◆第5話『きみのための宝石』 前回の沈没迷宮探索から2週間後。 我々が迷宮から救出した冒険者グループ『風になり隊』の面々も、一部重傷を負っていたメンバーが傷を完治させたことで稼業に復帰、反省しつつも元気に次なる冒険に飛び出していった。 悠々自適に過ごす我々の前に現れたのは海軍の潜入捜査官(密偵)リフェール。 彼が恋人に買い与えようと予約した宝石飾りが、何者かによって強引にかっさらわれたという。 アイリスが持つ<蓄魔の宝珠>(魔物を支配する魔法装置<輝けるペキトの玉座>の動力源となり得る代物と推測)に意匠が似ているらしいそれを奪ったのは、どうやら盗賊ギルド員らしく、 ギルド<街道の赤い焔>の縄張りに踏み入った一行は、それらしきチンピラたちを発見したが、話が通じる手合いではなく、力による解決を行った。 叩いてのめしたモヒカン達によれば、リフェールの予約した真珠細工を横取りしたのは彼らの兄貴分、ダールの頼みで、その理由は兄貴分が恋人に贈るため。 しかし、その恋人は対立する盗賊ギルド<夜を統べる者たち>の有力メンバーの『妹』で……。 「兄貴」ないし「恋人」の足取りを求めて、<夜を統べる者たち>のお膝元【アルトゥール島北】へ向かう。 ダールは長身だが痩せ型で、黒髪を短く刈りこんでいる。女は特徴は不明だがリネルというらしい。 現在アルトゥール島北に居ると思われ、そちらに向かった。 途中、野菜売りのリルドラケン、グラッツェ氏が腐った野菜を売りつけたといちゃもんをつけられていたので仲裁したが、それを使い魔(鴉)が見て居たようであった。 アルトゥール島北へ向かうと、1話でカウフマン老人を脅していたチンピラたちと遭遇。 恫喝+袖の下で、『彼らが喋った』と口外しない約束の上、リネル嬢の住まいを教えて貰った。 なお彼らの現在の上司はウィリエンという8Lvファイター技能持ちのリアルヤクザだそうである。 彼らの話によるとダールは(妹に手を出した咎で)そのウィリエンによって既に埋められている可能性がある。 リネル嬢に会うと、ダールの件を既に知っており、憔悴していた。 ダールをなるべく救いたい(出来れば兄も説得したい)という事で、コローラサイド外縁の建設現場に彼女随伴で向かう。 なお、リネル嬢の家では、我々を使い魔と思しき鳥が見張っていた形跡があった。 コローラサイド外縁に向かう途中、記者アリッサと鉢合わせた。 彼女が言うには、最近持ち込まれた何か≒売られた例の首飾りを探している全身黒づくめの人間を見かけたという。 その後、目的地の建築現場でウィリエンとダールに遭遇。 ウィリエンはダールに確かに怒っていたが冷静に彼と妹の将来を考えており、リネルを連れて行く条件として、漢の意地と覚悟を見せる為に凶悪な幻獣(キマイラ)の住処である洞窟へ行かせた。 更に言うには、我々にダールが死なない程度に覚悟を見せた後、手伝うなら首飾りはくれてやるとの事で先に首飾りを預かった。 ダールの向かった先の洞窟でキマイラ1体(<剣の欠片>×9で強化)と、ミラーゴーレム2体と交戦し、これを撃破。 しかし、戦闘直後、好機を伺っていたらしい《恵みの杯》の暗殺者によって、アイリスが<蓄魔の首飾り>を奪われてしまう。 その際、暗殺者は「もうひとつの<魔綬>(恐らくは、依頼の目的であった真珠細工の首飾り)はしばし預けておく」と言い捨て、夜の闇の中へ消えていった。 その後、リフェールに事情を話し、相談の末に真珠細工は海軍の本部で保管・調査してもらうことに落ち着く。 また、テメリオ教団に関して情報が得られたなら、優先的に情報を提供してもらう約束を取り付けた。