◆第4話『沈める迷宮の剣』 ヴェストの街の調査から帰ってきてから2週間ほど後の首都ラスベート。 先月で収穫祭も終わり、秋季に突入したリオス一帯では、農家が冬越しの支度に入り若者が都会へ出稼ぎに来る一方、南の海で魚がたくさん獲れるようになるため、港が賑やかになってくる。 冒険者稼業に関しては、冬に備えて大規模な海運が盛んになることもあり、海賊絡みの依頼が増えている。 というのも、この地方には昔からリザードマンパイレーツを含めた海賊がたくさんいるためだ。 国軍と違って精鋭揃いのリオス海軍と激しくやり合っており、海軍も頑張っているが、手が足りないため、特にラスベート〜近郊の港町間の短期航路を行き来する船は、 護衛に冒険者を雇うのが慣例になっており、我々も先日、西にある《カイン・ガラ》寄りの港町へ行く船に往復の護衛として乗り込んでいた。 海賊は出なかったが、シーヴァルチャーという海を渡る猛禽に甲板の船員が襲われたところを撃退したりと活躍し、感謝されて帰還。ここ2、3日は、しばしの休暇中。 <黄金の誘い>亭では、アイリスの義娘リコリスの精神的成長が著しく、エルフの妖精使いであるサラと交友が深いらしい。 ところが、そのサラが、ごついエルフ男性(船乗りのザイン)に連れられ、大怪我をして帰ってきた。 命に別状はなかったが、サラが「……時間が、ないの。沈没船の迷宮に……」と呟き気絶した。 ガレド氏によると、彼らは南の海に沈没船の積荷を引き上げに行ってたはずだという。 また、ザイン氏によると、と仲間が船を喰って生まれた<剣の迷宮>に囚われており、その救出を依頼された。 ザイン氏はサラたちに「沈没船を探るために船を出して欲しい」と依頼した結果、とある遺跡から、<大破局>と前後する時期にラスベート沖で沈没した船の記録と、その積荷目録を発見。 目録にいくつかの現在では価値のある品物、そして一本の魔剣が含まれている記述を見つけ、これらを引き上げることを検討。そして下調べを重ね、船の沈んだ場所を概ね特定することに成功した。 <マーメイドドロップ>なる、エルフのように水に潜れるようになる魔法の品物をも用意した彼らは、ザインの船に乗って海上を2日漂い、ついに3隻からなる沈没船の残骸を発見。 まずは残骸の状態を確かめるため、準備もそこそこに海底へ潜ったところ、沈んだ船の残骸にある程度接近したところで、彼らの身体を不可思議な魔力が包み、船内へと瞬間移動させてしまった。 沈んだ当時のまま時間が止まっているかのように劣化していない船内と、船室の一つに出現した魔物の姿から、彼らは積荷であった魔剣が沈没船を丸ごと呑み込む『侵食型』の<剣の迷宮>を 発生させたことを悟り、異常事態に混乱しつつも冒険者らしく腹をくくった彼らは、脱出口を求めて船内を探索。 ザインは探索行の詳細は聞いていないが、苦労を重ねた彼らは迷宮の最奥に到達したものの、魔剣を手にした守護者『魔神ヴァルブレバーズ』との戦いに敗れてしまった。 ※『U』296頁、ヴァルブレバーズ。6レベルの分類:魔神 敗北を悟った彼らは緊急避難用のアイテムを用いて退避し、エルフであるサラに希望を託したが、避難所が保つのは2日、移動を考えると猶予は1日である。 ガレド氏は我らに彼らの救出を依頼、万一報酬が不足なら補てんするとしてくれた。 更に、<マーメイドドロップ>はザイン氏預かっており、残り7つ。また、船の迷宮の中は空気があって、船同士の行き来も水の中を通る必要はないそうである。 ※<マーメイドドロップ>の効果:水中で呼吸ができ、重いものを持っていてもある程度方向を定めて泳げる。名前通り、キャンディ型のアイテムで、なめている間効果が続く。