妖精郷の冒険あらすじ(完結編)

 ここでは、妖精郷を冒険する中で起こった出来事の中から、特に重要なものを1話ごとにピックアップして紹介します。
 いずれもキャンペーンの根幹に関わる、もしくはキャンペーンを進める中で再登場の機会がある重要なイベントです。
 細かい出来事については冒険の履歴、または妖精郷エリア解説を参照してください。

 重要な出来事 一覧

OP  アイヤール帝国からの依頼 ディアナ・ラフィーダとの接触

第1話 ラグハウトとの邂逅 イフリートの話 魔神の跳梁

第2話 妖精郷の詩人マルキ 虹の激震 大樹の森のタイタン 放浪のタビット・ベルゼン

第3話 妖精の鉱山を襲う魔神 ヴァンパイアの置き土産 火柱の塔の魔動機師 闇の水晶塔の解放

第4話 鉱山に封じられしもの アラマユのメッセージ

第5話 外の世界で 水晶塔を探る蛮族たち 魔神召喚の門 凍結海のミーミル ヒックリカエル?

第6話 アイリスの目覚め ルーンフォークの姉妹と<生命の糸車>

第7話 鳥篭の魔女

■オープニング

・重要な出来事1:アイヤール帝国からの依頼
 妖精郷に迷い込み、【白百合の谷】に囚われていた(あるいは保護されていた)少女、エマ・ローズワースを無事に取り戻し、<ラクシアへの転送陣>の管理者フィットチーネの力を借りて妖精郷から脱出した一行は、前代未聞の偉業?を成し遂げた冒険者として一躍、大変な名声を手にします。
 そんな一行の噂を聞きつけ、訪ねてきたのは北の大国《年輪国家アイヤール》の第二皇女、ジャスティン姫。彼女は皇帝セラフィナの名代として、一行にとある依頼を持ちかけます。
 その依頼とは、妖精王が戴くという<妖精王の冠>を見つけ出すこと。伝承によれば、<冠>にはあらゆる妖精を従える魔力があるとされ、もしも上位妖精すら従える力を持つ<冠>が実在するなら、リスクコントロールの観点から言ってもアイヤール帝国には見逃すことのできない代物です。
 <妖精王の冠>に関する情報を集めてその秘めたる力の真偽を確かめ、可能なら<冠>を入手すること。それが叶わないならば悪人に利用されないよう破壊してしまうこと。これが帝国の依頼でした。どちらかと言えば、<冠>を使うことよりも、使われないように確保しておくことが主目的のようです。
 依頼の場に居合わせたリズとスランは、この依頼を引き受け、ジャスティン姫が連れてきたアイヤールの冒険者、タビットの魔導師カリーナとエルフのフェトル神官エルを協力者としてパーティに迎え、再び妖精郷へと旅立ちます。

・重要な出来事2:ディアナ・ラフィーダとの接触
 一方その頃、一足先に妖精郷へと舞い戻っていたオルガは、大胆にも単身、【白百合の谷】の主人であるヴァンパイアリリィ、ディアナ・ラフィーダのもとを訪れていました。
 強力無比なヴァンパイアでありながら争いを好まず、知らずに谷へと入り込んだ一行を「もう入らないように」と警告するだけで返したディアナに対し、彼女の保護下にあったエマを<妖精の透明薬>の助けを借りて強引に奪取したことを負い目に感じたオルガは、それを詫びるとともに、ディアナから話を聞きたいと思ったようです。
 幸いにも、前回の侵入とエマを連れ出したことを咎められることはなく、ディアナの従者バルバラ(二十歳前の人族の少女……に見える何か)に案内され、谷の中ほどにある庭園を訪れたオルガは、ディアナとの会話の中でいくつかの事柄を聞き出します。

 ディアナの話
・ディアナの一族は人族にも争いにも興味がなく、現在の目的は封印されている“魔女”と呼ばれる人物を目覚めさせ、妖精郷の主とすることである。動機は不明。
・妖精郷を創造したのは実はアラマユではなく、彼女の親友であった“魔女”である。何らかの理由で親友と争うことになったアラマユは、彼女から名前を奪うことで封印し、彼女の記録を抹消した。
 “魔女”が“魔女”と呼ばれている理由、またアラマユが彼女の記録を消した理由は、“魔女”に施された「覚めない眠り」の封印が、その名前を呼ぶことで破られるため。
・また、アラマユは眠れる“魔女”の監視役として妖精王を用意した。妖精王は、その名に反して妖精そのものではなく、アラマユによって創造された魔術的な存在である。
 妖精王も“魔女”と同様、現在は何らかの事情で眠りについている。【妖精王の城】の<王の間>で妖精王の名を呼べば、妖精王は眠りから目覚める。なお、“魔女”の所在は不明。

