『絶対奈落戦線アビスライン』追加ルール・セクション


 1.時間経過について 2.エリアマップの探索 3.食事、睡眠、疲労に関するルール 4.戦闘ルール 5.都市でできること

 

【1.時間経過について】

■1コマは12時間
 本シリーズでは、1日を「昼」と「夜」の2コマに区切って進行します。1コマ分のイベントや行動が終わると「時間経過」し、次のコマ(「夜」または翌日の「昼」)に移行します。
 「昼」と「夜」のルール的な扱いの違いは、照明が用意できなかったときに「暗さによるペナルティ修正」が発生するかどうかの1点のみです。

■「持続時間:1時間〜12時間」は、「持続時間:1コマ」に置き換え
 持続時間が「1時間〜12時間」の効果は、使用してから次の「時間経過」を迎えるまで持続します。持続が1日なら、次の次の「時間経過」を迎えるまでです。

 例)1日目の「昼」に行使した【クリエイト・ゴーレム】(持続1日)の魔法は、2日目の「昼」が始まると同時に解除されます。

■照明の魔法や効果だけはきっちり12時間分を用意
 上記の例外として、照明を確保するための魔法や効果だけは、1度の「夜」を保たせるために「12時間」分の持続時間を用意しなければなりません。
 たいまつなら12本、ランタンなら油1本、【ライト】の魔法(持続3時間)なら4回の行使が必要になります。これらは「夜」の開始時に12時間分をまとめて消費します。
 明るい日中に暗い洞窟の中に入るなど、短時間しか照明を必要としないであろうケースでは、個別にGMの判断を仰いで下さい。



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【2.エリアマップの探索】

 本シリーズのシナリオはいずれも、<奈落の大浸食>によってコルガナ地方に生じた<奈落の魔域>を消し去ることを目的としています。
 多くの<魔域>は【エリア】と呼ばれるフィールド上にあり、PCは<魔域>に挑むために【エリア】を踏破し、<魔域>の在処を突き止めねばなりません。

 以下は、冒険の舞台となるコルガナ地方北西部の全体マップと、とある【エリア】の見取り図です。

 
 各シナリオは、原則としていずれかの「街」からスタートします。街での活動を終え、隣接する【エリア】に移動したら、以下の手順に従って進行します。

■1.移動フェイズA(PCの移動)
 現在いるマスから、道の繋がっている任意の隣接するマスへと移動します。最初にその【エリア】にやって来たときには「街から」「街に繋がっている最初のマスへ」移動してきたことになります。
 「夜」であるならば、この時点で12時間分の照明を用意できなければ、次の「時間経過」までは「暗さによるペナルティ修正」を負わねばなりません。
 飛行する騎獣など特別な移動手段を用いても、何らかの要因に阻まれ、道の繋がっていないマスへ移動したり、移動時間を大きく(本頁で定めるルールの枠を超えて)短縮することはできません。

■2.移動フェイズB(<主>の移動)
 各エリアには、<主>と称される近隣で最も強力な魔物が存在しています。そして多くの<主>は、PC同様に移動します。時には、PCには不可能な経路や速度で移動することすらあります。
 <魔域>攻略の大きな障害となり得る<主>の所在は、“導きの星神”ハルーラの啓示により<追憶の守り人>を通じてPCに伝えられます。<主>がどのマスに存在しているかは、常にPCに公開されます。
 <主>の移動が終了した時点で、PCと<主>が同じマスに存在している場合、<主>との戦闘が発生します。

 ※PCの移動が終了した時点では、同じマスに存在しても<主>との戦闘は発生しません。<主>もまた移動した場合には「すれ違い」が生じ得ます。

■3.イベントフェイズ
 移動先のマスでNPCと出会ったり、建造物を見つけるなど、受動的に発生するイベントがあれば解決します。

■4.自由行動フェイズ
 マス内に何かないか探索する、薬草の使用など10分以上かかる行動を行うなど、PCの自由意志で行える行動を解決します。これらに費やせる時間は、トータルで3時間が上限です。
 ゴーレム作成など移動の前に行いたい行動がある場合、[1.移動フェイズA]の前に自由行動を行っても構いません。ただし、そこで費やした時間は本来の自由行動で費やせる時間から差し引かれます。
 PCはそれぞれ異なる自由行動を行って構いませんが、互いを目視できなくなるような分割行動は、危険だとして<追憶の守り人>に制止されることになります。

 また、PCは自由行動を「各自1時間まで」に限定する代わりに、休息を取ることも選択できます。休息を取ればHP、MPを回復し、後述する「疲労度」を1点減少させることができます。
 街や集落などで安全に睡眠を取れる場所があるときは、無条件に6時間の休息を取ることができますが、エリア内で野営する場合、十分な休息を取るために「野営判定」を要求されることがあります。
 「疲労度」や「野営判定」については次頁で解説します。

