野心の剣と混沌の矛、見えざる侵略の刃が交錯するユーレリアの地に、過去から芽吹いた闇が牙を剥く。

不可解なメッセージを携え、"王"の名の下に各地を蹂躙せんと迫る異形の軍勢。

狂える神託。蒙昧なる叛徒。崩壊する権勢。約束された背信。

裏切りの果てに、王の意を離れた古き"剣"は真なる主を求め、呪縛の迷宮より解き放たれる――。

ソード・ワールド2.0 <15LV祭> 『剣の主』

━━━ の剣は、星を歪め、そらを穿つ ━━━



GM そんな大袈裟な今回予告からスタートですが、シナリオそのものは単純な造りですので、気負わず楽しんでね。よろしくお願いします。
ライナス よろしくおねがいしまーす
エインセル よろしくお願いしますー
チャッカ よろしくお願いしまーす
フィブレド よろしくお願いします
ジュトウ 宜しくお願いしまーす!
GM 今回の舞台はユーレリア地方。きみたちの中には、本来は別の地方の英雄も混ざっていると思いますが、運命の導きにより、この時この場所に集うこととなりました。まずは、その完全に集うまでをオープニングとして、一人ずつ描いていきます。これが自己紹介を兼ねると思ってね。
チャッカ わかりましたー
ジュトウ はーい

■1.キノア王国・王宮■
“猫魔導師さま”グウェンドリーシャ・ル・ヴェルラ「茶飲み友達」

GM それでは、オープニング最初のシーン。《幻獣都市キノア》の王宮です。フィブレド、お願いします。
フィブレド はい

 キノア王国は、ユーレリア地方中央部に位置する、羊の放牧を主産業とするのどかな小国です。<大破局>後、南に隣接する《巨獣の森シュバイゼン》の幻獣たちと和解し、都市内にまで幻獣たちを招いて共生関係を築いてきました。
 国内に大きな火種はなく、また中原に位置することから蛮族など目立った脅威も近くにはいないのですが、地方統一の野心を抱くユレヒト王国、近年勢力を強めつつあるレンドリフト帝国の侵攻に対する警戒から、宮廷内では幻獣に頼り切りで脆弱な軍事面を憂慮する声が上がり始めています。

GM では、そんなキノア王宮の一室……サロン的な部屋でお茶でも飲んでるところから始めましょうか。久方振りにこの王宮を訪れたフィブレドの正面、ティーテーブルを挟んだ先のソファには、尻尾が二本あるにゃんこが眠そうにごろごろしています。これが宮廷魔術師の長、グウェンドリーシャ様。4000歳くらいかな? ところで、彼女との馴れ初めはどんな感じですか?
フィブレド ええと、僕は以前から土地土地のベストスポットめぐりをしてるんだよ
GM ほうほう。景観マニアなんだっけね、そういえば。
フィブレド フライトを使って色んな場所の素晴らしい景観を探しているんだ
GM まさか……登った? この美しい王宮に。
フィブレド うっかり王宮内まで迷いこんじゃってねえ。グウェンドリーシャにはその時にいろいろと便宜を図ってもらったのさ
GM 偶然、屋上で日向ぼっこしていたところに鉢合わせて、話を合わせたみたいな構図が浮かんだが……なるほど。では、猫魔導師様は、偶然出会った高名で博識な、しかし国などに属さず面倒なしがらみとは無縁なきみを、格好の愚痴の捌けgゲフンゲフン話相手として認めたのでしょう。
フィブレド いやいや、やばかったよ。名誉点がごっそり消え去るところだったからね。
GM 猫魔導師様も威厳が失墜するところだったので、まあそゆことで。さて、今回もその延長として、旅の途中にあったきみに各国との軋轢とか面倒くさい話を色々聞かせてくれます。

GM/グウェンドリーシャ 「そんなわけでぇ〜、ユレヒトの王様やる気満々みたいなのですよ〜。キノアは本当、そういう話苦手だし、のんびり暮らせればいいってみんな思ってるんですけどね〜。お隣さんだし、色々と気を使わなきゃいけなくって……本当、大変」
GM フィブレドは既にキノアに数日滞在し、王立図書館に篭ったり街に出たりしていると思いますが、日に一度はこうしてグウェンドリーシャの相談(実態は愚痴)に付き合わされています。どうやら、野心の大国ユレヒトに派遣している諜報員から「軍備増強着々と進行中。王様のやる気パネェっす」と報告が相次いで、猫魔導師様は憂鬱なようです。ほっといてくんないかなーって。
【フィブレド】「ああ、そうなのかい。それは大変だねえ」と、生返事。
GM ホントに生返事だな!w ああ、ただ、今日のグウェンドリーシャは常にも増して、だるそうにごろんごろんしています。どうも日頃の国政や外交に関するものとは違う心配事があるようです。
【フィブレド】「おやおや?そろそろ復活しておかないと、外面を取り繕うのが面倒になるんじゃないかい?」
GM/グウェンドリーシャ 「……言ってくれますにゃん。でもね、ちょっと今朝は、占いのね。卦が悪くて」
【フィブレド】「卦?」
GM/グウェンドリーシャ 「あまりよくない感じにゃんですけど、どう読んだらいいのかにゃあ……んーと、こんな感じですよ。解釈にお知恵を拝借できますかにゃん。『西に凶兆。黎明の王の足元。剣たる将に叛意。境界の崩壊』」
【フィブレド】「とりあえず『西に注意』ってことだけはわかりますね」

 まんまである。

GM/グウェンドリーシャ 「そうねえ。これはやっぱりアレかにゃあ……レンドリフトとユーレリアの境界って、ケンネルの壁かシャダラの御山。崩れちゃ困るんだけど。そういえば、ケンネル行ったことありますかにゃん? シャダラ山脈に造られた巨大門は、一見の価値ありですにゃ」
【フィブレド】「まあ、行ったことはありますけど……そうですね。久しぶりに行ってみるのもいいかもしれないですね」
GM/グウェンドリーシャ 「ちょっと滅多にないくらい悪い占いなんで、珍しいものは見れるかもしれませんにゃん。ついでに、ヤバイ級の兆候がないか、様子を見てくれると助かりますにゃー。なあに、フィブたんなら大丈夫」
【フィブレド】「愛らしいレディーにそう言われると断りづらいですねえ。じゃあパッと行ってパッと片づけてきましょうか」