 これらを語った後、ディアナは【大神殿】に封印されている妹、シーラ・ラフィーダの救出に協力するようオルガに要請します。シーラはかつて、ディアナが谷を留守にしている間に侵入した人族の冒険者(【のどかな果樹園】にいる菓子職人の少女ラナの両親とその仲間)と戦い、その一人が行使した【コール・ゴッド】によって【大神殿】に強制転移させられ、事前に用意されていた<守りの剣>によって封印されてしまったのです。
 【大神殿】には守護者であるジィがいるだけでなく、アステリア神の加護によって邪悪な存在を立ち入らせない結界が存在していました。そのため、ヴァンパイアであるディアナは自身だけでは妹を救出することができず、人族であるオルガに助力を求めたのです。
 熟考の末、オルガはいくつかの条件の下にこの要請を受け入れ、ディアナらと共に【大神殿】に囚われていたシーラを救出します。再会を果たしたヴァンパイアの姉妹はオルガに感謝しましたが、解放された直後のシーラによって、【大神殿】の守護者であったジィは殺されてしまいました。
 現在、【白百合の谷】にはディアナとシーラ、ディアナの配下である二人の女性ヴァンパイアとバルバラ、合わせて少なくとも5人のノスフェラトゥが存在しています。もっとも、ディアナ以外の正確な種族やデータは判明しておらず、バルバラに至っては人族なのか蛮族なのかさえ不明です(唯一行われたディアナに対する魔物知識判定の結果は、達成値=知名度での「ヴァンパイアリリィ」)。

 



■第1話
[ミッション]贈り物を探して欲しい
 猫妖精ニョッキの頼み。同僚のドリアに贈るプレゼントを一緒に探して欲しい。
[サブミッション]<妖精郷の鐘>の材料を集めてほしい
 猫妖精フィットチーネの頼み。妖精郷の安定を取り戻すため、<妖精郷の鐘>を新たに作りたい。その材料となる<妖精鉱>を集めてきて欲しい。

 <鋼の工房>を管理する鍛冶師の猫妖精ニョッキは、「オーホホホ!」が特徴的な付与術師の猫妖精ドリアのことが気になるようです。ドリアに贈り物をしたいと思ったニョッキは、ドリアに贈るのにふさわしいプレゼントを一緒に探して欲しいと一行に頼み、同行することに。
 一方、<ラクシアへの転送陣>に加えて妖精郷全体のメンテナンスを手がける猫妖精フィットチーネは、安定を失いつつある妖精郷を保全するため、妖精郷の魔法を維持する<妖精郷の鐘>を交換したいと考えました。彼女の古い知人によって新しい<妖精郷の鐘>を鋳造する施設が既に建設されており、あとは材料となる<妖精鉱>を集めるだけ。一行は冒険のついでに<妖精鉱>の収集を引き受けます。

・重要な出来事1:ラグハウトとの邂逅
 ニョッキの贈り物候補である<砂の薔薇>を求めて【砂に埋もれた街】を訪れた一行は、穢れ除けの結界によって守られた小さな祠に隠れ住んでいた1人のレイス(⇒『BT』103頁)と邂逅します。
 元は人間の男性であったらしいレイスは、ラグハウト・ヴェルス・アールヴヘイムと名乗り、【大神殿】の守護者であったジィの盟友であり、【のどかな果樹園】の菓子職人ラナの両親の冒険者仲間であり、そしてシーラ・ラフィーダを封印した張本人の一人であることを告げます。
 彼がレイスとなったのも、シーラの封印と前後して、シーラ自身や駆けつけてきた強力なノスフェラトゥによって次々に仲間が斃され、高位の操霊術師だった彼が緊急手段として【レイス・フォーム】を行使し、肉体を捨てて逃亡したためでした。以来、彼はディアナ達からの追撃から逃れるため、探知の魔法などを防ぐ結界の中に隠れて時を待っていたのです。
 ラグハウトは、次の情報を語った上で、いつか力をつけたならディアナやシーラを倒して欲しいと一行に頼み、倒したヴァンパイアリリィを完全に滅ぼす手順(⇒『BT』62頁「○復活」)を教えます。彼が語った情報の中には互いに矛盾するものもありますが、ラグハウト自身もどれが真実であるかは知らないようです。

 妖精郷について
●伝説:妖精郷は、デュランディル時代の女魔法使いアラマユ・ハメスガダラスによって造られた箱庭世界である。
●アラマユ:アラマユ・ハメスガダラスは、デュランディル時代の優れた魔術師であり、妖精使い。妖精郷を建設し、“妖精女王”の異名で呼ばれたが、妖精郷の消滅とともに姿を消している。黄金色の長い髪と、緑色の瞳を持つ美しいエルフの女性だった。
●秘密:妖精郷はアラマユとは別の“魔女”と呼ばれる女魔法使いが造ったものだ。“魔女”の名を呼ぶことは禁じられている。
●真相:“魔女”は永遠の生命を得るために妖精郷を造った。衰えることのない強さと美しさを求めた“魔女”は“不死神”メティシエの誘惑に負け、妖精の信仰を集めて“妖精神”となったと言われるアステリアのように、自分も妖精たちの信仰によって神になろうとした。そのための祭器として妖精を支配する<妖精王の冠>を作り、自らを奉じる巨大な神殿として妖精郷を造り上げたのである。
●アラマユの真実:アラマユは親友であった“魔女”を倒し、その計画を阻止した。しかし、完全に滅ぼすことはできず、妖精郷のいずこかへ封印した。その後、妖精郷をラクシアから隔離したのはアラマユであり、その目的はマナの供給を絶つことで妖精郷ごと“魔女”を滅ぼすためである。従って、“魔女”が封印され続ける限り、来る将来における妖精郷の消滅は、住人の全滅を含めて免れ得ない。
 後世、“魔女”の名はあらゆる書物から抹消され、妖精郷の建設を含めたその業績も、“妖精女王”の称号も、“魔女”を葬り去ったアラマユのものとされた。ただし、“魔女”の名を禁じたこと以外はアラマユが意図したことではない。

