妖精郷エリア解説


エリアマップ

【1】 崩れ行く場所
 最近、不安定さを増しつつある妖精郷において、その予兆が最も濃く現れている場所。平原の真ん中にゴオゴオと風を吸い込んでいる穴があり、その内側は虹色に輝く歪んだ空間になっている。時折、穴の淵の地面が崩れ落ち、虹色の光の中で粉々になっている。
 これは妖精郷という箱庭世界に空いた亀裂である。ケットシーの一人、ニョッキによれば「妖精郷は数十年という近い将来ではないにせよ、いずれは崩壊する方向に向かっている」とのこと。
 稀に、周囲が大きく亀裂に吸い込まれる大崩落が起こる。

【2】 凍てつく山
 深い雪に覆われた山。細い山道が頂上に向けて延びているが、雪崩には注意。頂上近くには、洞窟の奥の空洞に造られた氷の宮殿があり、吹雪の妖精スカディが住んでいるほか、雪山にはウェンディゴ(⇒『CG』106頁)など、危険な生物も生息している模様。
 また、確認していないが、ミーミルによればここに「水の水晶塔」が存在する。

【3】 闇の樹
 闇に覆われた一本の大樹が佇む小さな広場。樹木は闇の妖精シェイドの住処である。樹にできた影に飛び込んで行くシェイドたちから「<夜の妖精郷>に行く」という謎の発言を聞いたことも。
 幾度か下位魔神が出現しており、シェイドたちはこれを迷惑に思っている。

【4】 火柱の塔
 緑に覆われた山の上に、頂上から真っ赤な火柱を噴き上げる塔が建っている。アル・メナス時代の魔動機師ダレスが研究の場としていた住居であり、彼が逝去した現在では、孫娘のように可愛がられていたエインセルの少女、スクーデルが数体のサラマンダーとともに暮らしている。
 塔の低階層にはガーディアンとしてクィンドゥームが配置された「炎の水晶塔」が存在し、解放の時を待っている。

【5】 巨人たちの墓場
 気がつくと、黒い空から降り積もる灰の中、巨大なゴーレムたちの残骸がいくつも倒れているという平原のただ中にいることに気がつく、不思議な場所。
 【白い巨塔】に住み着いているコボルドたちが、よくゴーレムから<魔材>の採集を行っている。PCも採集が可能。

【6】 骨の丘
 全長が数百mに及ぼうかという巨大な獣の骨と、その周囲にうず高く積まれた様々な骨でできた丘。<魔力を帯びた骨>などが混じっていることがあり、採集によって集めることができる。
 最近、巨獣の骨には崩壊の兆しが見える。

【7】 砂に埋もれた街
 砂嵐によって埋もれてしまった廃墟。砂塵に覆われており、乾燥地帯に見られる魔物がそれなりに出現する。あちこちに埋もれた遺物を、探索判定によって採取できる。
 廃墟の一角には洞窟があり、中には温泉の妖精ヴァンニクが集う温泉が湧いている。また、街外れの小さな祠には、かつてシーラ・ラフィーダを封印した冒険者の一人、操霊術師ラグハウトがレイスとなって留まっている。

【8】 大空の小さな家
 上空に大小いくつもの浮遊する岩塊が浮いている草原。岩塊の一つには小さな家が建っており、ルーンフォークの三姉妹が住んでいる(長女シーリィ、次女ゼラ、三女フィン)。
 彼女らは長いこと不在の主、タビットのベルゼンを待ち続けている。どういうわけか彼女らには通常のルーンフォークのような稼動限界(寿命)が存在しないらしく、ベルゼンともども不老不死の模様。

【9】 魔法陣の広場
 いくつもの魔法陣に囲まれた広場。この広場には「案内人」なる目に見えない存在がおり、「試練」を与えてくる。妖精郷が創造された当初のレクリエーション施設と見られ、果たした試練に応じて得られる「試練経験値」は希少な品物と交換できる。

【10】 炎の穴
 砂漠の真ん中に炎を噴き上げる穴が空いている。この穴は妖精郷に住まう四大の上位妖精の一角、“炎の王”イフリートの住居。穴の底には広い空間があり、幾多の炎の妖精と共にイフリートが暮らしている。
 ケットシーの一人、ニョッキの助手を務めるフリアというエインセルはここが実家。今も彼女の姉妹が暮らしている。イフリートとは面識があり、友好関係。