 グウェンドリーシャが「にゃやり」と笑ったそのとき。サロンの扉がノックもなく開いて、「グゥ〜、どこ〜? あ、見つけた」と顔を覗かせる幼い少年が。

出番待ちライナス 「西に凶兆」っていいながら西に行くことを勧める。さすが導師ですにゃん。
出番待ちジュトウ 一般冒険者を送りこんだら死ぬから15Lv超を送り込んでおこうという。
出番待ちエインセル で実際に西に向かったら「計画通り(ニヤリ」と。腹黒っぷりが素敵w
出番待ちライナス (ハイマン28歳なので)もうすぐ死ぬしな! 使わなきゃな!w
出番待ちエインセル&チャッカ ひでえww

GM フィブレドも一度だけ、彼の顔を遠くから見たことがありますが、若干9歳のキノア国王フィンドリックです。「お庭でかくれんぼしよ」「いや、陛下。今ちょっとお話中でしてにゃん」『勅命である。余とかくれんぼせよ』「……はい」というやり取りを経て、グゥはフィンに抱えられ、さらわれてしまいます。去り際に「ごめーん。面倒かけるけど、さっきの話、よろしくね。戻ったら話聞かせてにゃん」と尻尾を振り振り、猫魔導師様はお暇……というところで、このシーンはここまで。フィブレドは猫魔導師様の実際悪い占いの卦を脳裏に浮かべつつ、ケンネルへ向かいます。物見遊山に。
フィブレド じゃ、テレポートでケンネルまで飛んじゃいますか。
GM 道中の景観はいいのか。
フィブレド 急ぎの時くらいはわきまえるw
GM ま、飛んだか跳んだかはともかく、相当な速度でケンネルの王都に移動しました。その先は、後ほど。

■2.《取り戻された都市ユルトレット》■
“奪還伝説の英雄”エルンスト・ラグバーン「懐かしい顔」

GM 続いてオープニングシーン2、《取り戻された都市ユルトレット》。ライナス、よろしいかな。
ライナス はーい
 ここユルトレットは、<大破局>後から長きに渡って蛮族の支配下にあった都市です。元々はユーレリア北辺を治めるアルデン王国に属していましたが、海からの侵攻によって陥落し、<霧の街>に近い蛮族の街として、かつての住人の子孫たちが奴隷とされていました。7年前、北のリーンシェンク地方から渡ってきた学者によってユルトレット近郊の海底都市の有用性が説かれ、奪還が望まれましたが、アルデン王は「まだその時ではない」とこれを諌め、軍事行動を先延ばしにします。
 ところが、驚くべきことに、アルデン王の決定に憤った正義の剣士エルンストとその仲間、そして彼らに触発された義勇軍によって、ユルトレットは奪還されてしまいました。現在では王を戴かない自治都市として、ユルトレットは急速に復興を始めています。

GM 英雄となった剣士エルンストは、ユルトレットの議員兼、防衛団長となっています。彼と旧知の間柄であるライナスは、つい昨日ユルトレットを訪れ、エルンストと再会したということでいいかな? 海岸近くにある彼の家から始めましょうか。
ライナス おっけー
GM 時間は朝。エルンストは、昨日ライナスがユルトレットに来た時は留守にしていました。周辺にはまだまだ魔物や蛮族の残党が徘徊しており、そうした魔物の巣が発見されたため、討伐に出ていたのです。昨夜遅くになってようやく再会し、積もる話は明日の朝食でも食べながら、と夜を明かした翌朝ですね。

GM/エルンスト 「いやあ、懐かしいな、ライナスさん。あの時はホント助かったよ。ていうか、あの時海に潜った経験は役立ったなあ。最近、ギルマンの暗殺者とか出るんだよ。この辺」
【ライナス】「元気そうでなによりだ、本当に立派になったんだな。・・・ギルマンの巣の討伐に行くのに海に潜る手段は必要だろう」
GM/エルンスト 「そうなんだ。みんなの協力で蛮族から取り戻したはいいけど、海底遺跡もどこがどうなってんのか、まだ全然分かってないんだよ。妖精使いとか魔動機師とか、色々伝手を辿って集めてるみたいなんだけど。しかも、ここ数日は魔物の動きがちょっとおかしくてね。気が抜けない」
【ライナス】「それほど広いのか。いや、まだこの町を奪還してから数年であったか。調査も大変そうだな」
GM/エルンスト 「うん。サラはなんか、最近魔物含め動物が普段の生息圏を追い出されてるみたいだって言ってたかな。おかしな遺跡の仕掛けでも動いてるんじゃないといいけど」
【ライナス】「ほう。確かに不自然な感じはするな」
GM サラってのは、脳筋なエルンストを支えてくれてる幼馴染で仲間の妖精使い。さて、ライナスが首を傾げたその時、家の玄関を激しくノックする音が聞こえます。

GM (ドンドンドン!)「エルンスト、いるか! 魔物の襲撃だ! 海から見たことのない魔物が相当な数、上陸してきてる! 迎撃してるが、とんでもないのが1体いて苦戦中だ! 加勢してくれ!」
【ライナス】「襲撃か……エルンスト殿、大丈夫なのか?」
GM/エルンストなに! 許せねえ! うおおおおおおおおおおおおおお!」 彼は既に完全装備で突撃を開始しています。これで15レベルですよ。

出番待ちジュトウ エルンスト直情だった―!!
出番待ちエインセル 流石ファイターのみ15レベル。見事な脳筋だ。

【ライナス】「……(苦笑しながら)心配するだけ無駄か。私もついていこう」

GM エルンストと共に海岸に駆けつけると(岩混じりの砂浜を想像してください)、海から上がってきたと思われる数十体の魔物を、やや少ない数の人族戦士たちが迎え撃っています。魔物は蛮族ではありません。ぬめぬめした人型にカエルような頭部を持つ下位魔神ヌズマルの群れです。人族の戦士たちはかなり精強で、実際に戦闘を行っている中には脆弱なヌズマルに遅れを取るような者はいません。しかしどうしたことか、戦士たちの半分以上が凍りついたように硬直し、戦えずにいます。無事な者が動けない者を庇いながら戦っているため、苦戦しているようです。

 戦士たちの硬直の原因は、どうやらヌズマルの群れを率いる1体のおぞましい姿をした魔神。ヌズマルに似ていますが、体長5mに達する大型で、無数の腕に武器を携えています。
 その体表には……おお、ナムアミダブツ! その体表には人の顔がびっしりと浮かび上がり、苦悶や悲鳴、哄笑を上げ続けている!

