野心の剣と混沌の矛、見えざる侵略の刃が交錯するユーレリアの地に、過去から芽吹いた闇が牙を剥く。

不可解なメッセージを携え、"王"の名の下に各地を蹂躙せんと迫る異形の軍勢。

狂える神託。蒙昧なる叛徒。崩壊する権勢。約束された背信。

裏切りの果てに、王の意を離れた古き"剣"は真なる主を求め、呪縛の迷宮より解き放たれる――。

ソード・ワールド2.0 <15LV祭> 『剣の主』

━━━ の剣は、星を歪め、そらを穿つ ━━━



GM それでは、『剣の主』5回目のセッションをはじめます。よろしくお願いします。
ライナス よろしくおねがいしまーす。
エインセル よろしくお願いしますー。
チャッカ よろしくお願いしまーす。
ジュトゥ 宜しくお願い致しますー。
フィブレド よろしくおねがいします。
GM 前回は、レンドリフト皇帝アベルカインとの接見を経て、賢神将バルタザールさんに突撃取材をかまし、質問攻めにしました。長年かけて書物と知識を独占してきたことで、「セージ技能による判定不可」な情報を溜め込んでいる無限図書館からお送りします。
ジュトゥ 突撃! 隣の無限図書館。
GM インタビューによって相当な量の情報を得たところで、バルタザールさん曰く「事件の筋道が推測出来たら聞かせてよ」とのことですが、情報分析のほうはいかがですかな。

 回答前に、もう少し質問を重ねることに。

【ジュトゥ】 「その前にもう一つ尋ねても良いかの? 魔法王イーレンヴァイトの、ノスフェラトゥとしての蘇生法は聞いたが、魔法王としての蘇生法は当時どんなものがあったのかの? 一般的、というのも変じゃが、知っておったら教えてくれぃ」
GM/バルタザール 「さすがに一口には言えないねえ。ただ、『死んでも復活する』手段よりも、そもそも殺されない方に注力した王のほうが断然多かったと思うよ。精神体となった魔法王ユレヒトなどはその代表だね。他にも死霊魔術の奥義を持って不滅を体現した王、老いを厭うて新たな肉体へ魂を移し変えることを考えた王、様々だが、個々の詳細までは私は知らないな」
【ジュトゥ】 「そうか、了解じゃ」

【エインセル】 「念のため確認です。ゲルダムを封印していた魔剣が砕かれていたのは聞きましたが、そこに誰かの死体はありましたか?」
GM/バルタザール 「否。死体はなかったね」
【エインセル】 「なるほど。ということは、ゲルダムを解放した存在は今も生きてておかしくないと……。行きずりの冒険者が辺りが、偶然解放しちゃってたなら話は楽だったんでしょうけどねぇ」
GM/バルタザール 「まさかの『3つの願い』パターン発動だったら大笑いだね」
【エインセル】 「もしそうだったら、ゲルダムさんに『私と契約して使役魔神になってよ』とか言いたくなりますよ」

【フィブレド】 「『魔剣』の封印って、切った相手の肉体を封じるということ?」
GM/バルタザール 「ふむ? 『精神や魂の自由は縛れないのか』とかそういう意味かね?」
【フィブレド】 「そうそう。肉体なしで動けるなら、魔剣の封印を『実質的に』無効化できるんじゃないかと思って」
GM/バルタザール 「文字通り、迷宮に飲み込んで出られないようにするという意味での『封印』だったはずだから、時間が停滞しているとはいえ精神活動は継続していたと思うよ。しかし、霊体になっても出られはしないと思う。閉鎖空間の中でも出来ることがあったろうことは否定しないがね。この答えでよいかな」
【フィブレド】 「うん。ありがと」

【エインセル】 「魔法王イーレンヴァイトが支配していた、当時のレンドリフトの関係者で今なお存命な者に心当たりはありますか?」
GM/バルタザール 「否。当時から生きている者は皆無ではないだろうが、関係者となると思いつかないね。あえて言えば、私」
エインセル 犯人は……お前だー!
GM うわー、この問答、とんだ茶番だったなー。
フィブレド

ライナス さて……事件の推測については、ある程度まとめて1つの話にしたほうがいいのかな?
GM 個々で語れるならそれでもいいし、つき合わせて整合性を取れるならそっちでも構わない。バルタザールさんは納得がいく、あるいは面白い話を聞きたいだけだから。
エインセル うぅむ、バルタザールさんとは結構気が合うかも知れない。自分の興味を満たしたいだけ、という辺りが特にw
ジュトゥ じじの案は敗北必死なので後で聞いて笑ってくれぃ。
GM 謎掛けやクイズの類じゃないから、結果的に複数のストーリーが語られたとしても頓着しないよ。
ライナス 各人に準備があるなら、そっちがいいかな。全てが分かる必要はないからね。どこが分かってなきゃいけないのかまでは分からないけどw
エインセル それが問題w

 ここから、何らかの推測が出来ている人に順番に語ってもらうことに。
 当事者であるプレイヤー陣向けに、種明かしのコメントも挟んでいきますが、初見の人にはネタバレになるので、それらのコメントは行頭に○をつけて区別します。