【11】 水路のある花畑
 魔法で自動的に動くボートが浮かんだ水路が、縦横無尽に中を巡っている花畑。花畑の中央には黒い石碑(ドライアードに花畑に入らないよう注意されたため、読んでいない)が、ボートに乗って辿り着いた広場には白い石碑が存在する。

【12】 雲海の岬
 風が吹き抜ける断崖絶壁から、見渡す限りの雲海を見渡せる。イフリートによれば、この辺りには“風の王”ジンが現れるらしい。
 パスタの友人であるスレイプニール、スーちゃんの散歩ルートでもある。

【追加1】 赤い河
 砂の川が流れる不思議な森。この川にはいろいろなものが流れに乗って流されてくる。土の妖精ノームに、箱に入ったフィーの少女、ボートに乗った蛮族など、流れてくるものは多彩。
 ボートで下流に移動した先には砂の地底湖があり、「土の水晶塔」が存在(現在は解放されている)。なお、ここで遭遇した蛮族たちは、上司?の命令によって水晶塔や<妖精鉱>を探索していた。

エリアマップ

【13】 小川と屋根つき橋
 清涼な小川に、屋根のついた橋がかかっている。実は『追憶の橋』なる魔法装置であり、橋を渡る途中で過去の情景を垣間見ることができる。
 初めて渡った際、「親友の間柄らしい黒髪の人間女性と金髪のエルフ女性が、何かを巡って意見を異にし、後の対立を思わせる」情景が見られた。エルフの女性の名は交わされた会話から、妖精郷の創造者とされる魔術師アラマユ・ハメスガダラスであり、黒髪の女性は“魔女”と思われる。
 最近訪れたときに見た二度目の幻視の中では、アラマユから「永遠の命を拒み、“魔女”を滅ぼすことを願うならば、<生命の糸車>を逆に回すように」というメッセージを聞いた。

【14】 大樹の森
 “大地の王”タイタンの住まう森。中央には天を衝くような大樹、ユグドラシルの若木が聳え立ち、その根元でタイタンをはじめ、土に親しい妖精たちが集って音楽や踊りに興じている。タイタンは俗世のことには興味を持たないようだが、妖精王とは親しかったらしく、彼から妖精郷のある秘密に関わる「ヒックリカエルの歌」を聞かされている。

【15】 大神殿
 荘厳なアステリアの大神殿。地上には転生の途中で呼び集められたアステリア信者たちの魂が集い、地下には祭祀である幻獣ジィがいる。信者たちの魂はできれば転生の道に戻りたいと願っている(一行によって理由を知ったため現在は納得している)。
 ジィは信者たちの魂を集めている理由を「安定を失う妖精郷の中で、『邪な者』を封じ続けるため」と語った。【のどかな果樹園】に住む菓子職人ラナによると、『邪な者』とは彼女の両親をはじめとする冒険者たちが数十年前に封じたヴァンパイアリリィ、シーラ・ラフィーダ。
 『完結編』開始直後、オルガとディアナによってシーラは解放され、ジィは死亡。現在はシーラを封じるために集められていた魂たちも解放され、建物だけが残っている。

【16】 花園の迷路
 色とりどりの花を咲かせる生垣によって作られた迷路庭園。迷路を抜けた先では話好きなピクシーたちがしょっちゅうお茶会を開いている。
 ピクシーたちは一月に一度、邪悪な者から認識されなくなる<妖精の透明薬>を作り出すことができる。

【17】 太陽と月と星の迷宮
 太陽と月と星の紋章が掲げられた小さな迷宮。現在は蛮族の住処となっている。最初に訪れた時には偶然にも留守を襲う形となったが、主はグラブソーンと名乗るオーガウォーロードで、【赤い河】のノームからはこのオーガウォーロードに囚われた同胞を助けて欲しいと頼まれている。