ライナス きもいw
GM その魔神だけは、周囲に蹴散らした戦士を何人も転がし、余裕綽々の様子です。エルンストがとりあえず突撃しますが、中間にいたヌズマルの群れに足止めされていますな。
ライナス とりあえず、行く前に気休めで指輪つけかえていいですか。月光の指輪を知性の指輪にw
GM お好きにw
ライナス ではそこはやるとして。一刻の余裕もなさそうならしないけど、事前準備の余裕はなさそうかな
GM 足止めされるエルンストを尻目に、おぞましい魔神は倒した戦士の一人をむんずっと掴むと……パクリ。
ライナス いやーん。いくいくw
GM ちゅるるん。戦士は丸呑みにされてしまいました。魔神の手番終了時に死にます。では、魔物知識判定を。知名度21、弱点値24。余裕があったんで、【スフィンクスノレッジ】を足していいですよ。
ライナス 2d6+13 ノレッジ込み
(ダイス) Linus -> 2d6+13 = [1,6]+13 = 20
ライナス つけかえてよかった、わるw
ジュトウ
GM ぱっりーん。はい、『CG』108頁、上位魔神イグナヴです。ライナスとは、ヌズマルの群れ&エルンストを挟んで15mの位置にいるとしましょう。間のそいつらが遮蔽になってますが、【ミニマムリープ】する分には向こう側にも渡れますよ。じゃ、先制判定よろしく。イグナヴ様の先制値は21です。

 【ミニマムリープ】で移動できるのは「視界内」かつ「10m(オプション適用時は15m)以内」。移動先は見えていなければいけませんが、遠隔攻撃の対象を定める時のように「目視」できていなくとも構いません。部分遮蔽の向こうには跳べる、ということ。

ライナス Sで微妙にとれそうなところが悩ましいな。ま、一般兵士もいるんだよね。素直に【イニシアティブブースト】SSで。
GM 切りますか。そうするかもとは思ったが。では、そちらから。

 〔第1ラウンド PCターン〕

GM 胴体がコアで、腕×6は常に《かばうU》宣言済みなんだと思えば分かりやすいですね。コアのHP92、腕のHP58。さて、削り切れるかな。
【ライナス】「イグナヴか、幸い聞いたことはある。行くぞ」 とりあえず【スフィンクスノレッジ】。そして【ミニマムリープ】行使。MP15消費して15m移動。イグナヴの足元に。
GM イグナヴ「(汎用蛮族語)おや。ようやく相手になりそうな者が出てきたな。人の子も存外侮れぬ。では、我も本来の役目を果たすとしよう」(すぅーっと息を吸い込んで、大きく)

 『イーレンヴァイトの勅を告げる。戦士エルンスト・ラグバーン。この者を召喚する。速やかに、単身にてケンネル大門に参じよ』
 『勅に背することあらば、その咎は民の血によって購われるものと知れ。この言の真なるは、代弁者たる我が証立てる』

GM くっちゃくっちゃ。さ、宣言の続きどうぞ。
【ライナス】「む。まぁいい。暴れるのも久しぶりだ。好きにさせてもらうよ」 【クリティカルレイS】【オメガシューター】【バーサーカー・エッジ】【フェザー・エッジ】をライロックソードに。《魔力撃》《光陰魔刃術》宣言。【リピートアクション】から【スーパーノヴァ・ボム】。対象はイグナヴ全部。
GM よろし。宣言終わりなら行使判定どうぞ。
ライナス めんどくさいからまとめて振るw
GM うい。抵抗は27。

ライナス 2d6+30
(ダイス) Linus -> 2d6+30 = [4,1]+30 = 35

GM 「抵抗は27」って、基準値じゃなくて固定達成値なんだけど?
ライナス えへ。
GM では、ダメージ決定×7回。

ライナス r90+29@10**7 胴体から順に
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [5,6:25][3,2:12]<クリティカル>+29 = 66
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [6,2:19]+29 = 48
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [5,6:25][1,6:18]<クリティカル>+29 = 72
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [3,3:15]+29 = 44
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [4,3:18]+29 = 47
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [2,1:7]+29 = 36
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [4,3:18]+29 = 47

GM 腕が1本吹っ飛んで、お腹が半ば以上消えたんだけど。
ライナス 殴る暇なさそうだ。リピートするよー

ライナス 2d6+30 リピート
(ダイス) Linus -> 2d6+30 = [5,4]+30 = 39
GM 「抵抗は27」って、基準値じゃなくry

ライナス r90+29@10**6
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [1,5:15]+29 = 44
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [3,5:19]+29 = 48
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [3,4:18]+29 = 47
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [2,4:15]+29 = 44
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [2,5:18]+29 = 47
(ダイス) Linus -> Rate90+29@10 = [3,2:12]+29 = 41

GM 上位魔神イグナヴは光に呑まれ、蒸発しました。ちゅどーん! 後には、瀕死の戦士が……よく生きてるな、こいつ。
ライナス 余った手番でヌズマルに【グレネード】ぽいっとやって、おわりw
GM では、エルンストに群がっていたヌズマルの群れも全滅です。もう10秒か20秒で、他のヌズマルも消えてなくなったことでしょう。

   ― 20分後 ―

GM ライナスは、部下たちに後始末を頼んだエルンストと共に、ユルトレット評議会の建物で、エルンストの仲間とテーブルを囲んでいます。「どゆこと?」会議。
【ライナス】「あのような魔神はよく出るのか?」
GM/名前だけ出てたサラちゃん 「いいえ、魔神がユルトレットに現れたのは始めてです。まして、あんな大群も、ライナスさんが倒したというような強力な魔物も蛮族たちが退いた後には現れたことはありません……」
【ライナス】「それも、貴殿の感じた遺跡による影響なのだろうか」
GM/仲間その2・ツルン(フロウライトさん) 「えーと、イグナヴでしたっけ。上位魔神が何か、メッセージを残したとか?」
【ライナス】「うむ。イーレンヴァイトがどうとか言っていたが、何かご存じか?」
GM キミがご存知かもしれない。見識判定してください。目標値は20です。
ライナス ボーナス盛っていい?w
GM ……どうぞw アルケミスト基準でいいし。
ライナス なるほど、アルケミスト。じゃあ【スフィンクスノレッジ】を足して(ころころ)25。
GM では、ライナスはイーレンヴァイトという名前に覚えがあります。文献の中の存在ですけども。