■5.時間経過
 次の時間に移行し、[1.移動フェイズA]に戻ります。「剣の加護/運命変転」など1日に1回だけ使える効果は、「夜」→「昼」へ移行するタイミングで回復します。



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【3.食事、睡眠、疲労に関するルール】

■食事のルール的な処理は省略
 本シリーズでは、PCは各自必要なだけの食糧を所持しており、適切に食事を取っているものとして扱われます。<保存食>を消費したり、狩りを行う必要はありません。
 もちろん、このルールはPCが食器や食材を準備したり、食事風景を描写してロールプレイを行うことを妨げるものではありません。

■「疲労度」の概念
 ウィルダネス・アドベンチャーを扱う本シリーズでは、各PCに「疲労度」というパラメータが存在します。「疲労度」の初期値は0で、0〜5までの値を取ります。
 各PCは「疲労度」が上昇した場合、以下のような影響を受けます。この影響は、睡眠を欠いたときの不利益(⇒『T』207頁)と累積します。

 疲労度0:影響なし
 疲労度1:影響なし
 疲労度2:すべての行為判定に−1のペナルティ修正
 疲労度3:すべての行為判定に−2のペナルティ修正
 疲労度4:HPが0になり、気絶する。自力で回復するには生死判定(⇒『T』208頁)を要し、覚醒後もすべての行為判定に−4のペナルティ修正
 疲労度5:死亡する

■「疲労度」の上昇と回復
 上昇:24時間以上、睡眠を取らずに活動した場合、次の時間経過と同時に「疲労度」が1点上昇します。
    特定のイベントやアイテムの使用によっても、1点上昇することがあります。

 回復:6時間の休息を取ることで、「疲労度」は1点回復します。メリアのPCは、睡眠とは無関係に「昼」になるタイミングで「疲労度」が1点回復します。
    各都市にある「大浴場」を利用したり、特定のアイテムを使用することによっても、1点回復することができます。

■野営イベント
 各エリア内において、安全に睡眠を取れる場所以外で休息を取る場合、「野営イベント」が発生することがあります。
 イベントの内容によっては、PCは「野営判定」を要求されます。この判定は「冒険者レベル+生命力ボーナス」を基準値とし、目標値は「エリア番号+12」です。
 この判定に失敗したPCは、3時間しか睡眠を取れなかったものとしてHP、MPの回復を行い、「疲労度」は睡眠を取らなかった時と同様に1点増加します。



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【4.戦闘ルール】

■「基本戦闘」で行う
 本シリーズの戦闘は、原則として「基本戦闘(⇒『T』126頁)」で行われます。ただし、魔物側のキャラクターは状況により最初から配置を固定する場合があります。

■戦闘からの逃亡
 戦闘から逃亡したい場合、各ラウンドのPC側手番開始時に、逃亡を宣言することができます。
 逃亡を宣言した場合、すべてのPCは「冒険者レベル+敏捷度ボーナス」を基準値とする「逃亡判定」を行わねばなりません。目標値は「最も高い魔物レベル+7」です。
 成否に関わらず逃亡することができますが、判定に失敗したPCは「威力20+最も高い魔物レベル/C値10」点の確定ダメージを受けます。騎獣やゴーレムは「回避力」を基準値として逃亡判定を行います。




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【5.都市でできること】

 @宿屋で宿泊する
  1人30ガメルを支払うことで、安全に6時間の休息を取ることができます。宿泊すると、「時間経過」します。

 A大浴場の利用
  1人20ガメルを支払うことで、大浴場を利用できます。入浴すると、即座に「疲労度」が1点回復します。同じ時間帯に複数回、入浴しても効果はありません。

 B商店で買い物
  ルールブックT〜Vに収録されているアイテムを基本取引価格で購入できます。ただし「イグニダイト加工」「マナタイトの追加装甲」は、特別に記載された場所でなければ購入できません。
  所持しているアイテムを、基本取引価格の半額で売却することもできます。

 C冒険者ギルドで情報を得る/クエストを受ける
  冒険者ギルドに立ち寄り、無償で提供される情報を得たり、拘束されない依頼を受けることができます。また、死者の蘇生や、ライダーギルドの機能を利用することができます。

 D神殿で治療を受ける
  神聖魔法による治療を受けられます。料金は「神官のプリースト技能レベル×50ガメル」です(魔力はレベル+3)。1人が治療を受けられるのは、同じ時間帯には1回だけです。

 E酒場で情報収集
  聞き込み判定(⇒『U』40頁)を用いて、情報を集めることができます。獲得し得る情報は最初に項目が示されますが、1人が判定に挑戦できるのは、同じ時間帯には1つの情報のみです。