 妖精王について
●所在:妖精王は【七色猫のおもてなし亭】がある湖の底に沈む【妖精王の城】、その「王の間」で眠りについている。
●情報:妖精王は、アラマユによって妖精郷全体の管理を託され、その証として<妖精王の冠>を与えられていた。
 妖精王は本来、高位の妖精ではあったが特別な力を持っていたわけではない。妖精を支配する力は<妖精王の冠>がもたらしたものである。
●秘密:妖精王は<妖精王の冠>の力によって妖精たちの軍団を造り上げ、世界を支配しようとした。そのためにアラマユによって封印されたとされている。
●真相:妖精王は、実は妖精ではなく、アラマユが“魔女”を封印する際、その力を弱めるために分離した魂の善なる部分――妖精たちを愛した“妖精女王”としての叡智と優しさを備えた心が、永遠の生命を求める狂気に支配された邪な心から離れ、具現した姿である。
 妖精王は眠れる“魔女”の監視役として眠りについており、いずれは自らの悪しき部分である“魔女”が完全に滅びることを望んでいる。しかし、一方で多数の妖精を道連れとすることに心を痛めており、妖精たちを妖精郷から逃がすためだという“魔女”の囁きに耳を貸してしまい、ラクシアへの道を開いてもいる。このため蛮族や魔神がラクシアから流入する結果となっている。
●王の目覚め:妖精王を目覚めさせるためには、「王の間」で彼の名を呼べばいい。妖精王の名は妖精たちの歌に隠されている。

 なお、セッションでは語られませんでしたが、ラグハウトはエインセルの祖先、それも複雑な事情から、彼の家系に「2つの魂を重ね合わせた、両性を持つ子供が生まれる」呪術を残した人物の弟にあたります。単身妖精郷を旅する中でエインセルはラグハウトに出会っており、彼の助力によって自らの身体に残された呪術の影響を取り除くことができました。以後は、時間経過によって魂が統合され、1つの人格と性別を持つようになっていきます。

・重要な出来事2:イフリートの話
 ディアナやラグハウトから話を聞き、妖精郷の過去に関する興味を深めた一行は、【炎の穴】のイフリートを訪ねました。イフリートは「“魔女”こそが真の妖精郷の創造者である」ことが真実だと認め、それどころかイフリート自身を含めた妖精郷に存在する<四大の王>たちはすべて、もともとアラマユではなく“魔女”と契約していた妖精だったことを明かします。
 不死神に魅入られた“魔女”とアラマユとの戦いの中、アラマユの干渉によって<四大の王>たちは一時的に“魔女”との契約を破り、アラマユに味方しましたが、本来の“魔女”が“妖精女王”の名に恥じない偉大な妖精使いであり、心優しい女性だったことをイフリートは複雑な面持ちで語ります。“魔女”を裏切ったことは、彼らにとっても苦渋の決断だったようです。
 イフリートは次の“魔女”に関する情報を語った上で、彼ら<四大の王>たちと“魔女”の間に結ばれた契約は現在でも限定的に有効であり、今の彼らは“魔女”に直接敵対するような行動を取れないこと、またアラマユの封印によって“魔女”の名を教えることもできないことを付け加えました。

“魔女”について
●存在:妖精郷を造ったデュランディル時代の女魔法使い。アラマユの親友で、妖精をこよなく愛する妖精使いとして知られていた。アラマユのものとして後世に残った“妖精女王”の称号も、本来は“魔女”に与えられたものである。黒髪に黒い瞳の妖艶な人間の女性。
●秘密:“魔女”は自らの衰えを許容できず、永遠の生命を求めた。“不死神”メティシエの誘惑に負け、妖精たちの信仰によって神になろうとし、この目的を達成するために妖精郷を造り上げたのである。しかし、アラマユによってこの計画は阻止された。現在は、妖精郷の何処かで封印の眠りについている。
●封印:アラマユは“魔女”を殺すことができず、“魔女”から名前を奪い去ることによって永遠の眠りに就かせ、妖精王の城に封印して城ごと湖底に沈めるという処置を取った。また、城には妖精王を監視役として残し、眠らせている。
 “魔女”の眠りはその名前を呼ぶ、すなわち“魔女”が名前を取り戻すことによって破られる。そのためアラマユは多くの書物から“魔女”の名前を抹消し、その名を口にすることを固く禁じたのである。
●暗躍:眠っている間にも、“魔女”は封印を破るために暗躍している。監視役である妖精王を倒させるため、妖精郷にいる者の夢に現れては「妖精王は世界を支配しようとしてアラマユに封印された」という噂を広めた。また、妖精王の眠りの中にも現れ、彼の優しさにつけ込んで、妖精たちを妖精郷から逃がすためと偽ってラクシアへの道を開かせた。