30分使えて、途中で吐き出して取っておけるので水面から水底までの往復には十分。 早速準備を整え潜ると3隻の沈没船があり、船の側面には竜のマーク、船首の彫像はそれぞれ、梟の像、獅子の像、女神像がついていた。近づくと皆の体が光り、転移。 迷宮を突破するとサラとザインの仲間を発見したが、魔剣の迷宮を守護する魔神“絶剣の守護者”アザードリゥズ(ウィープヴァルブレバーズ)と壮絶な死闘となった。 苦闘の末に魔神はアイリスの手で討伐、魔剣ウィープスペイスは回収され、彼女のものに。要救護者の救出も無事完了した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■沈没船の迷宮攻略 ◆地図: http://goo.gl/ITw1N エミー&ウェル、1の部屋に出た。(女神像があったので推定女神の船) 扉のプレート『扉は船内へと続く。しかし、開いたものは呪われる』 宝箱のプレート『箱には財貨が眠る。しかし、開いたならば扉は閉ざされる』 女神像は片手にカバンか何かを持つような姿勢をしているが、何も持っていない。像の足元には、『人は技を誇り、連なる文明の鍵にて財を守る』と刻まれたプレートが貼られている。 エミーの手には小さな鍵が何時の間に入っていた。 リニトス&ジェラード、ログハウスに出た。(知恵を試されたので推定梟の船) 『汝はただ1枚の銀貨と2つの宝珠を得た』 『赤き宝珠に触れたならば、汝の財は2倍に膨れる』 『青き宝珠に触れたならば、汝は財たる銀の価値そのものに触れ、一と十、十と百、百と一を入れ替えることを許される』 『14の手順にて、汝が財を1千の銀貨とせよ。手順の誤りを認めるならば、監督官に申し出よ』 →2→4→8→16→32→64→128→256→512→(青)251→502→(青)250→500→1000が正解。 正答を当てた所、景品として『バナナ(?)』を渡され、案内小人は消失。(リオスはテラスティア世界で南方に位置するのでバナナは普通に見られる) 一応、増えた1000G(?)も持ち出した。 出ると1の部屋の外で、像は予想通り梟だったが、羽がそぎ落とされていた。 アイリス&ジネットは密林に出た。 しかし剣の迷宮だけあって不自然な一本道が続いていた。 先に行くと扉だけ(どこでもドア的な)が立っており、その前に居た獅子を倒すと100G相当の「大きな牙」を落とした。 ドアの先に行くと矢張り部屋1を出た所で、像は雄々しい獅子だったが、左右の前脚の爪と、開いた口の中に両牙がなかった。 北側の扉には梟の印があり、1,2,3のナンバリング(フェイダン地方語で) 南側の扉にはいずれも「何かを手に持っているらしい人族の立ち姿」が描かれており、4,5,6のナンバリングがされていた。 ※全て廊下側から引く扉。扉の材質や、同系統の絵柄に差異はない。 それぞれが現れた船には、梟、獅子、女神の船首像が象徴するリドルやトラップ、魔物などが配置されている。 これらをクリアすることで、当初は一部が欠けていた船首像のパーツが手に入る。 メッセージ。『竜は翼を震わせ、爪牙を鳴らし、悠久の時を閉ざされし最奥にて待つ。竜に等しきを揃え、覚悟と共に挑むべし』 全ての像を完成させ、竜に挑めという事か? 女神像部分はいらない子?>翼+爪牙 ●合流するまでに獲得したアイテム エーミール:<小さな鍵> アイリス:<大きな牙> ウェルナンデス:<大きな爪>(獅子の像にジョイン) ウェルナンデス:<欠けた片翼> 梟の船首像に翼を付けると、牙や爪を付けた獅子像と合体し、竜の紋章となった。 直後、その床には船倉へと続く跳ね上げ階段が出現。