GM/バルタザール 「じゃあ、せっかくだから順番に聞かせてもらおうかな。竜神将殿、貴殿の推測はどのようなものかね」
【ジュトゥ】 「コホン、じじの考えはちと突飛じゃて、聞いて笑ってくれぃ。このじじは、魔法王イーレンヴァイトがこの時代に転生して、力を蓄えつつ各地の魔神騒ぎを起こし、ゲルダムを解放したのではないか、と考えたのじゃ。転生の手段については、ちと古典的じゃが、装着者の精神を乗っ取る形のアーティファクトでも制作しておった、とかな」
GM/バルタザール 「なるほどね。イーレンヴァイト自身の精神がこの時代で仮の器を得て、完全復活なり何なりという策謀を巡らせたということか」
【ジュトゥ】 「『何で今になって』や、『魔神将を操れる存在』、辺りは一応筋が通ったと思っておるよ」

 ○イーレンヴァイトの意思が現在に介在しているという部分は真相と異なりますが、『他者の精神を乗っ取るアーティファクト』というのは彼が用意していた復活の手段に極めて近いものです。イーレンヴァイトの復活を目論む『犯人』が本人だというのは、動機を説明する上では妥当な推測と言えるかも。

GM/バルタザール 「イーレンヴァイトがそうした準備をしていれば、整合性は取れるかもしれない。考慮の余地はあるね。……小さな賢者殿は?」
【エインセル】 「そうですね……基本的には老師と似たようなものです。憶測ですが、現在のレンドリフトと敵対しているレジスタンスの強硬派辺りがイーレンヴァイトのアーティファクトを入手して、ゲルダムを復活。国家転覆を目的に活動している……とかも思い浮かびました。魔神の召喚が不完全、というのが気になるんですよね。素人だからと考えれば、それもあるかなーと」
GM/バルタザール 「目的はともかく、何者かがイーレンヴァイトの遺産を偶然見つけて悪用しているというのは、現実的な可能性としてあり得そうだねえ」
【エインセル】 「ザンガルズに呪いの様な守護がかかっていたことを考えると、レジスタンスどころじゃなく……それこそ、小神レベルの存在が関わってたりするかも、と思わないでもないですが」

 ○『何者かがイーレンヴァイトのアーティファクトを入手し、ゲルダムを復活させた』のは事実です。それ以外の部分は憶測の域を出ませんが、『犯人』の目的を示唆する情報は出ていないため、そこを想像で補えばこんなものかな。

GM/バルタザール 「なるほどね。(見回し)他にはあるかい?」
【ライナス】 「私の考えは少し違うな。この件についての補足が無いのであれば話させてもらおう」
【ジュトゥ】 「うむ、お願いしたい」
【エインセル】 「どうぞどうぞ」
【ライナス】 「ではまず、今回の事件として私がまとめる範囲を限定させてもらおう。事件の内容としては『各地で魔神の軍勢が同時発生した』また、『それらはレンドリフトの名を出しているが、皇帝アベルカインによるものではない』ものということだ。これらのことについて、『誰が』『どのようにして』『何の目的で』起こした事件かについて考えてみた」

【ライナス】 「まず、『誰が』ということだが。現レンドリフト帝国の将軍のうち誰かと考えるのが妥当と思う。残念ながらそれ以上の掘り下げはできなかったが、これは『レンドリフト帝国が一将より』という始まりで、ドレドロン砦にメッセージが届いているためだ。グゥの予言に『剣たる将に叛意』とあるが、イーレンヴァイトおよび3体の魔神将ではないと思われる。彼らはレンドリフト帝国の成立以前の存在であるため、そのような名乗り方はしないだろう」

 ○正解。ただし、上位魔神ドレッドバールが『レンドリフト帝国が一将より』という「与える必要のない情報」を布告に加えたのは、関係者にレンドリフト帝国の関与を強く意識させ、魔神たち自身に目的意識があることを悟られるのを遅らせるためにゲルダムが打った布石です。
 ○予言の内容は魔神たちには知り得ないことでしたが、ドレドロンに対する生贄の要求が、レンドリフトの将軍の都合によるものであると印象づけようとする意図がありました。「そのような名乗り方はしないだろう」という推測が為されるであろうことを、ゲルダムも推測していたわけです。

【ライナス】 「続いて『どのようにして』だが。まず、犯人はアーティファクト<魔神王の杖>を入手した。その後、シャダラ山脈の南端、海側に開いた洞穴にある<ステイシスジェイル>を破壊し、戦の魔神将ゲルダムを復活させた。この時ゲルダムは<魔神王の杖>によって、犯人に従えられていると考えられる」

 ○これも正解。実際には『犯人』の未熟故にゲルダムは<魔神王の杖>の支配を打ち破っており、表面的に従っているだけですが、それは<杖>の制約が明かされていないこの段階では推測し得ないことです。

【ライナス】 「次に、バルタザール殿の言より、ゲルダムは通常のものではない強制的な魔神召喚の技を持っていると思われる。これを使って各地の襲撃を発生させたのだろう。ケンネル門に現れていたザンガルズが“ワードパクト・フラット”の能力を何者かに与えられていたこと、この能力は3体の魔神将いずれかが使用できるだろうことからも補足される」

 ○突如出現した魔神群が、魔神将によって強制召喚されたという推測は図星です。事実としてはゲルダムではなくイブリバウゼンの手になる業ですが、バルタザールにイブリバウゼンの能力を尋ねていれば、封印中のイブリバウゼンが解放されたゲルダムに軍勢を供与し得たことも推測できたでしょう。

