魔動機文明時代前期に繁栄したダリア王国最後の王族で、緋色の髪と翠の瞳を持ち、髪や手首から雪花を咲かせたメリアの少女。竪琴の名手としても知られた。
魔神の侵攻に対し、周辺国をまとめ上げ、強固な迎撃態勢を整えつつあったダリア王国は、賢君として知られた王が同盟国の裏切りによって謀殺されたことで瓦解し、滅亡している。
ナタリアはアゼルという若き<守り人>と親しくしており、アゼルの「ダリア王国を中心に諸国が一丸となって魔神の侵攻に備えるべき」という訴えを父王に届け、説得したが、結果的にそれが王国の滅亡を招いた。
故国の仇を討つと称して、自らも<守り人>へと志願したナタリアは、アゼルに故国滅亡の責を咎めて死地へと追いやり、その後も自身を慕う多くの戦士たちを戦場へと駆り立て、彼らの命を代価に多大な戦果を上げたとされる。
ナタリアは魔神のみならず、アゼルや<壁の守り人>たちを仇として憎んでいたのだと囁かれ、不名誉な二つ名で呼ばれるようになったが、最後には悪評にも関わらずナタリアを守ろうとした<守り人>の一人を庇って戦死、その場で樹木となった。森林都市パルアケには、ナタリアの遺体と伝えられる雪花の樹木が、今も遺されている。
ナタリアが愛用していた<雪花の聖琴>は、その旋律で妖精たちを力づけるとされる秘宝。今は失われてしまったが、パルアケのどこかに遺されているのではと噂されている。
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