・重要な出来事3:魔神の跳梁
 道中、迷子になったアルラウネの姉妹を【煙草好きの森】に送り届けた一行は、住人であるエントレットたちから、最近、頻繁に魔神が現れることを聞きます。今のところ、特定の目的を持って活動しているようには見えないものの、たまに森の中に入り込んで来てはエントレットたちに撃退されているようです。
 以前出会ったブラウニーによれば、【虹の根元】には「歩いていては辿り着けない場所」があり、そこには強力な魔神が集っているとか。何か関係があるのでしょうか。

  


■第2話
[ミッション]<ロイヤルゼリー>を集めて来て欲しい
 猫妖精ドリアの頼み。甘いお菓子を作るために、上質の蜂蜜を採取してきて欲しい。
[サブミッション]<妖精郷の鐘>の材料を集めてほしい(継続)

 甘い物に目がない猫妖精ドリアは、いつものように高飛車な様子で一行に「お願い」をしてきます。曰く、「ケーキを作ろうと思ったらお砂糖がありませんわ! 貴方たち、<ロイヤルゼリー>を取ってきてくださいませ!」。やれやれ、といった風情ながらもドリアの頼みを引き受ける一行。フィットチーネから頼まれた<妖精鉱>の収集も続行です。

・重要な出来事1:妖精郷の詩人
 <ロイヤルゼリー>の採取場所である【大樹の森】へ向かう途中、出会ったのは妖精たちを引き連れた一人の詩人。彼はマルキと名乗り、妖精郷に迷い込んだ吟遊詩人だと言います。彼自身は妖精郷に来たことに満足しており、ラクシアに帰れなくても構わないようですが、彼は故郷にロッテという婚約者を残してきていました。
 マルキの故郷が、拠点としているラスベートの街から遠くない村だと気づいた一行に、彼は「ロッテに会えたらマルキは死んだと伝えて欲しい」と頼み、形見としてペンダントを渡します。言われたままに伝えるか、真実を告げるか迷いつつも、一行は彼の頼みを引き受けますが……。

・重要な出来事2:虹の激震
 【大樹の森】を目指す一行は、【虹の根元】を通過します。しかしその時、荒野の彼方に見える「虹の柱」が大きく膨れ上がり、大地と空を激しく震わせながら、七色の光輝を弾けさせました。後に漂う甘い香りから、魔導師であるカリーナは今の現象が古代の操霊魔法に存在した、魔神召喚の魔術に酷似していることに気づきます。
 不安を覚えながらも、「歩いてでは奥に辿り着けない」場所であることを思い出し、一行は先へと進みます。

・重要な出来事3:大樹の森のタイタン
 ついに【大樹の森】に辿り着いた一行は、<ロイヤルゼリー>の樹を見つけ、住人であったリスに似た幻獣と戦ったりしつつも、<ロイヤルゼリー>の採取に成功します。
 それと前後して、森の中心から聞こえてくる歌声に惹かれ、森の広場を訪れた一行は、そこで<四大の王>の一柱たる大地の上位妖精タイタンと出会いました。陽気な性格で、歌と踊りが大好きなタイタンは、かつて出会ったグラスランナーの吟遊詩人ポピンの歌がまた聞きたいので連れてきて欲しい、と一行に頼みます。
 タイタンはあまり難しいことを考えない性格だったため、妖精郷についても複雑なことは知りませんでしたが、後にポピンを連れて再び訪れた一行に、妖精王から教えてもらったという「ヒックリカエルの歌」を教えてくれます。

・重要な出来事4:放浪するタビット
 <おもてなし亭>へ帰る途中、小妖精のいたずらによって【星空の舞台】に飛ばされてしまった一行は、そこで一人のタビットの男性に出会います。立派な髭をたくわえたタビットの紳士はベルゼンと名乗り、魔動機文明アル・メナス文明時代の魔動機師だと語ります。
 タビットの寿命は数十年、対してアル・メナス文明が滅びたのは約300年前……この疑問に対し、ベルゼンは自分が不老不死を得ていることを明かします。また、同じアル・メナス文明時代の魔動機師であり、猫妖精のフィットチーネとも親しかったダレスという人間の男性が、かつて【火柱の塔】に住んでいたことを教えてくれました。
 去り際、ベルゼンは「あんたたちだったら、世界……例えばこの妖精郷のために、命を投げ出せると思うかい?」と一行に尋ねます。「事情による」という無難な回答に彼は笑って同意し、魔動バイクで何処かへ走り去っていきました。

 