【ライナス】 「最後に『何の目的で』。これはイーレンヴァイトを復活させ、(少なくとも)レンドリフト帝国を支配するためと推測する。犯人は『戦士エルンスト』および『七夜の間に、穢れ無き人族七十七人』を要求している。このあたりにイーレンヴァイト復活の方法があるのではないだろうか」

 ○大体合ってる。『犯人』はイーレンヴァイトの「完全な」復活は望んでいませんが、それもこの時点では知り得ないことです。

【ライナス】 「これらのことを何故知りえたか……これは難しいが、犯人は普通なら知り得ないだろう<ステイシスジェイル>の情報を手に入れていると思われる。バルタザール殿より一例として、神から知識を得られる可能性が示唆されているが、そうなると、同様に普通は知り得ないイーレンヴァイト絡みの情報を手に入れていてもおかしくないのではないだろうか」

 ○その通り。この辺りは今回予告にある『狂える神託』も示唆しています。

【ライナス】 「尚、メッセージとしては『イーレンヴァイトの勅を告げる』というものもあった。これが本当ならイーレンヴァイトが生きているという可能性も無くはないのだが、彼は今のところ、死んでいると考えるのが妥当であろう。しかし肉体はないものの、今回の犯人と何かしらの手段で交信できる手段があるのかもしれない。この地であれば【ポゼッション】の魔法などを使えば不可能ではないだろう」

 ○はい、イーレンヴァイトはこの時点では間違いなく死んだままです。レンドリフトの将軍云々と同様、『イーレンヴァイトの勅』というフレーズもゲルダムの仕込んだブラフで、魔神たちの暗躍をカモフラージュするとともに、魔法王復活というキーワードによって生贄候補となる強力な人族を周辺に呼び集める狙いがありました。
 ○イーレンヴァイト自身は霊的なものを含め、現代と交信はできていませんが、代わって魔神将らが『犯人』に知識を伝えています(同時に行動を誘導してもいますが)。

【ライナス】 「……以上になる。何分推測だらけだ。的外れかもしれぬが」
【ジュトゥ】 「成る程な……色々つじつまの合う部分も多いのゥ」
【チャッカ】 「確かにねぇ…」
【ジュトゥ】 「陛下が知らぬのも無理はない。“叛意”じゃからの。叩き潰されることを承知で明かすまいて。さすれば、帝国で剣と言える神将は誰かのゥ……?」
GM/バルタザール 「……ほう。面白いね。不確定要素は数多あろうが、大筋で核心を突いていそうな気がするよ。論理の組み立ても十全と言えよう。実に面白い」
エインセル とりあえず、面白がらせることには成功したようだ。
ライナス これにはティキティキさんも大笑い。
GM/バルタザール 「うん、私も真相を明らかにしてみたくなったよ。ちょっと、きみたちに見てもらいたいものがある」 そう言うと、バルタザールは【アポート】を唱え、手元に一冊の、禍々しい装丁が為された書物を出現させます。
【ライナス】 「それは?」
GM/バルタザール 「これはイーレンヴァイトが遺したと思われる魔導書だ。随分前に入手したものだが、中身は読めていない。というのも、強力な呪いがかけられていてね。読むと穢れを得てしまうのだ」
【チャッカ】 「穢れか……厄介ね」
【エインセル】 「えげつない呪いですねぇ」
ライナス お客様の中にルーンフォークの賢者様はいらっしゃいませんかー?
ジュトゥ 無限に寝ろと?w
チャッカ フィーでも可。
ジュトゥ 塵と砕けよと?w

 何故分かった(笑)。ええ、ルーンフォークが読めば即座に記憶ロスト、フィーが読めば一瞬で存在が縮小しますよー。

【フィブレド】 「穢れ、ってどのくらい?」
GM/バルタザール 「それこそ、数頁も読めばアンデッド化するほどだよ。チラ見するたびに1点と言ったところかな」
【ライナス】 「ふむ……それは恐ろしいな」
チャッカ 【イレイス・ブランデッド】でどうこうできるレベルじゃないな。
GM/バルタザール 「読むには呪いを解かないといけないのだが、魔法文明時代のものとなるとさすがに強力でねぇ……」

 そう言うと、バルタザールはエインセルとフィブレドを交互に見遣り、意地悪そうに笑います。

GM/バルタザール 「きみたち二人は、かなりの位階にある魔術師と見たが、どちらか<完全消去>の魔法が使えるかな?」
【フィブレド】 「ああ、呪いを解けってことね。僕がやるよ」
GM/バルタザール 「事前に言っておくと、呪いの消去に失敗しても呪いを受けると思う。これは1点で済むはずだから、穢れ祓いの奇跡を乞えば1回分の失敗は帳消しにできるだろうがね」
ジュトゥ 凄い次元に来たものだ。開くと呪われるんだけど → 解呪しちゃえよ。
GM なあに、うっかり2回3回と失敗して少々穢れても、あと数年の命だから構わんだろ?(笑)
ライナス ひどいw

 お前さんも似たようなことをオープニングで言ってた気がするが。

エインセル また来世〜とw
フィブレド ひっでえ、諸国漫遊の旅が待ってるのにw
チャッカ 何なら死ぬときに転生の呪文唱えてあげるよ。
GM/バルタザール 「試してくれるかな?」 なお、魔法文明時代の魔法のアイテムの効果を停止するには、1時間の儀式を重ねた【パーフェクト・キャンセレーション】で達成値40が必要です。