◆魔法王イーレンヴァイト
 イーレンヴァイトとは、魔法文明時代の後期、当時のレンドリフト地方を支配していたノスフェラトゥの魔法王の名です。欲深い性格だったと見えて、レンドリフト全土を掌握しただけでは飽き足らず、ユーレリア地方をも支配下に収めようと、度々侵略を繰り返しました。
 その魔力の絶大なることは当時の魔法王の中でも指折りで、後にエルダードラゴンさえ降したユーレリアの魔法王ユレヒトをして「自国のみでの対抗は非現実的」と判断せしめ、他の魔法王との共闘を余儀なくさせたと伝えられています。ケンネル王国の西端で、レンドリフトとの境界であるシャダラ山脈の切れ目を塞いでいる巨壁と大門は、イーレンヴァイトの侵略に対抗するべく同盟を組んだユーレリアの魔法王らが築かせたものです。
 後年、魔法王ユレヒトがユーレリアの大部分を掌握した頃になって、イーレンヴァイトは上位魔神の召喚に成功し、流星雨によってケンネルの壁を破壊。ユーレリアに再び侵攻しましたが、防人たるケンネルの決死の防戦によって出鼻を挫かれ、ユレヒトに迎撃の準備時間を与えてしまいます。
 ユレヒトの支援を受け、消耗した魔神軍を打ち破ったケンネルの軍勢は、なんとそのまま西に進撃し、激しい戦いの末にイーレンヴァイトを討ち取ってしまいます。この快挙を成し遂げた英雄レンドリフトが、後のレンドリフト王国の祖となりました。


GM 似たようなことは、賢者であるツルンくんも知っていたらしく、ライナスと知識を照らし合わせて、エルンストらに説明します。
GM/エルンスト 「え? つまりそいつ、とっくに死んでるんだよな?」
【ライナス】「ということになると思うんだがな・・・」
GM/エルンスト 「そいつが今、『勅命である。体育館裏に来いや』つってんの? おかしくない?」 と、疑問が呈されると、もう1つ思い出せることが。

◆イーレンヴァイトの死
 イーレンヴァイトのあっけない死に関しては、疑問が持たれています。というのも、ノスフェラトゥであり、“あらゆる死を克服した”とまで言われた実力者たる彼の死には、「復活」に関するエピソードが一切伝わっていないのです。首を刎ねられて死にました。終わり。
 おかしなことに、<大破局>の折にすら首都を守りきったレンドリフト側でも、この件については真相が伝えられていません。少なくともノスフェラトゥとして氏族特有の復活能力は有していたはずのイーレンヴァイトが、どういう滅ぼされ方をしたのかすらも。
 それゆえ、彼が何故復活しなかったのかについては、賢者たちの間で長く議論され、諸説生まれています。


【ライナス】「体育館裏か」笑いながら「少々思いだした。かのノスフェラトゥには珍しく復活の記録がなかったはずだな。万が一というのもあり得るかもしれん」
GM/エルンスト 「そうかあ。伝言持ってきたのも大物だったみたいだし、ただの悪戯ってことはないよなあ」
【ライナス】「どうするのだエルンスト殿。行くのか?」
GM/エルンスト 「ま、ここで考えてても分からねえよな。俺、ちょっとケンネルまで行ってくるわ(ガタッ)」「「「行かせるか!」」」

 気軽な宣言をした次の瞬間、仲間の合唱ツッコミとともに幼馴染枠のサラちゃんがエルンストの後頭部をメイスで張り倒し、エルンストは床に這い蹲ります。

 忘れがちですが、こいつは英雄。防衛団長。ユルトレットの住人の心の支え。

【ライナス】「ふむ・・・貴殿が動くのはユルトレットにもよくあるまい。どうだろう、私が代わりに見てくるのはどうだ?」
GM/エルンスト 「け、けどよう。呼ばれてるのは俺(ガツッ)」 サラ「本当ですか! ……心苦しいところですが、今、彼をここから動かすわけにはいかないんです。さりとて放置するのも気持ち悪いですし……ライナスさんが様子を見て来ていただけるなら……」
【ライナス】「呼び出すからには何か理由があるわけだ。それを知ってから動いても遅くはあるまい。何かあったらすぐ伝えるとしよう」
GM しばし、サラちゃんがエルンストを「説得」すると、エルンストも並んで頭を下げます。「オネガイシマス、ライナス=サン。ヨウス、ミテキテ」 白目を剥きながら、伏してお願いされました。よろしくお願いしますね。
【ライナス】「う、うむ・・・良い仲間を得たようでなによりだ」 そういう形なら、あとでここで【リターン】を使っておこうかな。
GM その手の細工は好きなだけどうぞ。あと、イグナヴの戦利品を期待値で出して……1600G×15? えーと、調整して24000Gほどどうぞ。
ライナス わぁい。損はしなかったぞうw
GM ということで、このシーンは終わりです。何かしらの手段で、ケンネルへどうぞ。

■3.ドレドロン王国■
“人魚の長”アネモス「恩人(空気)」


GM 続いては、《人魚と生きるドレドロン王国》にカメラを回しましょう。チャッカ、お願いします。
チャッカ はーい

 ここドレドロンは、元々は国や街ではありません。魔法文明時代、近郊の魔法王によって築かれた砦がドレドロンの発祥です。その砦は侵攻によって廃墟となりましたが、魔動機文明時代中期、魔動機に頼らない生活を望んだ人々の集落として再出発しました。
 <大破局>ではやはり蛮族の攻撃を受けましたが、砦時代の地下シェルターが機能したことでかろうじて全滅を免れます。ギルマンに追われ、近くの海に逃げてきたマーマンの一族と友誼を結んだことを契機に共和国を名乗り、現在に至っています。
 次第に発展を遂げてきてはいるものの、ドレドロンを脅かす脅威はいまだ多くあります。とりわけギルマンやリザードマンなどレンドリフト帝国の私掠船と見られる蛮族の攻撃は、海を守るマーマンたちも持て余し始めているのが現状です。

GM さて、場面は……海辺がいいかな。ドレドロンの港からほど近い大きな岩場にドラゴンで乗りつけ、マーマンのお姫様シルヴィと話しているところではどうでしょう。
チャッカ おっけーです
GM/シルヴィ 「……レンドリフトの圧力は次第に増えています。最近では私達の集落がギルマン海賊に襲われることさえあって、皆不安がっています……族長アネモスは救いの手を待つのではなく自ら戦うべきだと仰るのですが……」