■第3話
[ミッション]スレイプニールを捜して欲しい
 猫妖精パスタの頼み。仲良しだったスレイプニールと連絡が取れなくなってしまったので、彼を捜して伝言を伝えて欲しい。
[サブミッション]<妖精郷の鐘>の材料を集めてほしい(継続)

 <騎獣厩舎>の管理人であるパスタは、<乗り手の歌>という魔法の楽譜を歌うことで、動物だけでなく幻獣や妖精をも騎獣として召喚する特殊な技術の持ち主。彼女にとって騎獣たちは皆、親しい友人です。そんな彼女ですが、長い間<おもてなし亭>を留守にしている間に、風の上位妖精であるスレイプニールのスーちゃんを呼び出すための<乗り手の歌>が虫に食われてしまったと言います。
 新しく<乗り手の歌>を作るには、呼び出す対象であるスーちゃんと直接会う必要があるのだそう。彼女のもとへ顔を出して欲しいというスーちゃん宛ての伝言を受け取った一行は、スーちゃんの散歩道であるという【雲海の岬】を目指します。

・重要な出来事1:妖精の鉱山を襲う魔神
 道中立ち寄った村【羊ヶ原】で、【妖精の鉱山】の近くで魔神を見たので退治して欲しいという依頼を受けた一行。早速、鉱山へと向かいます。
 鉱山の入り口に陣取り、中へ入り込もうと四苦八苦していたのはそう見ないほど強力な魔神たち。何とかこれを撃破し、鉱山の住人である採掘妖精ノッカーたちに話を聞くと、魔神たちは鉱山の最奥にある「入ってはいけない扉」の鍵を探していたようです。果たして、魔神たちの目的は……?

・重要な出来事2:ヴァンパイアの置き土産
 スーちゃんに会いに行く途中、妖精のいたずらによって【赤い河】に飛ばされてきた一行は、目の前を流れる砂の川の中から1体のノームが顔を出すのを見つけます。ノームは流されながら「【太陽と月と星の迷宮】にオーガウォーロードが配下とともに住み着き、仲間のノームが捕まってしまった。助けて欲しい」と一方的に頼んで下流に消えていくのでした。
 その後、砂の川を降るためのボートを見つけて乗り込んだ一行ですが、行き着いた先は砂の地底湖。そして、その岸にはかつてゴブリンシャーマンが住んでいた【白い巨塔】で見たのと同じ、謎の水晶塔が存在していました。そのとき「この塔は対応する<妖精鉱>を吸収することで解放される」ことを思い出したオルガの身体に異変が。
 なんと、ヴァンパイアリリィのディアナは、オルガの協力でシーラを救出した直後、オルガに「水晶塔を見つけたならば、可能な限り解放するように」という使命を与える【クエスト】の魔法をかけ、さらにシーラが記憶を奪う操霊魔法によってその事実を隠蔽していたのです。
 シーラが【スティール・メモリー】にかけていた「解除の鍵」の発動によってすべてを思い出したオルガですが、【クエスト】に抗えば呪いが振りかかり、死は免れません。水晶塔の解放が何を意味するか分からず、取り返しのつかない事態になることを恐れたオルガは一度は死を覚悟しますが、カリーナをはじめとする仲間の説得によって思い留まります。恐らくは(妖精の各属性に対応する)6つが存在するであろう水晶塔のうち2つ(1つは第1部で解放された光の水晶塔)ならば決定的な事態は起こらないだろうと、この土の水晶塔を解放することにしたのです。
 この後、<おもてなし亭>に戻った一行は<施療院>を管理する猫妖精ペンネに頼んで魔法の温泉を用意してもらい、オルガにかかった【クエスト】を解除しています。

・重要な出来事3:火柱の塔の魔動機師
 また、一行はベルゼンに聞いていた、アル・メナスの魔動機師ダレスの住居だという【火柱の塔】にも赴きました。実は、フィットチーネが言っていた「<妖精郷の鐘>を新しく作るための施設を建てた知人」というのがダレスであり、第2話までで一行に必要な<妖精鉱>の半分を集めてもらったフィットチーネは、ここで作業に入り、残りの<妖精鉱>が手に入ったら持って来るよう、一行に頼んでいたのです。
 なかなか危険な状態になっていた塔を最上階まで上がった一行は、そこでダレスを「お父さん」と呼ぶ、炎の妖精エインセルの少女スクーデルと出会います。ダレスは既に故人であり、妻子をラクシアに残したまま妖精郷へと迷い込んだダレスは、親しくなった名前の無いエインセルの少女に、愛娘の名をつけて可愛がっていたのです。
 作業中だったフィットチーネも合流し、妖精郷が“魔女”を葬るための墓所であり、いずれ滅びる定めにあることを知った亡き魔動機師ダレスが、妖精郷の延命のために愛する妻子との再会を諦めてまで<妖精郷の鐘>を鋳造する魔法装置の作成に腐心してくれたことを語り、一行を含めた人族の協力に感謝を表しました。