 色々とひどい話ですが、他にできる人もいなかろうと、バルタザールが召喚したドゥナエーから「〆月の舞」の援護をもらった上で、【パーフェクト・キャンセレーション】決行。

【エインセル】 「親切だなぁ、バルタザール先輩」
GM/バルタザール 「なに、面白い書物が読めるなら安いものさ。はい、<知性の指輪>。いけそうじゃないか。GOGO!」
チャッカ 軽いw
フィブレド んじゃ、1時間儀式して【スフィンクスノレッジ】【パーフェクト・キャンセレーション】。(ころころ)……ぱりーん、成功。
GM 目標値40クリアー! 呪われた書物は、ただの古めかしい魔導書となりました。
チャッカ GJ!
エインセル 指輪様々ですねー。
ライナス どんなレベル帯でも役立つ500ガメルだ。
GM/バルタザール 「おお、やったか。見せて見せてー」
【チャッカ】 「ほんとに解除しちゃうとはねぇ」
【エインセル】 「ははは、もう本の虫ですねぇ」
フィブレド 魔力高くしててよかったー^^;
ライナス ね。あんなに高いのにひやひやする瞬間があるとはw
GM 開いてみると、書物は<魔神の契約書>に近い、魔法文明語と魔神語をミックスした謎言語で書かれています。デーモンルーラー以外が読むには【トランスレイト】必須、なんだ、が……w
エインセル はいはーいw
GM じゃあ、バルタザールさんと横並びになって、「早く、早く次のページめくって!」とか囁き合いながら読破しましょう。文献判定よろしく。

 失敗するはずもなく、長い長い情報が公開。

◆概説
 書物は、魔神王の召喚と支配、及び魔神王への転生儀式について記述したものだ。
 その具体的内容から、魔法王イーレンヴァイト、もしくはいずれかの魔神将の手になる書と思われる。
 
◆イーレンヴァイトの目論見
 最高位の召異術師だったイーレンヴァイトは、ユーレリア制圧後、絶大な魔力を持つ穢れ無き人族魔法王ユレヒトを生贄として魔神王を召喚し、さらには複雑な儀式によって自らの魂を魔神王に憑依させることで、魔神王に転生することを目論んでいた。
 イーレンヴァイトは、魔神王を「古代神に匹敵する力を持ち、かつ捧げられる信仰などに在り様が束縛されない独立した絶対存在」と捉えていたことが分かる。
 
◆<魔神王の杖>による支配
 イーレンヴァイトは、召喚に成功した魔神将らを、召異術師としての契約ではなく、自ら開発したアーティファクト<魔神王の杖>によって支配していた。
 この杖は、使用者の魔力と魔神の精神抵抗力で対決し、勝利すれば魔神を永続的に支配できるというものだ。ただし、一度でも支配に失敗すると、支配しようとした魔神に杖の制御を奪われてしまい、その魔神の意思で、以前に支配した魔神の永久解放や、杖自体の破壊を行われてしまう。
 原理上、上位魔神を支配するには使用者に絶大な魔力が求められるが、対象の抵抗力を上回る魔力を持ち合わせている限りにおいて、たとえ魔神王であっても支配することが可能。
 
◆剣の魔神将イブリバウゼン
 イーレンヴァイトが支配していた3体の魔神将はいずれも、魔界に数体ずつしか存在しないであろう各魔神将の中でも、特に強力な個体だった。
 とりわけイブリバウゼンは重要な存在であったらしく、この書の中でも魔神王召喚とイーレンヴァイトによる支配・転生儀式に欠かせないピースとして記述されている。
 イブリバウゼンには、星辰を歪め、独力で小さな異界の扉を開く能力が備わっている。いかに高位の召異術師でも行えない魔神王の召喚儀式は、この能力であらかじめ開かれた異界の扉に、召異術師が膨大な魔力を注ぎ、拡大することで可能となる。
 また、剣の魔神将の名が表すように、幾多の魔剣を所持していた。その一振りに「魂に干渉する魔剣」が存在し、イーレンヴァイトが<魔神王の杖>によって魔神王の抵抗を打ち破ったなら、この魔剣の能力によって魔神王にイーレンヴァイトの魂を憑依させ、魔神王に転生させる計画だったようだ。
 
◆魂の魔剣を用いた復活/転生の準備
 イーレンヴァイトは、ユーレリア侵攻に先立ち、ノスフェラトゥとしての自らの魂の拠り所を「魂の魔剣」に移し、イブリバウゼンに預けている。
 これは、魔神王への転生の準備であると同時に、万が一自らが討たれた場合、魂を魔剣に避難させ、イブリバウゼンに新たな器となる肉体を用意させることで復活を遂げるための備えでもあった。
(この備えは、イーレンヴァイトがノスフェラトゥとしての自身の復活能力に隙を見出していたことを示している。しかし、結果的にイブリバウゼンがユレヒトの魔剣によって先に封印されてしまったため、イーレンヴァイトの魂は新たな器を得ることができていない)
 なお、「魂の魔剣」の中で眠る魂が復活するには、器として15レベル以上の“穢れ”を持たないキャラクターの肉体が必要だ。かつ「15レベル」は最低要件であり、実際には魂の持ち主に近いレベルの魔力を有していることが、器にも求められる。
 充分な魔力を持たない器で復活した場合、魂の持ち主の人格は損なわれ、能力だけが再現された木偶人形が復活してしまうのだ。
 