 マーマンには救世主の伝説があり、シルヴィはそれを信じているようです。再会したチャッカに期待をかけている節もありますが、事はそう単純ではありません。というのも、現在のドレドロンの苦境は、人蛮混在の帝国レンドリフトの『外敵を求め続けなければ内側から瓦解する』という宿業に端を発しています。
 チャッカが恒久的にドレドロンを守れるのであればともかく、海賊を退治するだけでは問題は解決しないのですね。ドレドロンが侵略を真っ向から跳ね除ける力をつけるか、レンドリフト側でミラクルな……しばらく外国に干渉できなくなるような何かが起こらなければ。

チャッカ 恩もあるし助力は出来るけど、さすがにずっと住むには覚悟がいるわねぇ
GM/シルヴィ 「私たちは、一体どうするべきなのでしょうか……?」 お姫様は、すがるような視線をチャッカに向けて問いかけます。
【チャッカ】「そうね…あたしは耐えられるのなら耐えればいいと思うけど……力を持ちすぎると、それはそれで厄介ごとが生まれるからね」
GM/シルヴィ 「それは……そうかもしれません。やはり、奇跡のような力に頼るのではなく、私達自身が自分たちを守れる力を身に着けるよう努力するべきなのかもしれませんね……」
【チャッカ】「でも、本当に解決したいなら、耐えるだけじゃ終わらない、ってのが難しいとこよね。ごめんなさいね。あたしがその奇跡になれればいいんだけど」
GM 深い話です。そんなことを話していると……えー、【探索指令】で振ってくれますか。隣のドラゴンが何か感づくかもしれない。

チャッカ 2d6+21 探索指令
(ダイス) Chukka -> 2d6+21 = [5,1]+21 = 27

GM 異様な達成値だ。では、大人しく鎮座していたキミの騎竜が、不意にドレドロンの港の方角へ顔を向けます。『……主よ』
【チャッカ】「…何かあった?」こっちも顔を向けて
GM/竜 『港が騒がしい。それも、戦の喧騒に近い。何か、妖しきモノが人を襲っている』
チャッカ 『それは…止めないとね。「緊急事態みたい、シルヴィはここに居て!」とドラゴンに跨りますよ。
GM/竜 『承知』 竜はきみを背に乗せると、素晴らしい速度で飛翔し、港湾都市ドレドロンの海辺へと移動します。シルヴィは慌しく「お気をつけて……!」と手を振り、祈るようなポーズで見送るよ。
チャッカ 今のうちに支援かけておきたいな
GM そ。言うだけ言ってみ。宣言だけでいいから。
チャッカ タービュランスマジック、ダブルキャストでカバーリング1倍、2倍がけ。ドラゴンにかばうと、二人に鉄壁を入れる
GM はい。了解しました。では、場面変わってドレドロン港。現代の港とは違い、漁船なども乗り上げる砂浜風の港です。丸太を噛ませて船を引くようなね。そこでは、海から逃げてきたらしいマーマンたちが幾人も血まみれで倒れ、ドレドロンの兵士と思しき戦士たちが大柄な魔物を相手取って戦っています。竜に乗って駆けつけると、キミの存在と異名を知る兵士たちは一瞬で士気が上がり、一方の魔物は驚いたのか連携を崩し、ドレドロン側が優位に立ちます。

 しかし、チャッカの登場と時を同じくして、海からズザザザッと這い上がってくる巨体の魔物が!

【チャッカ】「おおっと、大将のおでましかい?」
GM 一旦、地上に降りてそいつと兵士たちの間に入ったでいいかな? 向こうが先手だと、蹂躙してしまうw
チャッカ いいです、積極的にかばっていくスタイルですから。割り込みましたー
GM はい。では、そいつは兵士たち全員に聞こえるように魔法文明語で何かを宣言し、チャッカに襲い掛かってきます。
『レンドリフト帝国が一将より、ドレドロン砦への布告を伝える。七夜の間に、穢れ無き人族七十七人を選び出し、奴隷として帝国に供するべし』
『七日後の夜、集めた奴隷を乗せた船を湾に浮かべよ。応じねば、汝らが砦は“再び”灰燼に帰するものと心得よ』

チャッカ 魔法文明語はわかんないんだよねぇw
GM ええーっ!? 魔神語より通じると思ったんだが。じゃあ、魔神語でも言い直すけど?w
ジュトウ 親切な魔神w
チャッカ 魔神語ならわかるw
GM どういうことだよ。ともあれ、魔物知識判定よろしく。知名度21、弱点値23。
チャッカ (ころころ)24。
GM 『BT』157頁、上位魔神ドレッドバール。先制判定は……チャッカの基準値だと6ゾロでも届かないな。こっちから動きまーす。
チャッカ まったー。その前に……ここはマルチガード、巨象守護の型を宣言。竜の全部位を2回かばう。竜の胴体が騎手をかばう。

  〔第1ラウンド エネミーターン〕

GM 了解。それじゃ、ドレッドバールの力を見せてやろう。のっしのっし前進してっと。まず、大鰐の後半身が「√テイルスイープ」。ちょうど5つ、全部対象。
チャッカ それはかばえないんだっけ?

 《テイルスイング》《薙ぎ払い》など、「自身の存在する乱戦エリア内の複数キャラクターを同時に対象とする近接攻撃」は、範囲攻撃ではないと定義されました。「庇った結果2度当たり」になる形で庇うことはできませんが、庇う側が直接の対象とされていない場合のみ、割り込んで庇うことができます。

チャッカ 今回は庇えないと。では(ころころ×5)
GM チャッカ本体と、胴体と翼2が当たりだね。(ころころ)順に22点、25点、20点。
チャッカ チャッカはダメージ消えた、胴が…4点通し。翼も同じ。
GM マジで? さらに、ワニの前半身が鈎爪と牙で2回攻撃。これは両方ともチャッカに行って……1回目は竜の胴体に庇われる。自動命中で(ころころ)27点。
チャッカ 巨象守護で+4。2点通し。(ころころ)2回目はチャッカに命中。
ジュトウ かってぇw
GM これ、グレーターデーモンなんやで? (ころころ)30点。
チャッカ おっと8点も来ました。
GM くっ……人型の上半身は《強化魔力撃》するぞ! これもチャッカへ。命中は29で(ころころ)41点! どやあ。
チャッカ (ころころ)かわせず、19点です、さすがにやりますね。
GM ば、バカな……と、上位魔神(笑)ドレッドバールが呻いたところで、カメラは別の場所に回します。続きは後でw
ジュトウ ふ、不憫な……。