【18】 虹の根元
 ゴツゴツとした岩が無数に突き出す荒野。地平線の果てから、虹のような七色の光が空に向かって屹立している。虹の根元には魔神たちが同胞を召喚するための『門』を建造しているが、荒野全体に魔法がかかっており、徒歩では決して虹の根元には辿り着けない。
 これまでに2回、上位の魔神召喚の儀式に際して生じる甘い香りを伴う虹の激震が発生しており、上位魔神バルーサビヨーネを含む数体の魔神が既に召喚されている。
 また、確認していないが、ミーミルによればここに「風の水晶塔」が存在する。

【19】 羊ヶ原
 妖精郷に迷い込んだ人々とその子孫が住み着いている村。自由に宿泊できるほか、雑貨屋のドワーフ、スホイや村長とは親しい。たまにちょっとした依頼を行う。ある程度の品物をガメルで取引可能。

【20】 のどかな果樹園
 “蜂蜜姫”ラナと名乗るエルフの女性が経営するお菓子屋「ラナの店」がある、彼女が両親から受け継いだ広い果樹園。「ラナの店」では各種パンや菓子を購入できる。
 ラナの両親は冒険者で、数十年前、仲間と共に【白百合の谷】に住むヴァンパイアリリィと交戦、結果としてラナの両親は死亡したが、シーラ・ラフィーダをアステリア大神殿に封印している。両親の仲間の一人であるラグハウトという男性はレイスとなって逃亡、現在は【砂に埋もれた街】に造った小さな祠の結界の中に隠れ住んでいる。

【21】 鳥籠の樹
 魔法のかかった鳥籠がいくつも吊るされている大木。現在は読書好きの幻獣ディーラたちが住まいとしている。鳥籠にはたまに泥棒と勘違いされた妖精などが捕まっていることがあるが、書物と引き換えに解放してくれることも。

【22】 白い巨塔
 【巨人たちの墓場】に現れるコボルドたちが住居としている妖精郷創造当時の建造物。かつての支配者だったゴブリンシャーマンを一行が倒したため、その奴隷だったコボルドたちは一行に対して友好的。現在は【羊ヶ原】の雑貨屋スホイの元に<魔材>を持ち込んで食料と交換したりもしている。
 塔の屋上には「光の水晶塔」があり、訪れた際に所持していた<光精鉱>に反応して解放された(具体的に何がどうなったかは不明だが、複数で用を為す代物らしい)。
 また、頂上に赴くエレベーターの起動にも<光精鉱>が必要で、その中に現れた幻影の女性(『追憶の橋』が見せた過去の情景でアラマユと対峙していた黒髪の女性と同一人物)は記録された音声の中で自らが妖精郷の創造者であると語った。

【23】 七色猫のおもてなし亭
 一行の冒険の拠点となる場所。湖の中央に浮かぶテーブル状の台地へ向けて岸から橋が伸びており、テーブルの上にはグラタンの宿屋『おもてなし亭』をはじめ、ケットシーが管理する様々な施設が並んでいる。詳細はエリアマップ下部の覚え書きを参照。

【24】 妖精王の城
 妖精郷を統べる王が住まうとされる城だが、現在は【七色猫のおもてなし亭】が浮かんでいる湖の底に沈んでいる。これは管理者であるケットシー、ラザニアがまだ『おもてなし亭』の再開に気づいていないため。城を浮上させるにはラザニアを見つけなければならない。

【25】 光の樹
 光の妖精スプライトが集う大木の佇む小さな広場。スプライトたちは恥ずかしがりやで、人が近づくとすぐに隠れてしまう。
 以前、
スプライトたちの歌う不思議な歌を聴き、記録している。

【26】 花咲く丘
 享楽的な妖精たちが集い、365日年中無休で宴会を開いている花咲く丘。彼らに近づけばひたすら酒を飲まされ、宴会の余興としてゲームに付き合わされる。
 【花園の迷路】に集うピクシーが作る<妖精の透明薬>の材料である<妖精の酒>と<妖精の粉>を入手できる。