ジュトゥ あれ? 我こそ魔神王〜なんてなハハハってトイレで考えてたのがドンピシャだったんだがw
エインセル 真実はそんなもの、ということで一つw
GM/バルタザール 「くっくっく。なるほどなるほど。竜神将殿や賢者殿の予測も存外、当たらずとも遠からずではないか。他者の肉体を乗っ取るという復活方法については図星だったね」
【エインセル】 「魔神王への転生かぁ……やるなぁ、イーレンヴァイト。野心的で危険だけど、面白い考えだ。そうなんですよね。神になれば永遠の命と絶大な力は手に入るけど、信仰に己を左右されるってのが気に入らなかったんですよ。これなら、その問題をクリアしている。ある意味、理想的かもねぇ」
GM/バルタザール 「この内容に偽りがなければ、やはりイーレンヴァイトの意思は現状に介在しておらんようだね。剣神の神官殿の推測が事実に近そうだ」
【フィブレド】 「なんで穢れがあるとまずいのかね?」
【ジュトゥ】 「魔神の召喚にはエインセル殿が詳しかろうが、まぁ穢れ無き、というのは魔神召喚で概ね目立つ条件だったように思うのぅ」
【エインセル】 「魔神は穢れを嫌いますからね。魔神王に転生するのが目的なら、穢れある器じゃ都合も悪いでしょう」
【フィブレド】 「もとは蛮族のくせに……」

 元が蛮族だからこそ。魔神召喚の生贄にするにしろ、『ノスフェラトゥの魔法王』として復活するための器にするにしろ、穢れていては都合が悪いのです。

【チャッカ】 「まさか、エルンストを召喚しようとしたのはこのためかしらね?」
【ライナス】 「彼にそれほどの魔力があるとは思えぬが……何かしらの方法があるのかもしれんな」
エインセル 最低条件は満たしてるから、試してみるかーって感じなんだろうか?
フィブレド てか、やばい。これ解除する前に1ページ読んでおくべきだったか?w
ライナス ちょうどいい高魔力の15レベルが目の前にw
【チャッカ】 「むしろ、魔力がない方が、利用する側としてはありがたい可能性があるわよ?」 もし野心でやってるとして、木偶人形なら御しやすいと考えてるかもしれない。
【ライナス】 「イーレンヴァイトすらも利用するつもりで、あえて不完全な条件で復活を試みるということか」
GM/バルタザール 「なるほど、イーレンヴァイトそのものの復活を望むのでなければ、最低限の要件しか満たしていない『器』のほうが望ましいケースはありそうだね」

GM さて、ここでバルタザールのケータイがぶるぶる着信します。
ジュトゥ スーアグルーグに加えて今度はケータイw
エインセル 携帯持ってんのかよw
フィブレド <通話の護符>だっけ? しかもバイブレータw
ライナス 護符が振動するんかいw
GM もちろん魔力でね。バルタザールは「もしもし、賢神将です。ああ、陛下ですか。ん? ああ、なるほど」と短く会話した後、ガチャリと切りまして。
エインセル 携帯って言われると、確かに分かりやすいけどw
GM/バルタザール 「犯人っぽいの、分かったかも」
【ライナス】 「……ほう?」
【フィブレド】 「わかっちゃったの?」
【チャッカ】 「ほんと?」
【エインセル】 「おー、誰です?」
GM/バルタザール 「ケンネルのセヴルスから使い魔で連絡があったそうでね。『所在が明らかでない神将がいないか確認よろ』ってことで、陛下が確かめたようだ」
【ジュトゥ】 「セヴルスの小童め、お手柄じゃな!! して、誰ぞ?」
GM/バルタザール 「連絡がつかなかったのは2名。“妖神将”イズクシーレと“狂神将”ラディスの二人だ」

 ケンネルでの会議の時点でラディスの名前が出ていたので、彼ら自身が昨日の内に皇帝へ確認を要請することも想定していました。皇帝からの連絡がこの時間になるのは、最も判明が遅いケース。