   ■4.シャダラ山脈ケンネル門付近


GM お次、ユーレリア西端を遮るシャダラ山脈の北側、ケンネル巨大門近くの山中です。ジュトウ、山篭り瞑想シーンをはじめてください。
【ジュトウ】「すぅーーーーーふしゅるるるるる」
GM 牙の間から空気が漏れとる。
【ジュトウ】「……ZZZZzzzzz....フゴッ」
GM 寝てたーーーーーーっ!?
ジュトウ 蚊が飛んできたら舌で巻き取ってそのまま飲みます。
GM ぬぅ、仙人なのに霞を食っていないだと……まあいい。えー、ここシャダラ山脈は、ユーレリア地方とレンドリフト地方を隔てる境界線です。両地方を行き来するには海路を使うか、山脈中央を塞ぐケンネルの巨大門を通るかしかありません。高さ50m、幅100mにも及ぶ巨大門はかつては閉ざされ、堅牢な城塞でしたが、現在では開きっ放しで、閉ざす手段は失われています。砦が築かれ、守るに易い防衛施設であることには変わりありませんけれども。
ジュトウ ほぅほぅ
GM さて、ジュトウ。きみは今、巨大門の近く、足元に雲が漂うような高峰で岩の上に座しています。目を閉ざし、瞑想に耽るきみですが、ふとその耳に、麓近くから異音が届きます。
【ジュトウ】「……ム?」ぴくり
GM その発生源は数百mは下方の巨大門。常人には到底聞き取れなかっただろう距離ですが、確かにきみの耳に届いたそれは、戦の怒号と剣撃の響きです。
【ジュトウ】「……ふむぅん。くぁーーーー」 欠伸一つして、首をこきこき。
GM 今日は霧が深く、そう標高の高くないこの場所にも、足元を雲のように霧が漂っています。その霧が立ち込めた獣も通らぬ崖道の下に、ケンネルの巨大門があるはず……
ジュトウ おもむろに【ストライダーウォーク】して足音を消しつつ発生音源方面へ歩いて行く。折角だから雲を踏みしめて、すたたたた。
GM 崖では、足を止められないようですね。それじゃあ、一切のタイムラグなく、真っ直ぐきみは巨大門を見下ろす位置へ。滑るように雲を渡り、瞬く間に山を下りたきみは、黒煙を噴き上げて陥落するケンネル巨大門の砦と、砦を蹂躙する魔物の群れを目撃します。いずれも人型に近い異形の魔物ですが、中にはきみが目にしたことのある種もいます。どうやら魔神の群れですね。数十体規模。
【ジュトウ】「……ほぉぅ、崩したか」
GM 既に戦闘は終結したらしく、砦の内外には死屍累々と兵士たちが骸をさらしています。が、ふと視線を巡らせると……一騎の騎兵が砦から飛び出し、ケンネルの街に向けて駆けていきます。馬の背には遠目にも負傷した兵士が伝令の旗を掲げて跨っています。
ジュトウ 伝令兵さんの移動速度はどれ位?
GM 軍馬だから、25かな。魔神の群れは西のレンドリフト側から砦を襲撃したらしく、伝令兵の行く手を遮る者はいません。しかし、兵士に続いて数体の魔神が飛び出し、その背中を襲います。眼下に魔神の吐いた炎が閃き……ナムアミダブツ! 伝令兵はあえなく背を焼かれて落馬!
ジュトウ おお、やられてしまった
GM ……というところで手を出せそうな位置関係までやってきましたが、いかがします? 兵士の生死は分かりませんが、6〜8レベル程度の魔神が3体ほど、トドメを刺そうときみの見下ろす先に転がる彼へと殺到していきます。
ジュトウ 「お主ら、このじじをゆっくり寝かせてくれんのか」 勿論介入する。
GM きみの速度に反応できる魔神はいませんな。では、回避17、防護点7、HP46の魔神ダルグブーリーが3体、同じ乱戦エリアにいる前提で、命中力判定とダメージ決定をお願いします。
ジュトウ ならば【スフィンクスノレッジ】【ガゼルフット】【マッスルベアー】【ビートルスキン】【メディテーション】【ケンタウロスレッグ】【ジャイアントアーム】【フェンリルバイト】。3点魔晶石がぱぱぱぱぱぱぱっぱんっ。【ヴォーパルウェポンS】《テイルスイング》《魔力撃》を宣言。

 ゴウランガ……おお、ゴウランガ! ジュトウがその竜の如き口から鋭く呼気を吸い込むと、周囲を漂う霧までが戦慄したかのように退いて行く! コワイ!

ジュトウ まず《テイルスイング》分の命中。(ころころ)40。
GM 誰も、「目標値は相手の達成値の2倍」とか言ってないからね?

ジュトウ r11+44@10**3 こうかな?
(ダイス) Jutou -> Rate11+44@10 = [4,5:5]+44 = 49
(ダイス) Jutou -> Rate11+44@10 = [4,3:3]+44 = 47
(ダイス) Jutou -> Rate11+44@10 = [5,5:6]+44 = 50

GM い、一応生きてる、よ……? 尻尾で撫でられただけでみんなHP一桁だけど。
ジュトウ 続いて【フェンリルバイト】ぶん。がぶがぶ
GM おっと待った。その前に、《追加攻撃》分を。
ジュトウ おっと、そうかこっちが先だった。(ころころ)命中38の(ころころ×3……)47点とか46点とか。ぺちぺちぺち。
GM うーん、どいつもこいつも、その「ぺちぺち」でHPがマイナス30を割り込みました。

 哀れ、倒れた騎兵に群がらんと殺到した影の魔神たちは、天から降ってきた竜仙の尾のひと薙ぎで爆裂四散! インガオホー!