・重要な出来事4:闇の水晶塔の解放
 土の水晶塔を解放して数日と経たず、一行とは別の何者かの手によって闇の水晶塔が解放されます。解放の際に現れる光の柱が立ち上ったのは、東エリアの方向。いまだ一行は闇の水晶塔は発見しておらず、その正確な在所も、封印を解いたものの正体も分かりません。
 推測では残る水晶塔はあと3つ。果たしてこの解放は何を意味するのでしょうか。

 あ、スーちゃんは無事に見つかりました。



■第4話
[ミッション]<七色の種>を探して欲しい
 猫妖精ペンネの頼み。様々な薬草・ポーションの材料になる<七色の樹>の種を探して持ってきて欲しい。

 <施療院>を管理する関西弁の猫妖精ペンネは、薬草園を持っています。しかし、様々な効果を持つポーションを作るにはまだまだ薬草の種類が足りないのだそう。そこで、彼はそれひとつで何十種類という薬の材料になるという<七色の種>を探してきてくれるよう、一行に頼みます。

・重要な出来事1:鉱山に封じられしもの
 途中、ペンネの薬草園に寄った一行は、土が変色し、薬草が枯れかけているのを発見。どうやら、土にマナが足りなくなっているようです。
 妖精郷でマナを供給するのに使われるものと言えば<妖精鉱>。一行は、<土精鉱>を手に入れるために訪れた【妖精の鉱山】の入り口で、空から舞い降りてきた神鳥フレスベルクに出会います。
 フレスベルクの語るところによると、鉱山の最奥にある「開けてはいけない扉」の中には、強力なアンデッドであるミニングレス(⇒『BT』104頁)が配下の首無し騎士2体とともに、人族の魔動機師(ダレスかベルゼンでしょう)によって封じられているとのこと。しかもその封印は、いずれ解けてしまうのだそうです。
 フレスベルクは妖精たちから一行の評判を聞き、巨体のために鉱山に入れない自分に代わって、いつかミニングレスを倒して欲しいと一行に頼みに来たのでした。一行は「いずれ」ではありますが、フレスベルクの頼みを快諾します。

・重要な出来事2:アラマユのメッセージ
 また、【魔法陣の広場】で「案内人」から与えられる「踏破試練」をクリアするため、【水路のある花畑】を訪れた一行は、そこで白い石碑を見つけます。どうやら、アラマユが封印したかつての親友“魔女”への手向けとして造ったもののようですが、そのメッセージには不思議な図形が添えられていて……。

 <七色の種>の採取現場では、取ったと思った瞬間、風に飛ばされた<種>を拾った巨大コアラ型の幻獣、アジャーヴィのアナフラムがスランに突然求婚し、人の文化を解さないアナフラムは「嫁は奪うもの」とばかりに一行と一戦交えます。凄まじい破壊力によって一行を追い詰めたアナフラムですが、激戦の果てに倒れ、反省して一行と友誼を結びました。
 後に<おもてなし亭>の近所に引っ越してきたアナフラムくんは、人族式の男女交際文化を学びつつ、控えめにスランに好意を示し続けています。



■第5話
[ミッション]<妖精郷の鐘>を取り付けて欲しい
 猫妖精フィットチーネの頼み。完成した<妖精郷の鐘>を四方の空に浮かぶ鐘楼に取り付けて欲しい。

 【火柱の塔】で新しい<妖精郷の鐘>を造っていたフィットチーネですが、ついに<鐘>を完成させたようです。パスタによって呼び出されたスレイプニールのスーちゃんの協力を得て、妖精郷の四方の空に浮かぶ「鐘楼」に、4つの<鐘>を取り付けてきて欲しいと頼みます。

・重要な出来事1:外の世界で
 フィットチーネの頼みを引き受けた一行ですが、その前に一度妖精郷から外に出て、買い物などを済ませることにしました。
 吟遊詩人マルキの故郷を訪ね、彼の婚約者ロッテに「彼が死んだ」ことを伝えるものの、ロッテは一行から真実を聞き出し、妖精郷に赴くことを決意します。彼女の決意は一行に支持され、妖精郷を訪れたロッテは現在、<おもてなし亭>で一行がマルキの消息を得るのを待っています。
 また、アイヤール帝国の窓口として派遣された文官には、<妖精王の冠>に関する調査の経過報告を行いました。妖精郷とラクシアに今後与えるかもしれない影響を考慮し、アラマユと“魔女”の確執など、妖精郷の本質に迫る事柄は一旦伏せておいたことは、特筆すべき点と言えるでしょう。
 この報告はある程度評価され、一行はかなりの額の調査費用を受け取ります。