GM/バルタザール 「“妖神将”イズクシーレは、エルフの妖精使いだ。帝国では森と山の資源管理を担当していて、戦時にはゲリラ兵となる森林レンジャー部隊の長でもある。自然主義者という奴なのか、植物や生態系に敬意を払っている節があるな。蛮族の神将たちとは折り合いが悪いが、皇帝には心酔しているようだ。時折、ふらっといなくなっては『森の声を聞いていた』などと言って戻ってくる。今回もそれかも知れんね」
【エインセル】 「もう一人は、フリーダムな信仰の神将ですか」
GM/バルタザール 「“狂神将”ラディスは、インキュバスの神官だ。国内の遺跡発掘や、魔法の武器の研究を担当している。狂神ラーリスに愛されているようで、少々ネジの飛んだ思考の持ち主だが、閃きと着想力は優れていると思う。頻繁に『神託』とやらで行方をくらましては、妙な物を持ち帰ってくるようだ。今回もそのパターンだろう。『神託』の大半は奴の頭の中で生まれたものだと思うが、稀に本物もあるのだろうね。これまでにいくつか重要な発見をして、帝国に貢献しているよ」
【ライナス】 「アーティファクトなど、見つけているかもしらんな」
【エインセル】 「『神託』で、魂の封じられた魔剣の在り処へホイホイ行っちゃったとかあるかも知れませんねぇ」
GM/バルタザール 「そうだね。陛下は、二人のいずれか、または両方が帝国の利益に反する行動を取っているなら、処断してよいとのことだった。きみたち、行くかい?」
【エインセル】 「私は気になるので、狂神将のところへは行って見たいかな」
【チャッカ】 「少なくとも話をしてみたいとは思うわね」
【ライナス】 「無視できる規模の話でもあるまい」
【フィブレド】 「じゃ、行くということで」
エインセル くっくっく……これで神将の座が1つは空く。その隙を突けば風神将の設立は容易! 全ては計画通り……(にやり)。
ジュトゥ エインセルが1コマ使って酷い顔してやがるw
ライナス 空いた神の信仰者がそのまま席を埋めるだけじゃなかろうかw
フィブレド 国に居ついてくれない将軍なんていらないと思うがw

 もう住んじゃえばいいのに。

GM/バルタザール 「そうか。どちらも私がよく知っている人物だから、遠視の魔法で所在は突き止められるよ。『貴様、見ているな』されるかもしれんが、実害はあるまい。どっちから?」
【エインセル】 「まずは、疑いの薄い妖神将から確認できるといいなって」
フィブレド 妖精使いなら気取られにくそうだしね。
GM/バルタザール 「分かった。『深、九階位の霊……』」

 水晶球ぺかーっ!

GM/バルタザール 「……大変自然豊かな森の中で、瞑想しとるね。シロかな、これは。仕事しろよ……(ボソ)」
【ライナス】 「そうか」 同族なのでちょっと安心。
【エインセル】 「けっ、自然派ぶりおってからに(ぺっ」
チャッカ 悪態ついたw
ライナス フェアリーテイマーが自然派を否定するなよw
GM/バルタザール 「アウトドア派の考えることは理解できんね、まったく。じゃ、本命いってみようか」
【エインセル】 「日差しの出てる中、外に出るとかありえませんねぇ。全く」
【フィブレド】 「アウトドア派をバカにすんなよー」
【チャッカ】 「あなた吸血鬼かなんかだったっけ?」

 茶々入れつつ、水晶球ぺかーっ! アゲイン。

GM/バルタザール 「……おっと、気づかれた」
エインセル あら、やはり気づかれた。
ジュトゥ っ貴様見ているなッ!! されたか。
【チャッカ】 「何か見えた?」
GM/バルタザール 「アタリだったよ。傍に魔神将がいた。暗い石造りの室内だ。座標的には……ティース山脈の遺跡の中だと思う」
【チャッカ】 「つまり、もう一方の<ステイシスジェイル>の方ね」
【ライナス】 「……まずいじゃないか」
【ジュトゥ】 「むぅ。次はそちらかとは思うておったが、既に行っておったか。次なる魔神将の解放は避けられまい」
【エインセル】 「その狂神将さん、表情などは元のままでした? 木偶にはなってません?」
ジュトゥ 狂神将だけに普段からすでにヨダレダラーだったかもしれんねw
エインセル 判断つかねえw
ライナス それただの狂人だw
GM/バルタザール 「私の知るラディスそのものだったと思う。傲岸不遜。傍の魔神将はゲルダムだったよ。本当に支配されているのかは判別できなかったがね」
【フィブレド】 「ひとっ飛び行ってくる?」
GM/バルタザール 「これはいかんね。気をよくして『もう1体いったるかヒャハーッ!』ってノリかな。入り口までなら私が【テレポート】してあげられるよ」
【ジュトゥ】 「是非も無し!」

 決断早し。戦闘に備えて今日の分の長時間系魔法などを準備し、10分だけ<魔香草>タイムを挟んで、遺跡へ直行です。

GM あ、1つ忘れてた。バルタザールさんが、「私も観戦したいので、誰か【マインドリンク】させてくれないかね?」って言うけど?
【ジュトゥ】 「ええよ」
GM ありがとう。リンクしました。心の中で彼と会話もできます。では、「ヴェス・ウンタラ・カンタラ……バシルーラ!」
ジュトゥ ばしるーら!? あとうんたらかんたら!w
ライナス 帰ろう。ルイーダの酒場に。
ジュトゥ ここで帰ってどないするねん。
GM さ、ティース山脈の一角にある遺跡の門前に到着です。
エインセル ちゃんと発動したw
ジュトゥ さて、隊列を組もうず。じじはスカウトじゃし、先に行くよってに。後の皆の距離とかはどうするかの?
GM そこはファジーで構いません。入り口の扉は【アンロック(物理)】されてますよ。でかい足跡3つと小さな足跡2つが続いています。
【チャッカ】 「さ、追うわよ!」
ジュトゥ 簡単に警戒しつつホイホイ進もう。
GM あからさまに先行者が通った痕跡が見て取れるので、迷う余地も足止めされる余地もありません。それなりに迷宮化されていますが、後を追いかけるのは余裕ですね。途中、真っ二つになったミスリルゴーレムの残骸などございますが。
チャッカ 気にする必要あるかな?
GM 10分だけ、戦利品剥いでみたりしてみませんか……。
ジュトゥ ミスゴ=サン、カワイソス。でもガンスルー。
エインセル 帰りに余裕あったら剥ごう。
GM そうですか。やがて、通路は地下深くに潜っていったりしまして……辿り着いたのは、30m四方はある広間。そこに、かなり大型の上位魔神を含む魔神たちを背後に従えたインキュバスの青年が待っています。ゲルダムさんらしき魔神将も控えてますよ。
チャッカ ドラゴンの札をばりっと剥がす。そしてすかさず乗る。
GM 認めよう。魔神の内訳は、ゲルダムさん1体、大型の上位魔神が2体、あと小型の……こないだ見たエルガクレオが1体ですね。ゲルダムさんは右手に自前の武器であろう巨大なグレイヴ、左手には青い燐光を放つ水晶の剣(人間サイズ)を鷲掴みにしています。

