1d点上昇します。「変異研究所」で蘇生したならば、さらに1d点上昇します。

“猟犬”の特殊能力
 “猟犬”の中には、膿夢侵蝕度を上昇させる特殊能力を有するものが存在しています。

イベント
 封鎖領の冒険で発生するイベントの中には、膿夢侵蝕度を上昇させるものがあります。

『侵蝕の享受』
 封鎖領の冒険では、危機に陥ったときに膿夢の呪いをあえて享受することで、自らの生きる力を増幅することができます。これを『侵蝕の享受』と呼びます。
 すべてのPCは10分に1回、『侵蝕の享受』を宣言し、即座に膿夢侵蝕度を2点上昇させることで、HPかMP、いずれかの現在値を「威力100」点だけ上昇させることができます。『侵蝕の享受』は判定の結果やダメージの数値が決定した後でも宣言できます。
 『侵蝕の享受』によって膿夢侵蝕度が5の倍数に達した場合、「変異チェック」を行わねばなりません。通常時は即座に、戦闘時に宣言したならば戦闘の終了時に「変異チェック」を行います。

 変異チェック
 変異チェックとは、自らの身体に呪いによる変化が起こっているかどうかを決めるものです。以下に「変異チェックを1回行う」ときの手順を示します。

1.「変異箇所決定表」を振る回数の決定
 「変異箇所決定表」を振る回数は、「現在の膿夢侵蝕度÷5(端数切捨て)」です。たとえば膿夢侵蝕度が11なら、2回です。

2.「変異箇所決定表」で変異数の決定
 1で決定された回数だけ、次の「変異箇所決定表」を振ります。得られた結果を合計したものが起こる変異の数になります。

2d+穢れ度変異数
5以下 変異しない
6〜11 1箇所の変異
12〜15 2箇所の変異
16以上 3箇所の変異

3.変異する箇所と内容の決定
 「1dを2回」のセットを2で決定された数だけ振り、変異する箇所と内容を決定します。最初の1dは「手や腕」「足や脚」「頭部や首」「胴体や背中」「全身」「精神」のいずれが変異するかを、次の1dは変異の具体的な内容を決定します。既に変異している部位が変異する結果になった場合、追加で1dします。出目が「1〜3」なら、その結果は無視します(幸運にも変異は起こりません)。出目が「4〜6」なら、それまでの変異は新たな変異に上書きされ、失われます。

 変異チェックの発生条件
 変異チェックは以下の条件が満たされたときに発生します。

蘇生したとき
 手段によらず、蘇生したときには「膿夢侵蝕度」を1d点上昇させてから「変異チェック」を1回行います。変異研究所で蘇生したならば、「膿夢侵蝕度」を2d点上昇させてから「変異チェック」を1回行います。

膿夢侵蝕度が5の倍数に達したとき
 『侵蝕の享受』を宣言したり、イベントによって膿夢侵蝕度が上昇した結果、膿夢侵蝕度が5の倍数に達したとき、「変異チェック」を1回行います。

その他
 膿夢侵蝕度に関係なく、イベントなどで「変異チェック」を要求される場合もあります。指定された回数だけ「変異チェック」を行います。

 これらの発生条件は、膿夢侵蝕率の急激な上昇や、蘇生に伴う上昇によって膿夢侵蝕率が5の倍数に達したときなど、同時に複数満たされる場合があります。その場合、要求される「変異チェック」の回数が最も多い条件だけが満たされたことになります(ほとんどの場合において1回です)。

 変異を隠蔽する
 変異は、その内容ごとに「隠すのは簡単」「隠すのは難しい」「隠すのは無理」のいずれかに分類されます。「隠すのは簡単」な変異であれば、フードや包帯などであまり怪しまれずに隠すことができます。
 「隠すのは難しい」変異の場合、目標値15の「変装判定」に成功しなければ、一般人にでも変異していることを見破られてしまいます。「隠すのは無理」な変異は、【ディスガイズ】や<ラミアの首飾り>などの魔法的な手段を用いなければ隠すことはできません。

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