・重要な出来事2:水晶塔を探る蛮族たちと、眠れるフィーの少女
 妖精郷に戻り、スーちゃんに乗せてもらって四方の鐘楼での<鐘>交換を始めた一行でしたが、安定を失った妖精郷の空では頻繁にマナの乱気流が発生していました。スレイプニールの力でも抗い切れず、地上に降りざるを得ない場面も。そうしてやってきた【赤い河】で、一行は砂の川をボートで降ってきたオーガバーサーカーの一団と戦います。
 並みの騎士10人分の戦闘力を持つ巨躯の群れを鼻歌混じりに蹴散らした一行でしたが、彼らはドレイク語で書かれたメモを持っており、どうやら妖精郷の各地に存在する「水晶塔」と、それを解放するための<妖精鉱>を探していたようです。彼らにその探索を命じた者は一体……?
 また、メモを検分していると、砂の川の上流からはまた流れてくるものが。厳重に封印された鉄の箱をこじ開けてみると、なんと中には人に近い精神を持った伝説の古代種妖精、フィーの少女が眠っていました。どうやら魔法的な封印によって眠りについていたようですが、<おもてなし亭>に連れ帰って猫妖精たちに尋ねたところ、すでにその封印は解けており、目覚めは近いようです。
 フィーは時空のずれた空間で、<トーテム>と呼ばれる強くマナの影響を受けた場所を拠り所とする種族です。何故、妖精郷で封印の眠りなどについていたのでしょうか。

・重要な出来事3:魔神召喚の門
 いくつかの鐘楼で<鐘>を交換したあと、一行はスーちゃんに頼み、かねてから気がかりだった【虹の根元】に巣くう魔神たちの偵察に向かいます。「歩いては辿り着けない」縛りも、疾風の上位妖精たるスーちゃんには関係なし。荒野の上空を進んだ彼らは、再び「虹の激震」の発生に立ち合います。
 激震発生直後、問題の場所に辿りついた一行が見たのは、荒野に建てられたピラミッド状の建物と、そこに据えられた巨大な門。そして、虹色の輝きを放つ門から現れる、白熊の姿をした魔神バルーサビヨーネでした。ここには、<魔神召喚の門>が存在したのです。
 バルーサビヨーネは上位魔神(15レベル!)です。さらには、距離を置いていたために細部は確認できなかったものの、<門>の周囲にはバルーサビヨーネを呼び出したのだろう別の魔神たちも存在しており、危険過ぎると判断した一行は即座の殲滅を諦め、一時撤退することに。とはいえ、放っておけばさらなる上位魔神や魔神将が召喚されることも考えられ、いずれは対決することになるかもしれません。

・重要な出来事4:凍結海のミーミル
 四方の空に浮かぶ鐘楼のひとつ、「ミーミルの鐘楼」の<鐘>を交換しようとした一行は、そこを守護していた水の妖精たちに、<鐘>の交換には【凍結海】にいる上位妖精“氷の王”ミーミルの許可が必要だと告げられ、【凍結海】へと向かいます。
 ミーミルに会い、力試しによる試練を乗り越えて<鐘>交換の許可を得た一行は、さらに“魔女”や妖精郷についての話を聞きだそうとします。ミーミルは重々しい口調で、次のことを語りました。

 <妖精王の冠>について
●伝説:妖精王が戴いている冠で、あらゆる妖精を支配する魔力を持つ。妖精郷を統べる者の証として、アラマユによって作成され、妖精王に与えられた。
●秘密:<妖精王の冠>は、アラマユではなく“魔女”によって造られた“不死神”メティシエの神器である。あらゆる妖精を支配すると同時に、妖精郷にある6つの水晶塔と連動して膨大な量のマナを吸収し、戴くものを神へと生まれ変わらせる魔力を持つ。すなわち妖精郷とは、<妖精王の冠>にマナを供給するために集められた妖精たちを閉じ込めておく檻であり、未だ生まれざる神の繭なのだ。
 いずれにせよ、<妖精王の冠>の魔力が神を生み出すとき、妖精郷は内部の存在すべてを含め、文字通り「完全に」消滅する。
●水晶塔:<妖精王の冠>に供給するマナを集めるための魔法装置として水晶の塔が存在する。炎、水、土、風、光、闇にそれぞれ対応しており、妖精郷の各所に配置されている。
 すべての水晶塔はアラマユによって封印されており、水晶塔を中心として描かれている魔法陣の中には「蛮族」「アンデッド」「魔神」のキャラクターは入ることができない。また、水晶塔はいかなる手段を持っても破壊することはできない。
●水晶塔の在所
 炎の水晶塔:【火柱の塔】  
 水の水晶塔:【凍てつく山】 
 土の水晶塔:【赤い河】   ※第2部、8日目に一行によって封印を解かれている。
 風の水晶塔:【虹の根元】  
 光の水晶塔:【白い巨塔】  ※第1部、10日目に一行によって封印を解かれている。
 闇の水晶塔:【白百合の谷】 ※第2部、11日目に何者かによって封印を解かれている。
●水晶塔の封印:水晶塔の封印は、各水晶塔の属性に対応した<妖精鉱>を吸収させることで解除できる。一度解かれた封印を再度封印することはできない。すべての封印が破られた時、<妖精王の冠>は本来の魔力を取り戻す。

 ミーミルの語ったことが真実であれば、既に3つの封印が解けている水晶塔がすべて解放される時、それは新たなる神の誕生の時。そして妖精郷終焉の時です。それを防ぐためには、水晶塔の封印を解放しようとする勢力をすべて特定し、対決しなければならないでしょう。

・重要な出来事5:ヒックリカエル?
 大地の王タイタンから聞いた「ヒックリカエルの歌」にひっかかる出来事がありました。大地と空が逆転しているという摩訶不思議な【逆さまの沼】で、一匹の蛙と遭遇したのです。妖精郷で使い魔以外の蛙を見るのははじめて。一行はとりあえず適当なダジャレを言ってみますが、蛙は無反応です。センスが足りないのか、何か条件があるのか、はたまたこれはただの蛙なのか……。
 ダジャレに関するアドバイスというのは、誰に求めればいいのでしょうね?