ジュトウ じゃあ、人族の伝令兵の息を確かめよう。呼吸あるかい?
GM かろうじて息があるものの、最早気力体力ともに尽き、今まさに息を引き取るところのようです。しかし、霞む目を意思の力で開き、君の姿を認めた兵士は、か細い声で語りかけてきます。
【ジュトウ】「むぅ……すまぬ、じじの力ではお主の命を救えぬ様じゃ。何か遺言はないか?」
GM/伝令兵 「あ、貴方はもしや……シャダラの御山に棲まうという竜仙様……?」
【ジュトウ】「いかにも。このじじが白髭泰君よ」
GM/伝令兵 「おお……これぞ神のお導き。どうか、お願いします。王に、我が王にお伝えください。双剣の上位魔神率いる軍勢により、我らが砦は壊…滅…。上位魔神が我らに宣した言葉が、懐の…文に…(がくり)」
【ジュトウ】「双剣の上位魔神、とな? お主の王とは……逝ったか」
GM 伝令兵と見えたこの男、どうやら下士官の一人だったようです。少し立派な鎧には、ケンネル王国の紋章と騎士の徽章が飾られています。そして、彼の懐を探れば、家族に宛てた手紙と、王への伝紙が。
【ジュトウ】「ケンネルといえば“板挟みの王”じゃったかの」髭をしごきつつ手紙を改めよう
GM 伝紙は、余程急いでいたのか、封蝋もしていない剥き出しの紙です。ケンネルのジェイムズ王宛てであることと、一文のみが認められます。

 『レンドリフトが支配者の名において、ケンネル大門を占拠する。以後、この大門は何人の通行も罷りならぬ。故無く近づく者には、相応の報いが下されるものと覚悟せよ』

【ジュトウ】「セヴルスの小童が暗躍しちょると聞いたが、こりゃあ内部の手だけではなさそうじゃのぅ」 家族宛ての方は、名が分かるなら中身は改めぬ
GM はいです。魔神の軍勢に奪われたと思われる砦には、まだ相当な数の魔神がいるようです。国同士の問題なのかもはっきりしませんし、きみ一人でどうにかできる保証はありませんな。
【ジュトウ】「やれやれ、世俗のしがらみには関わらぬ事とした決意はどこへ行ったのじゃ。まぁよい、せめて伝令役だけでも引き受けようぞ」
ジュトウ 兵士の遺骸を道端に。作法は解らんから適当に弔って。それから、伝令の兵士の家族が居そうな方に向かおう。
GM はい。巨大門からはケンネルの首都へ向け、街道が延びています。恐らく家族も、もちろん王もそちらでしょう。きみは、魔神の蠢くざわめきを背に、ケンネルへと向かいます。
【ジュトウ】「引き受けるのは、遺言を届けるだけじゃ、それだけじゃぞ……」としきりにおのれに向けて呟きつつ、ケンネル方面へ。
GM さて、時間は少し巻き戻ることになりますが、ジュトウが自分に向けた呟きを零すことになる前日……ドレドロンへカメラを戻しましょう。

 ■再びドレドロン

GM チャッカ。目の前には唖然とした表情ながらも「な、ならば魔法を……」と、【フォース・イクスプロージョン】と「〆氷雪のブレス」の構えを取るドレッドバール=サンがおります。きみの手番。
【チャッカ】「…終わり?じゃあ、あたしたちの番ね」 宣言特技は巨象守護の型、ストームライド。練技【ビートルスキン】【メディテーション】【アンチボディ】【ストロングブラッド】【スフィンクスノレッジ】、さらに鼓咆【強靭なる丈陣U:精定】、そして【八面六臂】
GM 《ストームライド》は円を描くような空中機動で、騎獣の判定にボーナス修正を得る秘伝でしたね。続きどうぞ。
チャッカ 精定で上げるのは精神抵抗にしとく。ここは…攻撃かな。自身はフォースイクスプロージョンを撃つ。ドラゴンは頭がブレス。あ、ちなみに炎ね。で、胴と翼が全部前半身に攻撃
GM はいはい。好きな順番でどうぞ。

チャッカ 2d6+21+2 【フォース・イクスプロージョン】行使判定
(ダイス) Chukka -> 2d6+21+2 = [5,4]+21+2 = 32

GM ……失敗でちゅ。4d振らないと抵抗できない。
チャッカ r30+21+2@10**3
(ダイス) Chukka -> Rate30+21+2@10 = [2,1:2]+21+2 = 25
(ダイス) Chukka -> Rate30+21+2@10 = [2,5:7]+21+2 = 30
(ダイス) Chukka -> Rate30+21+2@10 = [1,4:4]+21+2 = 27
GM うむ、3割から4割ほど減りました。コア部位あと61点。

チャッカ 2d6+21+2 続いてブレス
(ダイス) Chukka -> 2d6+21 = [4,3]+21+2 = 30

GM ……<剣の欠片>があれば抵抗できたかなあって感じ。だが、そのブレスは自分も巻き込む……って、竜もチャッカも炎無効(笑)

チャッカ r40+21+2@10**3 そのための炎だしw
(ダイス) Chukka -> Rate40+21+2@10 = [6,4:11][1,4:6]<クリティカル>+21+2 = 40
(ダイス) Chukka -> Rate40+21+2@10 = [1,2:4]+21+2 = 27
(ダイス) Chukka -> Rate40+21+2@10 = [2,4:7]+21+2 = 30

GM あふん。しかも、弱点なのですよ。《弱点看破》は自分の騎獣には乗りそうだなあ。コア部位はあと15点。
チャッカ じゃあ、胴の攻撃から(ころころ)27。(ころころ)当たれば25点。
GM 9点通し。あと6点。
チャッカ 翼が(ころころ)28。(ころころ)29点。
GM 落ちたよ?
チャッカ はい残念賞ー♪
GM きみ、攻撃特技皆無のタンクだよね? これ、グレーターデーモンなんやで?(天丼)
チャッカ ドラゴンがいるから(真顔)
GM ……まあ、ともあれ。キミがドレッドバールを屠るのと前後して、ドレドロンの兵士たちも雑魚魔神との戦闘に勝利し、マーマンたちや負傷者の救助を開始します。
【チャッカ】「…これでひとまずは落ち着いてきたかしらねぇ」
GM もちろん、チャッカは騎竜ともども英雄扱いですよ。そして、30分後。きみは、ドレドロンに滞在していたマーマンの長、アネモスやドレドロン王の側近らと会議室のテーブルを囲んでいます。もち、負傷者の救助などは終えた後です。結構被害あったみたいですが。

GM 族長アネモス「……チャッカ殿の奮戦によって大過無きを得たが、これは……容易ならざる事態じゃ」
【チャッカ】「そうね…海賊がよく来るって話ならあたしも知ってるけど、魔神が大挙して攻めてくるなんて普通じゃないわ」
GM/重臣A 「聞けば、レンドリフトの名で布告があったとか?」
GM/重臣B 「奴隷を差し出せなどと……これまでそんな直接的な要求をしてきたことはなかった。何かの間違いではないか」
【チャッカ】「でも確かにそう言ってた…そうよ。それは間違いないわ。その話自体が本当かどうかはわからないにせよ、ね」
GM/重臣C 「しかし、7日の猶予というのは解せません。本当にそんな要求を突きつけるのならば、今すぐにと言いそうなものです。これは、奴隷を欲しているのは本当でも、あちらにもそれをどうこうする準備ができていないのではないか」
【チャッカ】「つまり、向こう側になんらかの儀式なりの準備期間が必要なんじゃないかってこと?」
GM/重臣C 「さよう。『穢れ無き』という条件づけも奇妙ですしな。魔神と関連づけて考えるに、レンドリフトの名を騙る悪漢、邪術師の類が裏にいるのでは?」
GM/アネモス 「しかし……レンドリフトの名を出す意味が分からぬ。それも「帝国の一将」と妙に具体的だ。直接でなくとも、やはり関連はあるのやもしれぬ……」