【ジュトゥ】 「狂神将ラディス、久しいのぅ? まぁ、じじとはあまり顔も合わせた事もありはせなんだが」
GM/ラディス 「誰かと思えば、爺様か。そういえばあんたも名前だけ神将なんだっけな。先刻、覗き魔のバルタザールの顔が見えたが、あんたらはアレとつるんでるわけか。よくこんなところまで潜ってきたな」 涼しい顔でそう返す狂神将ラディスの手には、やはり禍々しい意匠が施された王錫のような杖が握られております。
【ジュトゥ】 「まあの。それが、魔神支配の杖か」
【エインセル】 「面白そうなところなら、どこでも行きますよ。……人格乗っ取られてる風でもなさそうですね」
GM/ラディス 「乗っ取られる? 何をバカな。この杖があれば、あらゆる魔神は俺の支配下だ。化石のような魔法王も同様。奴の魔力を流用すれば、大抵の儀式はリスクなく行えるようになる。帝国もより磐石になろうというものだ」 言い放つラディスの後ろで、魔神将と上位魔神は無言のまま大人しく待機しております。
【チャッカ】 「つまり帝国のためにやってることで叛意はないってことかしら?」
【フィブレド】 「それとも、盤石になったところでかっさらおうというわけかい?」
GM/ラディス 「叛意……? まあ、私欲を交えることを叛意というならそうかもしれんがね。別に皇帝をどうこうしようなどとは考えていない。力は、必要なときに必要なだけあればいいものだ」
【ジュトゥ】 「空々しいのぅ。なれば、何ゆえ陛下に黙って事を進めた」
GM/ラディス 「神託ゆえだ。誰にも我が神の望むところを掣肘させはしない」
【エインセル】 「信者は神に支配されるものじゃない! 信者は……神を利用するものだ!」
【ジュトゥ】 「それは違うと思いたいがの(苦笑)」
【フィブレド】 「……ひどい信徒もいたもんだ。だが、魔法王の力は、あんたの器に余るとは考えないのかい?」
GM/ラディス 「器など必要ない。所在の確かな実力者であるユルトレットの小僧を生贄に、魔法王の魔力を供給する人形を提供すれば、皇帝とてその結果をよしとす」 ヒュン、ゴロン
エインセル あ、ヤられた。
フィブレド やりやがった。

 延々続きそうな話を断ち切るように、ラディスの首が飛びます。背後に控えたゲルダムが、神速でグレイヴを振るった模様。

【フィブレド】 「……ほら、身の丈に合わない力の末路なんてこんなもんだよ」
【ジュトゥ】 「馬鹿者め。己が利用された事を、己の底を見誤っておったな、ラディス」
【エインセル】 「やりますねぇ、ゲルダムさん。そうでなくては」 やったね、敵が減ったよ!
【チャッカ】 「……あなた、支配されてたんじゃなかったの?」
GM/ゲルダム 『……いささか、飽いた。もう十分だ。我らが目的は達せられた。汝らのような者達が現れた今、茶番を続ける意味もない』 気を使って、魔法文明語で。
チャッカ 分からねぇw
ライナス 気を使われて、なお分からないw
チャッカ やばいよ、半数が魔法文明語解らないよ!w
エインセル 15レベルなのに!w