■第6話
[ミッション]ラザニアを捜して欲しい
 猫妖精グラタンの頼み。最後の猫妖精、【妖精王の城】を管理するラザニアの居場所の手がかりが得られた。彼を捜し出して、<おもてなし亭>に連れて来て欲しい。

 長らく行方不明になっていた6体目の猫妖精、ラザニアの居場所に関する手がかりが得られました。彼を見つけ出せば、<おもてなし亭>のある湖の底に沈んでいる【妖精王の城】を浮上させ、妖精王との謁見が叶うかも知れません。一行はラザニアを探しに出かけます。

・重要な出来事1:アイリスの目覚め
 【赤い河】で拾ったフィーの少女が目覚めます。彼女は「住居である<樹>の近くで生じた渦に呑み込まれ、気づいたら不思議な空間で『王様』と会っていた。『王様』は「時が満ちるまで眠っていなさい」と言い、それが最後の記憶」だと一行に語ります。
 アイリスと名乗ったフィーの少女は見た目通りに幼く(外見年齢8〜9歳)、グラタンら猫妖精たちに拠れば、拠り代である<トーテム>から離れた今の状態では数週間〜半年程度で存在を保てなくなって散ってしまうとのこと。しかしアイリスを故郷に送還する手段は今のところありません。それ以外で彼女を救うほぼ唯一の望みは、アラマユによって“魔女”を葬るため時空の狭間に追いやられた妖精郷が、再びラクシアに帰還することだとグラタンは言います。

・重要な出来事2:ルーンフォークの姉妹と<生命の糸車>
 ラザニアがいたという【凍てつく山】で吹雪の妖精スカディの住居を訪ねた一行は、スカディから「ラザニアは【大空の小さな家】に住むルーンフォークの姉妹を訪ねていった」と聞きます。その姉妹の長女シーリィとは以前に知り合っており、また彼女らはタビットの魔動機師ベルゼンの家族でもあることも聞いています。
 早速【大空の小さな家】を訪れた一行ですが、姉妹の家は火線が飛び交う戦場となっていました。10体を超えるドレイクたちが、いかなる理由によってかシーリィたちの家を襲っていたのです。駆けつけた一行は姉妹を守るために襲撃者の大部分を倒し、次女ゼラを倒したドレイクも追い散らします。
 戦いの後、姉妹の家で身体を休めた一行は、姉妹から蛮族たちの狙いがこの家に置かれた<生命の糸車>なるアーティファクトであり、姉妹とその主であるベルゼンは、この糸車に秘められた魔力によって不老不死を得ていることを聞きます。<生命の糸車>本来の用途は不明ですが、【小川と屋根付き橋】で見た幻視の中で、アラマユ・ハメスガダラスは「もし“魔女”を滅ぼすことを望むなら、<生命の糸車>を逆に回しなさい」と語っています。

 
 その後、姉妹から聞きだした「ラナの店」で一行はラザニアを発見し、無事に捕獲。<おもてなし亭>に戻ったラザニアによって、ついに【妖精王の城】が湖の底から浮上したのです。
 この帰路で一行は妖精詩人マルキと再会し、婚約者ロッテと引き会わせることに成功。二人は今後、共に妖精郷で生きていくことを決心します。また、<おもてなし亭>で待っていたロッテと親しくなっていたエインセルが、エルに代わってパーティに加わることになりました。

■第7話
[ミッション]薬草園を警備して欲しい
 猫妖精ペンネの頼み。最近、夜中に【薬草園】を荒らす何者かがいる。夕方から夜明けまで、薬草園を見張って欲しい。

・重要な出来事1:鳥篭の魔女  警備の前にとあちこちを回る一行は、【魔法陣の広場】で受けた調達試練のため、久々に【鳥篭の木】を訪れます。そこで出会ったのは鳥篭に捕らえられた、妖精郷の(表向きの)創造者アラマユを名乗るエルフの女性。実は上位魔神ドッペルゲンガーの化身した姿です。かつて強力な魔法使いによって魔法の鳥篭に囚われてしまったドッペルゲンガーは、以前に【小川と屋根付き橋】の幻視で見たアラマユの姿と、妖精郷で得た情報からでっち上げた話で一行を騙し、解放させようとしていたのです。
 しかし、既に重要な情報をいくつも得ていた一行はドッペルゲンガーの嘘を看破。即座に倒すことは断念したものの、住人であるディーラたちに決して解放しないよう言い含めます。間抜けな冒険者や魔神によって解放されることがなければいいのですが……。