【27】 白百合の谷
 決して晴れない深い霧に包まれ、白百合が無数に咲く静寂に満ちた谷。魔法文明の遺物と思しき無数の照明が谷底を照らしているが、奥に何があるかは不明。
 現在はヴァンパイアリリィ、ディアナ・ラフィーダを長とするフラウ氏族のノスフェラトゥが住む魔境。分かっている限りではここにいるノスフェラトゥは少数である。ディアナ以外に確認しているのはバルバラと名乗る謎の(見た目は十代の少女である)女性と、ディアナの配下と思しき二人の女性ヴァンパイア。最近、ディアナの妹であるシーラ・ラフィーダが帰還した。ディアナ、バルバラの人族に対する態度は現在のところ中立〜友好的。
 第一部では、一行が妖精郷に来るきっかけとなった行方不明の少女エマが魔法によって眠りに囚われているのを見つけ、ディアナの制止を受けて撤退した後、<妖精の透明薬>の助けを借りてエマを強奪している。
 また、ミーミルによればここには「闇の水晶塔」が存在している。一行は以前、東エリアで水晶塔の解放に伴う激震が発生するのを目撃しており、闇の水晶塔は既に解放されていることが予想される。

【追加2】 逆さまの沼
 泥水を湛える大きな沼だが、何故か一部で「大地に空があり、空に大地が浮かんでいる」という天地逆転の現象が起きている。正常な空間と逆さまの空間を隔てる境界を越えると「上に向けて落ちていく」ことが分かっている。一度踏み込んだ際には、謎の蛙が出現した。

【追加3】 ガラスの森
 次第に身体がガラスになっていく、<ガラス化病>に冒された静寂の森。迷い込んだ妖精などは、ガラス化によって狂ってしまうことがあるらしい。ガラス化したスカディを倒し、<ガラス化病>を解いてやったことがある。スカディは現在、【凍てつく山】の宮殿に戻っている。

エリアマップ

【28】 薬草園
 ケットシーの一人、施療院を管理するペンネの薬草園。探索によって薬草類を手に入れることができる。その薬草を狙う蛮族などもたまに出現。

【29】 風車の谷
 【羊ヶ原】と同様、妖精郷に迷い込んだ人々とその子孫が住み着いた村。【羊ヶ原】とは交易を行っており、基本的に同じサービスを受けられる。

【30】 停留所のある丘
 田舎のバス亭のような小さな停留所のある丘。これは一種の魔法装置で、ここで時間を待つと妖精郷のランダムな場所に転移してしまう。
 <光/闇精鉱>を得ることができる、『光の/闇の輪』が現れることがある。また、アラマユまたは“魔女”によってミスリルゴーレム(⇒『BT』126頁)が配置されているが、人族には危害を加えない。

【31】 鏡の池
 葦の茂る沼地の中央にある鏡のように景色を反射させる池。この池に品物を沈めると、その持ち主の現在の様子を映し出す魔力がある。

【32】 妖精の鉱山
 鉱山の妖精ノッカーたちが<妖精鉱>を採掘している鉱山。ノッカーたちの手伝いをすれば、<妖精鉱>を分けてもらうことができる。
 鉱山の最奥にある扉の奥には、ミニングレス(⇒『BT』104頁)が封じられており、近辺に住むフレスベルク(⇒『BT』138頁)から退治を頼まれている。

【33】 煙草好きの森
 植物の魔物であるエントレットやアルラウネたちが住んでいる森。エントレットたちは例外なく煙中毒で、いつも<パイプ草>から作られた煙草を吹かしている。
 迷子になっていたアルラウネ(スラン命名・アラネちゃん)を送り届けたことがあり、その園で彼らの住まう広場で宿泊したり、森の実りの採集を許されている。

【34】 凍結海
 凍りついた海面がどこまでも続いている。“氷の王”ミーミルの住まう宮殿があり、彼の宝物庫には貴重な財宝が眠っている。

【EX1】 星空の舞台  常に満天の星空が浮かぶ青空舞台。魔法文明時代の遺産と見られ、月の妖精ドゥナエーをはじめ、多くの妖精が集って月下の舞踏会を開いている。彼らの言葉からは、舞台を使っていい日と悪い日があるようにも受け取れたが……?
 ベルゼンと最初に邂逅した場所でもある。ベルゼンは不老不死を手にしており、700年以上を生きていると自称する魔動機文明アル・メナス時代の魔動機師。永く妖精郷を放浪しているらしく、真実の一端(あるいはすべて?)を知っていることを匂わせる。