降りると救護対象の冒険者がおり、そして守護者が出現した。 ●“絶剣の守護者”アザードリゥズ(データ⇒ http://goo.gl/Fvh3M ) このキャンペーンでは初めて登場する「名前を持つ魔物」。 魔神ヴァルブレバーズを原型としてるが、この迷宮を作った魔剣によって強化され、また魔剣そのものを手にしていることで、世界に唯一この個体しか存在しない魔物となっている。 アザードリゥズを倒し、得られた魔剣データは以下の通り。 “断裂の魔剣"<ウィープスペイス>  基本取引価格:取引不能 知名度:16(27)  製作時期:不明  <カテゴリ>ランク:<ソード>A 形状:刀身を構成する楔型の薄刃が、継ぎ目もなく無数に連なった直身の長剣 概要:瞬間的に空間の連続性を切断/再接続し、広範囲に影響を与える   ■数値データ |用法|必筋|命中|威力|追D|C値|備考 |1H|20|+1|25|±0|10|[刃][魔] |2H|20|+1|40|±0|10|[刃][魔]   ■ランク効果 「〆断裂の刃嵐/命中力(+7)/回避力/半減」  魔剣の刃を同時に、複数の座標に出現させ、振り抜いた先の空間すべてを薙ぎ払います。近接攻撃を「射程:30m」「形状:貫通」として行い、対象に斬撃属性の物理ダメージを与えます。  この能力は、1日に1回だけ使えます。また、使用すればMP10点を消費します。 「☆断絶の刃裂/必中」  特定の条件下でのみ使用できる能力です。通常の宝物鑑定判定などによって、この能力の詳細を知ることはできません。   ■非ランク効果 「○デュアルスケール」  使い手に合わせて、魔剣自体のサイズが変更されます。この魔剣の必要筋力は「使い手が初めて手にした時に定めた任意の値」か「20」のいずれかから、使い手が任意のタイミングで選択できます。  数値データに示された威力は、必要筋力20の場合の値です。必要筋力が変更される場合、合わせて威力も増減します。 「○スプリットエッジ」  この魔剣による攻撃では、斬撃属性の物理ダメージを与えることを選択できます。   ■由来と逸話  伝承に謳われる<断裂の魔剣>は、アイヤール帝国皇帝の証として知られる<崩砦剣>や、<大破局>の折にあらゆる蛮族の頂点に君臨した“蛮王”の力を宿す<蛮王の剣>などに代表される、人の力で制御し得る限界に近い魔力を秘めた『第五世代』に分類される魔剣です。  物質が存在する空間そのものに干渉する魔力を持つとされ、「極めて広範囲に大規模な破壊をもたらす」「いかなる強力な防護が施された魔法の品物でも完全に破壊する」など、強力無比な能力を有していたと伝えられていますが、現在では作成者も所在も不明であり、実在すら危ぶまれています。  一方で、「空間に対して干渉する」この魔剣の能力を部分的に再現したレプリカは何本か製作されたらしく、能力の再現率や完成度にばらつきは見られるものの、これらの劣化コピーも総じて<断裂の魔剣>と呼ばれ、現在でも稀に遺跡や<剣の迷宮>から発見されるようです。  この<ウィープスペイス>が、いつの時代、何者の手で鍛えられたのかは定かではありませんが、「空間の連続性を切断/再接続する」という<断裂の魔剣>の系譜に連なる能力を有し、沈没船3隻を丸ごと呑み込む規模の迷宮を創り出した事実から見て、かなり完成度の高い複製品である可能性が高いでしょう。  なお、この魔剣は、前述の「必要筋力として選択し得る任意の値」を定めた者を、自らの所有者と見なします。所有者が死亡するか、自らの意思でこの魔剣を手放した場合、この魔剣は新たな使い手を求めて『侵食型』の<剣の迷宮>を生み出します。