 シリアスなシーンが台無しである。15レベルPCには嗜みとして主な言語の会話能力が必要な模様。

GM ええい、誰か同時通訳したってことで認めてやるわ! 好きに喋れ!
ライナス わぁいw
チャッカ やったー、この人(?)親切ーw
GM/ゲルダム 『支配されていたかと問われれば、この愚者が我を支配しようと試みた時点で、我は永の支配より解放された。その点では感謝している。この者に、あるいはこの者の無力に』
【ジュトゥ】 「なるほど。そういえば、機知の戦いに勝てねば永久解放されるのじゃったな」
エインセル 抵抗に成功したけど、支配されたフリしてたのか。
チャッカ 試みた時点で前の使用者の支配権も消えるんだな。
フィブレド あー、やっぱり知らずに使ってたか。
【エインセル】 「目的……? 一体、なにが目的だと?」
GM 無言で、ゲルダムは左手に握った水晶の剣……<ステイシスジェイル>を握りつぶします。バリンッ。瞬間。ゴゴッ……と地鳴りが起こり、地の底から震動が伝わってきますよ。
ライナス いやん。割れた。
チャッカ あ、手遅れだった。やっぱり魔香草は愚策だったかー。
GM/ゲルダム 『この愚者が考えた稚拙な計画は、我らにも都合のよいものだった。かの不死王の支配より逃れた今、我らが真なる主をこの地に招くには、強大なる<小さき人>の術者が必要だ』
【チャッカ】 「真なる王を招く……って!?」
【エインセル】 「なるほど。仲間の解放というよりも、本来の主の召喚が目的でしたか」
【ジュトゥ】 「魔神王の召喚か……」
GM/ゲルダム 『無論、この者の目論見がすべて上手くいってしまっては困る。故、こけおどしに使った軍勢には、杜撰な計画にさらなる綻びが生じるよう、虚実取り混ぜた布告を託した』
【チャッカ】 「あの布告は、そういう……」
【ライナス】 「嘘も交じっていたということか。手の込んだことをする」
GM 話している間にも、地鳴りは大きくなっています。そこまで近くはありませんが、遠くもない。どこかで、何かが地中を穿っているようです。
【ジュトゥ】 「成る程、色々と腑に落ちたわ」
【フィブレド】 「頭いいんだなー。いや〜、驚いた」
【エインセル】 「ご丁寧に解説ありがとうございます。とりあえず、謎が解けてモヤモヤは解消されました」
GM/ゲルダム 『納得したなら、去ってくれてよい。いずれ来たる終焉まで、しばしの猶予を過ごすがいい。遠からず、慈悲深き死が汝らを抱擁しよう』
エインセル 親切だなぁ。
チャッカ ここに居続けると死ぬぞってことかな。
GM どうせそのうち死ぬから、今は見逃してあげるって言ってるみたい。
チャッカ うわー、上から目線だわー。普通のゲルダムよりかなり強いんだっけ?
エインセル 強力な個体だって話でしたね。

GM やりとりの中、ジュトゥの心中で、バルタザールの声が響きますよ。「陛下から召集がかかった。帝都で異変が起きたようだ。先に行くよ」
ジュトゥ (「そうか、承知した。そちらは任せたぞ」)
GM/バルタザール (「これまでの経緯から見て、その魔神将をイブリバウゼンが何らかの手段で招来することも考えられる。ここで滅ぼしてもらえると助かるね」)
ジュトゥ (「最善を尽くそうぞ。お主や陛下に笑われんようにの」)

エインセル キャラクター的には帰ってもいいけど、シナリオ的にここで帰るのはありえないかなぁ。
ジュトゥ ここで放置すればこの世界に明日はあるまいて。
チャッカ 放置したらラスボスの時にこいついるんでしょ? あり得んて。
エインセル ……なんという説得力だ!w
ライナス 非常にメタいが至極もっともw
【エインセル】 「なんか、急いだほうが良さそうですよね。差し当たり、穿つ音がこれ以上大きくなる前に」
【チャッカ】 「そうなると、こうしているわけにはいかないわね」
【ライナス】 「うむ。好きにさせるわけにはいくまい」
【ジュトゥ】 「然り。見過ごせぬならば止めるまでよ」
【チャッカ】 「ここで滅ぼさせてもらうわ、魔神将ゲルダム!」
GM/ゲルダム 『左様か。止めはすまい。汝らの魂に安らぎあれ』 重々しく言って、ゲルダムはグレイヴを構えます。

 まずは魔物知識判定。敵は魔神将ゲルダム、上位魔神ラグアドログ2体、そして昨日も登場した下位魔神エルガクレオ1体です。

エインセル ゲルダムさんの魔物知識(ころころ)うあ、ひくっ。30。
GM 弱点値29なんだが。
ライナス なんだろう、低いの認識を誤りそうだw
エインセル 低いわ〜、出目で4とかマジ低いわ〜 と言いながら、弱点抜いてるw
フィブレド ひどすぎるw

 見事、ゲルダムブリゲディアこと“魔神王の矛”ゾラシュヴルグのデータと弱点値を看破。ラグアドログはチャッカにまで弱点を見破られます。

ジュトゥ いやっほぉおおお! ネームドゲルダムだー。
エインセル 21レベルかぁ。
GM Brigediaは、准将とか副将軍とかそんな意味ね。あと、このゲルダムさん、ラスボスと能力傾向が似ています。攻撃も防御も。
エインセル へえ。うわ、《不屈》持ち。
GM 今日は先制判定して終わりにしておきましょう。こちらは先制値28です。
チャッカ 振れないレベルだw
ジュトゥ (ころころ)取った。
GM ああ、【イニシアティブブースト】勢は、データよく読んでから切るカード決めて結構です。先手取れるのが確定したところで、一旦終わりにしておきましょう。おつかれさまっ。
一同 お疲れ様でーす。

ジュトゥ しかし強いなぁ、ゾラシュヴルグ。お爺ちゃん消し飛んじゃいそうよ、自分の攻撃で。
ライナス 名前が濁点ばっかでつよそう。
ジュトゥ 魔神って濁点、多いよね。中二なの?w
チャッカ かっこいいからねw
ライナス つよそう。

(Jutou) HP100/100 MP55/58+7 状:月の舞,ジィプロ
(Linus) HP107/107 MP117/132 状:月の舞、研磨のやすり
(Chukka) HP108/108 MP118/119
(Ainsel) HP81/81 MP148/149 使い魔15/15
(Fivled) HP79/79 MP132/141 使い魔20/20 月の舞 SD RM CS


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