 会議は踊る。情報不足のために目指すべき方向性を見出せないようです。

【チャッカ】「…うーん、どうにも埒が明かないわね……こうなったら、直接状況を見てくるしかないかもしれないわね」
GM/アネモス 「レンドリフトが関わっているとしても、7日の猶予が相手の準備不足を意味するという意見には信憑性がありますな。此度の襲撃、陽動の一種なのではあるまいか……」
GM さて、ここでチャッカはふと、思い出すことが。他の兵士たちは戦いの真っ最中で聞き逃したようですが、ドレッドバールの宣言の末尾。

 『応じねば、汝らが砦は“再び”灰燼に帰するものと心得よ』

チャッカ ああ、そういえば言ってたね…
GM 関連する知識があるかどうか、見識判定してくだせえ。
チャッカ (ころころ)22。
GM はい。では、過去にもドレドロンは「灰燼に帰した」と言える被害を受けたことがあります。そして、ドレドロンはその時だけ「砦」と呼ばれていました。

◆ドレドロン砦を陥とした将軍
ドレドロン王国がドレドロン砦と呼ばれていたのは、魔法王イーレンヴァイトが最後にユーレリアに侵攻した時期です。
上位魔神によってケンネルの壁が破壊され、イーレンヴァイトの軍勢がユーレリアに雪崩れ込んできたとき、海路からの侵攻を警戒して事前にユーレリアの魔法王らが築いていたドレドロン砦も同時に攻撃を受け、奮戦空しく陥落しています。
この時、ドレドロン砦攻略を指揮したのは、イーレンヴァイトの右腕と言われた将軍だったと伝わっていますが、この話に関連する、あまり知られていない事実があります。この将軍、将軍は将軍でも蛮族人族ではなく、魔神将だったようです。
実は、イーレンヴァイトが「上位魔神の召喚に成功し」「流星雨でケンネルの壁を破壊」したという伝承には語弊があります。実はこのエピソードは「上位魔神の“大量”召喚に成功した」というのが正確なところなのです。大量と言っても、20も30もいたわけではないでしょうが。
元々、イーレンヴァイトは規格外レベルの召異術師であり、実に3体もの魔神将を支配下に置いていたことが一部の記録に残っています。その内、主に戦闘を担当していた1体が「蛮族魔法王の右腕たる将軍」として人々に蛮族と誤認されたのが、この話があまり知られていない理由です。

【チャッカ】「そういえば……砦…再び灰燼に帰す…か…」
GM/アネモス 「……ああ。確かに。現在のドレドロンを砦と呼ぶのはおかしな話じゃな。如何なる意味があるものか」
GM/重臣C 「あるいは……彼の魔神めは知らなかったのかもしれません。現在のドレドロンが、砦ではないことを」
【チャッカ】「とすると……相手は、かつてここを攻め滅ぼした、伝説の魔神将ってことになるのかしら」

 チャッカがそう言うと、居並ぶ面々はギクリ、としたような顔を見せます。

GM/重臣A 「いやいや、まさか……ドレドロンが陥ちた後、戦を制したのは魔法王ユレヒトの側。当然、蛮族魔法王の右腕と言われた将軍も生きてはおらぬはず……」
【チャッカ】「……仕方ないわね。ここはあたしが出向くしかなさそうね」
GM/アネモス 「……行ってくださるか。正直、この事態は今のドレドロンの手に余ると言うほかない」
【チャッカ】「ええ。正直、あたしだけでもなんとかできるかはわからないけど。でも、このまま座して見ていることは出来ないわ。なんといっても、あの魔神を無数に従えて行動させることが出来る相手だもの。実力なんて想像も出来ないわね」
GM/アネモス 「仮にも国の体を取っている我らが御身お一人に調査を丸投げすることには恥じ入るばかりじゃが……あえて、お願い申す。我らに道を示してくだされ」
GM あらためて、重臣たちもチャッカに事件の調査を依頼します。まずはレンドリフトが本当に関わっているのかを、と彼らは言いますね。
【チャッカ】「任せて。あたしもここ、好きだからね」
GM ひとまずは魔神らがどこから現れたかも不明なので、レンドリフトとの国境、ケンネル付近から調査をお願いしたいそうです。シャダラ山脈も含め、竜で移動できるチャッカでなければ頼めない大雑把な指定ですけど。アネモス族長が好々爺の顔になってチャッカに握手を求めたところで、このシーンを終わりましょう。
チャッカ はーい

■5.ケンネル王国■
“たんぽぽ姫”セーラ・ケンネル「庇護」
“蛇眼の大使”セヴルス「貸し」

GM 最後、《ユーレリアの壁ケンネル王国》。エインセル、お待たせしました。
エインセル すみません。ようやく出番なところ申し訳ないんですが。結構……眠w
チャッカ あらら、申し訳ない
GM 予想以上にシーン4が長くかかりましたね。それじゃあ申し訳ありませんが、この先は次回としましょうか。
エインセル そうして貰えると、むしろ助かります
GM 6/12(木)が次回開催予定日。その間にどっかぶっこめるとこあったかなあ。7日か8日に突っ込めるか検討しておきます。
エインセル ではすみませんが、お先に失礼します。裏でわいわいやってるだけでも楽しかったです。日程は了解しましたおやすみなさい
チャッカ おやすみなさいー
ライナス おやすみなさーい
GM おつかれさまー。あ、そうそう。このシナリオではPCのひらめきや主体性を大事にしています。「こういうことを調べられないか」「いやむしろ、私は知ってるんじゃないか」とかあったら、ミドルシーンからは積極的に言い出してくれて構わんですよ。
ライナス はーい
GM GMが自発的に話すことだけが調査項目ではないということ。情報のまとめや分析も大事ですね。既出の情報は把握してるものという前提で進めますので。
チャッカ うい
GM それでは、また次回!


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